シーンでレンダー プロキシを使用する
 
 
 

レンダー プロキシを使用して複雑なジオメトリを含む大きいシーンを管理します。シーンに複雑なジオメトリのピースが含まれる場合、まずそのオブジェクトを mental ray アセンブリ ファイルとしてエクスポートしてから、シーンでこのファイルを参照するプレースホルダ オブジェクトに置き換えます。レンダー時に、エクスポートしたオブジェクトがメモリ内にロードされ、シーンの残りの部分と一緒にレンダーされます。全体的なトランスレーションは瞬時に終わります。これは、実際にはジオメトリは mental ray に渡されないからです。そのため、トランスレーション時間とメモリ使用量が大幅に削減されるので、mental ray for Maya で大きいシーンをレンダーできます。

注:レンダー プロキシの使用により、トランスレーション時間とメモリ使用量を複数の方法で削減できます。まず最初に、複雑なジオメトリは Maya にロードされることはありません。必要に応じて mental ray のみにロードされます。プロキシがオクルードされているか、別のオブジェクトの後ろまたはカメラの後ろにある場合は、そのプロキシはロードされません。また、レンダー プロキシに関連付けられたテクスチャ ファイルは、プロキシがロードされない限りはロードされません。さらに、mental ray for Maya は、レンダー時にレンダー プロキシ全体をアンロードしてメモリ消費を削減することもできます。

レンダー プロキシは、次のようにして作成します。

  1. ファイル > 選択項目のエクスポート(File > Export Selection) を選択して、ジオメトリをエクスポートします。詳細については、 ファイル > すべてエクスポート(File > Export All)、選択項目のエクスポート(mental ray)(Export Selection (mental ray))を参照してください。
    注:デフォルト設定を使用してレンダー プロキシをエクスポートすると、そのシェーディング ネットワークもエクスポートされます。したがって、プレースホルダに適用するシェーディングには影響しません。この動作を変更するには、ファイル > 選択項目のエクスポート(File > Export Selection) を選択して、エクスポート オプションをカスタマイズします。
  2. 一般オプション(General Options)セクションのファイル タイプ(File type)アトリビュートで、mentalRay を選択します。
  3. ファイル タイプの特定オプション(File Type Specific Options)出力選択項目のエクスポート(Export selection output)アトリビュートで、レンダー プロキシ(アセンブリ)(Render Proxy (Assembly))を選択します。
    注:レンダー プロキシを作成している場合は、.mi ヘッダー ファイルを圧縮しないでください。これは、Maya が .mi ファイルからバウンディング ボックス データを読み取る必要があるためです。
  4. 選択項目のエクスポート(Export Selection)をクリックして、オブジェクトを .mi ファイルとして保存します。
    注:.mi ファイルにエクスポートする前に、プロキシ オブジェクトを元の位置に配置します。たとえば、エクスポート時にプロキシが x=10 の場合、プレースホルダ項目も 10 ずつ移動します。

レンダー プロキシを使用したシーンのレンダリング

  1. より複雑なジオメトリ用のプレースホルダとしては、単純なベース ジオメトリを作成します。

  2. ベース ジオメトリのシェイプ ノードで、mental ray セクションを展開します。レンダー プロキシ(Render Proxy)セクションで、レンダー プロキシの .mi ファイルを選択します。

    これでベース ジオメトリのサイズは、オリジナルのレンダー プロキシ オブジェクトに適合するように変更されます。
  3. ベース ジオメトリのトランスフォーム ノードの mental ray セクションを展開します。ベース ジオメトリではなく、プロキシをレンダーするには、レンダー プロキシ(Render proxy)セクションのレンダリング可能(Renderable)を有効にします。
  4. シーンをレンダーします。レンダー ビューでベース ジオメトリがレンダー プロキシに置き換えられます。

注:プレースホルダをアニメートする前に、プロキシ ファイルを割り当てます。変換に受信コネクションが含まれる場合、トランスフォームのフリーズ(Freeze Transformations)操作は失敗します。したがって、プレースホルダのアニメートは、プレースホルダにプロキシ ファイルを割り当てたに行う必要があります。