スライド デフォメーション
 
 
 

マッスル デフォーマ ノードのスライド(Sliding)アトリビュートにより、オブジェクトがスキン メッシュの下をスライドしているように見せることができます。マッスル デフォーマの各スライド アトリビュートの詳細については、 スライダ アトリビュートを参照してください。

注:スライドにはスティッキー ウェイト付けは必要ありません。たとえば、スライド エフェクトを得るためだけに、オブジェクトをデフォーマに接続することもできます。これにより、基礎的なスキニングには Maya スキンを使用し、それからマッスル デフォーマでスライドまたはその他の機能を使用するといった使い方も可能です。

関連項目

スライド ウェイト

スライド ウェイトは、カプセル、ボーン、マッスルによってスキン サーフェスを押し出し、実際のスライド結果を生成します。ポイント自体はオブジェクトと一緒に移動するのではなく、押し出されたり、オブジェクトに衝突したりします。

スライド ウェイトは通常は正規化されません。つまり、複数のマッスルが同じポイントに 100% 作用することが可能です。複数のマッスルが 1 つのポイントを押し出すと、そのポイントは最も遠い位置まで押し出されます。

ヒント:マッスルにスライド ウェイトとスティッキー ウェイトを組み合わせて使用すると、おもしろい結果が得られます。たとえば、スティッキー ウェイトを少し低めに適用してマッスルがポイントを少しだけ引き寄せるようにし、それから 100% のスライド ウェイトを適用します。その結果、マッスルは下でスライドしますが、同時にスキンに少しだけ引っ張られるか、引き寄せられます。

スライドの計算速度は、マッスル スライドの精度設定とスライドを行うオブジェクトのタイプによって決まります。一般的には、スライドにカプセルを使用するのが最も速く、ポリゴン オブジェクトは中程度、NURBS マッスルが最も遅くなります。

これを念頭に置いて、基礎的なボーンの スライド エフェクトには、できるだけカプセルを使用してください。たとえば、ポリゴンの膝のボーンをモデリングする代わりに、均一でない縮小したカプセルを使用した方が、より高速に同じような結果が得られます。

また、ボーンやマッスルに対しては、そのボーンやマッスルがスライド可能な領域だけをペイントできます。これにより、指定したオブジェクトのスライド計算がウェイト付けするポイントだけに限定され、変形時間が短縮されます。たとえば、上腕二頭筋は脚の周りのスキンまでスライドすることはないため、二頭筋に対しては腕の周囲にスライド ウェイトをペイントするだけで十分です。

スキンが折り重なるところの折り目や領域では、外方向に正しくスライドしないポイントが見つかることがあります。このような領域には、 方向ウェイト で説明するように、cMuscleDirection ノードを使用します。このノードはスキンがスライドする方向を無効にし、外方向に正しく移動するようにします。

方向ウェイト

方向ウェイトにより、スライド エフェクトをより高度にコントロールできます。これは、cMuscleDirection ノードにウェイト付けされたポイントが、指定した方向に移動するようにします。

たとえば、反対方向にスライドしていたり、正しくない方向に移動しているポイントがある場合(折り目部分やスキンが折り重なる領域でよく発生します)、マッスル方向にウェイトを作成してペイントし、このポイントがスライドする方向をコントロールします。

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方向ノードの使用

放射状方向は、円柱状のスライド スキンや、スライドに円柱タイプの押し出しが必要なスライド スキンの領域を処理する場合に便利です。通常は、スライドはサーフェスの形状に基づきます。凹面やリンクルがある場合は、マッスル方向を使用してスライドの方向を修正します。放射状方向は、通常はメッシュの主要な中心の内側に長いボーンがあるようなもの、たとえば上腕や前腕などで効果を発揮します。たとえば、上腕用の 1 つの主要なボーンまたはカプセルがあり、その領域の中心線に配置されているような場合です。カプセルがある場合は、それを選択してマッスル方向オブジェクトにします。カプセルがない場合は、分離した放射状方向オブジェクトを作成し、それをボーンにペアレント化します。

ベクトル方向は、膝の後ろや肘の領域など、スライドやスキンのつまみがより大きく発生する領域で使用するのに便利です。方向オブジェクトは 2 つのボーンの角度を分割し、スライド方向が外方向を維持できるようにして、2 つのスライドがお互いに押し合わないようにします。

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