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mental ray for Maya のマルチレンダー パス

新しいマルチレンダー パス機能により、レンダー パス設定のワークフローが簡単になりました。レンダー パスをいくつでも無制限にレンダーし、レンダー パス セットとしてグループ化することができます。また、シーン内のオブジェクトまたはライトのサブセットを選択して、それぞれのレンダー パスの成分とすることもできます。このサブセットはレンダー パス成分マップと呼ばれます。

マルチレンダー パス機能を使用すると、レンダー レイヤを使用する必要性を軽減できるので、シーンのトランスレーションや実際のレンダリングにかかる計算時間が短縮されます。複数レイヤの複雑な構成で作業する場合には、レンダー時間が数倍にも短縮されます。マルチレンダー パスによって、シーンをレンダー時に分割することもできます。

 

シーンにマルチレンダー パスの使用を設定する方法は簡単です。

次の手順に従います。

  • レンダー パスの作成(Create Render Passes)ウィンドウを使用して、レンダー パスを作成します。
  • レンダー設定(Render Settings)ウィンドウのパス(Passes)タブを使用して、各レイヤのレンダー パスを作成、管理します。
  • renderPass アトリビュート エディタ(Attribute Editor)を使用して、各レンダー パスのオプションを設定します。

上級ユーザの場合、次のことも可能になります。

  • レンダー レイヤ エディタ(Render Layer Editor)またはパス(Passes)タブを使用してレンダー パス成分マップを作成し、パス(Passes)タブを使用して各マップのレンダー パスを管理します。
  • レンダー パスをレンダー パス セットにグループ化します。パス(Passes)タブを使用して、レンダー パス 設定を作成し、リレーションシップ エディタ(Relationship Editor)ウィンドウ > リレーションシップ エディタ(Window > Relationship Editors)を選択、またはパス(Passes)タブの をクリック)を使用して、メンバーシップを管理します。
 

mental ray レンダー設定の再編成

レンダー設定(Render Settings)ウィンドウの mental ray タブが、パス(Passes)機能(Features)精度(Quality)間接ライティング(Indirect Lighting)オプション(Options)の 5 つに分割され、mental ray のコントロールをより簡単に編成できます。たとえば、ファイナル ギャザー設定を微調整する場合、間接ライティング(Indirect Lighting)タブへと移動するだけで簡単に行えます。

mental ray for Maya の IPR 改良

この項では、mental ray for Maya の IPR の改良点を列記します。

ライト操作

mental ray のライト操作の改良点

  • エリア ライトの変更: Maya エリア ライトから mental ray エリア ライトへの切り替え、シェイプ タイプの変更、ハイ サンプルおよびロー サンプルの変更
  • ライトの削除
  • ライトのフォトン アトリビュートへの変更(エネルギーやカラーなど)
  • コースティクス、グローバル イルミネーション、またはファイナル ギャザーの使用時の、シェーダとライト用のフォトン アトリビュートの変更
  • シャドウ マップの設定の変更: レイトレース シャドウとシャドウ マップの切り替え、シャドウ マップ フォーマットとファイルの変更など
  • ライトまたはオブジェクトをインスタンスとしてコピーまたは複製することによる、ライトまたはオブジェクトの複製
  • 光源インスタンスの非表示および非表示解除
  • ライト リンクとシャドウ リンク
  • IBL ノードの回転
 

オブジェクト操作

mental ray のオブジェクト操作の改良点

  • オブジェクトのインタラクティブな作成
  • ライトまたはオブジェクトをインスタンスとしてコピーまたは複製することによる、ライトまたはオブジェクトの複製
  • ディスプレイスメント シェーダの追加または削除、ディスプレイスメント マップ シェーディング ネットワークの微調整
  • シーンからジオメトリへの追加、削除、トポロジの変更
  • レンダリング詳細と mental ray レンダリング詳細(オブジェクトのシェイプ ノードの下位)への変更。以前は、インスタンスのレンダリング詳細(オブジェクトのトランスフォーム ノードの下位)への変更のみをサポート
 

オプション

mental ray のオプションの改良点

  • mental ray 近似ノードの追加、削除、微調整
  • カメラの作成とレンダリング用カメラの変更
  • 画角などのカメラ設定の変更
  • カメラ ノードの被写界深度(Depth of Field)オプションの有効化と微調整

レンダー > カレント フレームの IPR レンダー(Render > IPR Render Current Frame) を選択し、IPR 専用オプション(エラー メッセージの冗長レベルなど)を設定することもできます。

立体視カメラ

シーンに立体視カメラを追加できるようになりました。これにより、3 次元インタフェースによる画像の奥行き効果を作成できます。アナグリフ、チェッカーボード、水平インタレースなどの各種立体視モードを選択することで、立体視カメラからレンダーして、任意の立体視モードでレンダー出力を表示できます。

上級ユーザの場合、カスタムの立体視リグをシーンに追加して、立体視カメラをカスタマイズすることもできます。

詳細については、以下のセクションを参照してください。

楕円フィルタリング

mental ray for Maya でレンダーする場合に、楕円フィルタリングを使用して高精度のテクスチャ フィルタリングやアンチエイリアシングを実行できます。ポイント サンプリングを使用する代わりに、楕円フィルタリングは領域(楕円)を利用して、イメージの検索を実行します。この楕円には多数のピクセルが含まれており、ピクセルは平均され、結果として平均カラーが返されます。

Maya での楕円フィルタリングは、使い方がとても簡単です。このコントロールは、file ノードのアトリビュート エディタ(Attribute Editor)からアクセスできます。

レンダー プロキシ

mental ray レンダリングでレンダー プロキシを使用して、複雑なジオメトリを含む大きいシーンを管理します。複雑なオブジェクトを mental ray アセンブリ ファイルとしてエクスポートし、シーン内にあるこのファイルを、このファイルを参照するプレースホルダ オブジェクトに置き換えます。レンダー時に、エクスポートしたオブジェクトがメモリ内にロードされ、シーンの残りの部分と一緒にレンダーされます。トランスレーション時間やメモリ使用量が削減されるため、mental ray for Maya で大きいシーンをレンダーできます。

スムース メッシュ レンダー

これまでは、3 キーを押すことで、スムース ポリゴン メッシュをシーン ビュー内でプレビューすることができました。このスムース プレビューを mental ray for Maya でレンダーできるようになりました。3D ビューポート プレビューのスムージングと同じレベルでレンダーできます。あるいは、この 2 つに異なる分割レベルを使用することもできます。

mental ray for Maya でのパーティクル レンダリング

mental ray for Maya でパーティクルをレンダーする場合に、ParticleInfoSampler ノードのすべてのアトリビュートがサポートされるようになりました。

新しい mental ray レンダー設定アトリビュート

mental ray 3.6 と 3.7 の新しいアトリビュート(インポートン(Importons)放射パーティクル(Irradiance Particles)アンビエント オクルージョン(Ambient Occlusion)、フォトン、コースティクス、グローバル イルミネーションのマージ距離(Merge Distance)など)がレンダー設定(Render Settings)に追加されました。

ファイナル ギャザー、シャドウ マップ、ライト マップのみをレンダーできるレンダー モード(Render Mode)アトリビュートが追加されました。さらに、ライト マップとレンズ シェーダをグローバルに無効にできるフラグも追加されました。新しい BSP2 アクセラレーション方法も使用できるようになりました。

ファイナル ギャザリングで複数のファイナル ギャザー マップ ファイルを使用できるようになりました。新しいラスタライザ コントロール(ラスタライザの透明度(Rasterizer Transparency)ラスタライザ ピクセル サンプル(Rasterizer Pixel Samples)ラスタライザで不透明度を使用(Rasterizer use Opacity)など)が追加されました。新しいモーション ブラー コントロール(モーション係数のディスプレイスメント(Displace Motion Factor)モーション ベクトル計算の強制(Force Motion Vector Computation)など)が追加されました。

レンダー設定ウィンドウ: 共通タブの再編成

レンダー設定(Render Settings)ウィンドウの共通(Common)タブが再編成され、フレームとファイルのアトリビュートが区別しやすくなりました。

フレーム バッファの命名(Frame Buffer Naming) カスタムの命名文字列(Custom Naming String)アトリビュートが追加され、マルチレンダー パス機能で OpenEXR ファイル フォーマットを使用する場合に、OpenEXR ファイルのチャンネルの命名をカスタマイズできるようになりました。

複数スレッドを使用したテクスチャ ベイク処理

ベイク処理の最適化:(Bake Optimization)機能を使用すると、オブジェクトごとに 1 つのスレッドを使用するベイク処理と、1 つのオブジェクトに複数のスレッドを使用するベイク処理のいずれかを選択できます。前者は複数のオブジェクトのベイク処理に適し、後者は複雑な単一のジオメトリのベイク処理に適しています。