キャラクタのアニメーション クリップまたはオブジェクトのキャッシュ クリップは、Trax エディタ(Trax Editor)のトラック ビュー領域で管理および操作します。
トラックの階層関係は、トラック ビュー領域に表示される位置として表示されます。トラックの階層関係を操作することによって、シーンを整理し、クリップを階層化できます。
各トラック階層の一番上のレベルは、常にキャラクタ(アニメーション クリップ)またはオブジェクト(ジオメトリ キャッシュ クリップ)です。Trax のキャラクタには、複数のトラック、サブキャラクタ、またはグループを含めることができます。
Trax にキャラクタを追加または表示すると、そのすべてのサブキャラクタはキャラクタの下に自動的に配置されます。サブキャラクタとグループは、キャラクタの下の同じレベルに存在し、同じ方法で制御できます。Trax 上で、サブキャラクタからキャラクタのアニメーションを操作できるようにする必要はありません。
Trax 階層の各レベルには、概要が表示されます。概要を使用して、キャラクタ、グループ、サブキャラクタ、またはオブジェクトの下にあるトラックを上位層から制御できます。
キャラクタ、サブキャラクタ、グループ、またはオブジェクトの概要を折り畳んだり展開するときは、各概要の名前の横にある矢印をクリックします。
概要クリップは、キャラクタ、グループ、サブキャラクタ、またはオブジェクトの下にあるすべてのクリップを代表するクリップです。概要クリップをドラッグすれば、キャラクタ、グループ、サブキャラクタ、またはオブジェクトの下にあるすべてのトラックのすべての クリップを移動できます。概要クリップの始点と終点を キーを押しながらドラッグするか、開始(Start)と終了(End)フレーム番号を編集して、概要クリップをスケールすることもできます。
Trax では、複数のオーディオ波形を表示および再生できます。サウンドトラック(Soundtrack)では、.wav または .aiff オーディオ ファイルをクリップとしてインポートできます。Trax にインポートしたオーディオ ファイルのオーディオ クリップは、移動したり名前を変更したりできます。
オーディオ クリップは、一番上のクリップから再生され、最後に一番下のクリップが再生されます。一度に再生できるオーディオ クリップは 1 つだけです。シーンに追加した新しいオーディオ クリップは、サウンドトラックのオーディオ クリップ スタックの一番下に表示されます。
たとえば、複数のオーディオ トラックとクリップが重複している場合には、最上位のトラックのオーディオ クリップが常に再生され、Trax タイムライン上で同じ位置にあるほかのトラックのほかのオーディオ クリップは再生されません。
サウンドトラックに表示されているオーディオ クリップを聴く方法については、 オーディオを操作するを参照してください。
アニメーションとジオメトリ キャッシュ クリップ上に表示される情報
アニメーションまたはキャッシュ クリップに含まれるソース クリップまたはジオメトリ キャッシュ ファイルのフレーム範囲の開始フレーム番号と終了フレーム番号です。
アニメーション クリップを作成すると、トラック ビュー領域に作成されるクリップのほかに、ソース クリップが自動的に生成されます。ソース クリップは、バイザー(Visor)に配置され、バイザー以外では変更できません。このため、ソース クリップが誤って変更されることがありません。ソース クリップに適用した変更は、そのソース クリップに関連するすべてのクリップに反映されます。ソース クリップは、キャラクタのオリジナル アニメーションにアクセスまたは戻すときに、使用します。
ジオメトリ キャッシュ クリップを作成または編集すると、オリジナルのキャッシュ データがディスク上に Maya キャッシュ ファイル(.mc)として保持されます。
Trax でクリップをトリムすると、クリップの始点または終点からアニメーションまたは変形のセクションが除外されます。これにより、クリップの ソース イン時間とソース アウト時間が変更されます。ディスク上のソース クリップまたはキャッシュ ファイルに対する作用はありません。
現在選択されているアニメーション クリップのソース クリップまたは現在選択されているジオメトリ キャッシュ クリップのキャッシュ ファイルが実行されるフレーム数です。この値は、ソース クリップのトリム値の修正やディスク上のキャッシュ ファイルへの変更の作用を受けます。 ソース クリップを参照してください。
現在選択されているアニメーションまたはジオメトリ キャッシュ クリップのスケール率です。スケール率は、オリジナル アニメーション クリップまたはキャッシュ ファイルの長さの乗数になります。詳細については、 スケール(Scale)または スケール(Scale)を参照してください。
クリップにはいくつかのホットスポットがあり、ドラッグすることによってさまざまな操作を行うことができます。たとえば、クリップの右上のコーナーをドラッグすると、アニメーションまたはジオメトリ キャッシュ クリップがトリムされます。
マウス ポインタをクリップの上に移動するときに、各ホットスポットを通過すると、その周囲に白い枠が表示されます。
単一のアニメーションまたはジオメトリ キャッシュ クリップを上下または左右にドラッグできます。
アニメーション クリップを上下方向にドラッグするときに、そのアニメーション クリップの上または下にトラックがない場合には、そのクリップのために新しいトラックが作成されます。 トラックを追加するを参照してください。一度に複数のアニメーション クリップを移動することもできます。 複数のクリップのマニピュレータを参照してください。
Trax エディタ(Trax Editor)の上部にあるクリップ ホットスポットをドラッグして、クリップをトリミングします。
クリップをトリムすることで、アニメーションまたはジオメトリ キャッシュ クリップの始点と終点からセグメントを取り除くことができます。これにより、クリップのソース イン時間とソース アウト時間が変更されます。ディスク上のソース アニメーション クリップまたはキャッシュ ファイルに対する作用はありません。トリム(Trim)を使用してクリップからセグメントを取り除いても、削除はされません。このため、クリップのオリジナルの長さに復元すると、元に戻ります。
Trax エディタの下部にあるクリップ ホットスポットをドラッグして、クリップをスケールします。
アニメーションまたはジオメトリ キャッシュ クリップをオリジナル クリップ長の 100% 未満に縮小(スケール)して、クリップのアニメーションまたは変形を圧縮すると、アニメーションまたは変形の表示が速くなります。
アニメーションまたはジオメトリ キャッシュ クリップをオリジナル クリップ長の 100% より拡大(スケール)して、クリップのアニメーションまたは変形を延長すると、アニメーションまたは変形の表示が遅くなります。
クリップの上の隅を を押しながらドラッグすると、オリジナル クリップの後に保持領域が作成されます。クリップの保持領域は、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)から作成および編集することもできます。詳細については、 クリップを保持するまたは ジオメトリ キャッシュ クリップを保持するを参照してください。
アニメーションまたはジオメトリ キャッシュ クリップの保持領域を作成できます。保持領域とは、クリップの一部または延長部分のうち、指定した期間最後のポーズまたは変形が保持される場所のことです。保持領域は、文字 H の付いた文字列として表示されます。
クリップの下の隅を を押しながらドラッグして、オリジナル クリップの前(前にサイクル(Pre Cycle))または後(後にサイクル(Post Cycle))にサイクルを作成します。クリップのサイクルは、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)から作成および編集することもできます。詳細については、 クリップを繰り返すまたは ジオメトリ キャッシュ クリップを循環させるを参照してください。
アニメーションまたは変形シーケンスの複製アニメーション(サイクル)を使ってクリップを延長することにより、クリップに含まれるアニメーションまたは変形を繰り返すことができます。サイクル全体を作成するだけでなく、サイクルの一部だけを作成することもできます。オリジナル クリップの終点、つまり最初のサイクルの始点には、小さな垂直線が表示されます。クリップの各サイクル シーケンスの終点には、小さなサイクル マーカーが表示されます。
サイクル名は、文字 C の付いた文字列として、クリップのほかの部分よりも明るい青で表示されます。
1 つまたは複数のキャラクタに含まれる複数のアニメーション クリップを選択(を押しながらクリック)すると、クリップ マニピュレータを使用して、クリップを一度に移動またはスケールできます。
クリップ マニピュレータの使用方法については、 クリップを移動するを参照してください。
クリップが無効な場合、そのアニメーションまたは変形は再生中に抑止されます。
アニメーション クリップを有効/無効にする機能は、トラックをミュート/ミュート解除する機能に似ています。Trax エディタ(Trax Editor)では、無効になったクリップは濃い青色で表示されます。
アニメーションまたはジオメトリ キャッシュ クリップを有効/無効にするには、クリップをして、表示されるコンテキスト依存メニューからクリップの有効化(Enable Clip)を選択します。 コンテキスト依存メニューを参照してください。
クリップがアクティブなときに、クリップに含まれるカーブのオブジェクトをシーン ビューから操作してキーを設定すると、それらのキーはすべてアクティブなクリップに自動的に配置されます。アクティブなキーはすべてタイム スライダに表示されます。
アクティブなクリップは紫色で表示されます。Trax エディタ(Trax Editor)の外部からキーを設定できることを示しています。
クリップのアクティブ/非アクティブを切り替えるには、コンテキスト依存メニューのキーのアクティブ化(Activate Keys)または Trax エディタ(Trax Editor)の修正 > キーのアクティブ化/非アクティブ化(Modify > Activate/Deactivate Keys)メニューをオンまたはオフにします。詳細については、 コンテキスト依存メニューと クリップにキーを挿入するを参照してください。
キャラクタ セットに含まれる 2 つのアニメーション クリップが共通のアトリビュートを持っている場合には、それらのクリップをブレンドできます。クリップをブレンドすると、各クリップのモーションの間にブレンドと呼ばれるアニメーション領域が作成されます。ブレンドすると、アニメーション クリップがスムースに移行します。 ブレンドの作成と編集を参照してください。各クリップがブレンドにどの程度影響するかを制御するには、animBlend ノードの ウェイト(Weight)アトリビュートを操作します。
ブレンドをクリップに適用すると、色の付いたキューがクリップに表示されます。クリップが重複している場合には、クリップ上に表示され、クリップの間にすき間がある場合には、そのすき間に表示されます。クリップの一部が重複しているブレンドの場合には、その部分がクリップのほかの部分と異なるカラーで表示されます。
アニメーション間がブレンドしている場合は、緑の矢印が表示され、クリップ間の重複領域は緑色で表示されます。
ブレンドを適用したクリップが重複していない場合には、ブレンドしたクリップの間に緑の矢印が表示されるだけです。緑の矢印は、1 番目のクリップの終点から 2 番目のクリップの始点まで表示されます。
タイム ワープを使用すると、クリップのアニメーション カーブを修正しなくても、アニメーション クリップのタイミングを変更することができます。 タイム ワープの作成と編集を参照してください。
クリップにタイム ワープを作成すると、色の付いたキューが各クリップ上に表示され、タイム ワープ カーブが影響していることがわかります。このキューは、緑色のバーとして、クリップの上部に表示されます。
ウェイトは、アニメーションとジオメトリ キャッシュ クリップのアトリビュートです。クリップのウェイト付けを変更すると、キャラクタの全体的なアニメーションまたはオブジェクトの全体的な変形への影響力を増減できます。詳細については、 クリップのウェイトを編集すると ウェイト(Weight)を参照してください。
クリップのウェイトをアニメートすると、ウェイト(Weight)アトリビュートのカーブの表示が変わります。