nCloth オブジェクトを作成する場合、選択したメッシュに対して新しい Maya Nucleus システムのノードが作成され、新しいコネクションが確立されて、nCloth のハンドルが新しい nCloth オブジェクトに表示されます。選択したポリゴン メッシュが四角ポリゴンで構成される場合、Maya Nucleus ソルバは選択したポリゴン メッシュをテッセレーションして、クロス リンクを生成します。選択したポリゴン メッシュが三角ポリゴンで構成される場合、選択したポリゴン メッシュに対してクロス リンクは生成されません。
nCloth のハンドルを使用すると、nCloth のシェイプ ノード(nClothShape)をすばやく選択でき、これがアトリビュート エディタのカレントの選択項目になります。
各 nCloth オブジェクトは、入力メッシュ(pMeshShape)と出力メッシュ(outputCloth)という 2 つの個別のメッシュから構成されています。
入力メッシュは、nCloth オブジェクトのシミュレーションの開始状態を提供します。nCloth の作成時には、入力メッシュの状態は、開始フレームでの nCloth のオリジナル メッシュの状態と同じになります。ただし nCloth に初期状態を設定することで、nCloth が入力情報を使用する方法を変更できます。
初期状態は、nCloth のシミュレーションの新しい開始状態として、nCloth のカレント出力メッシュ(トポロジがマッチする選択済みメッシュ)のポイント位置と速度を格納します。シミュレーション時に、nSolver > 初期状態 > カレントから設定(nSolver > Initial State > Set from Current)またはnSolver > 初期状態 > メッシュから設定( nSolver > Initial State > Set from Mesh)メニュー項目で、nCloth の初期状態をいつでも設定できます。nCloth の初期状態を設定しても、入力メッシュのシェイプが永続的に変更されるということはありません。 初期状態 > 初期状態のクリア(Initial State > Clear Initial State)メニュー項目を使って nCloth の初期状態を削除できます。デフォルトでは、nCloth の入力メッシュはシーン ビューで非表示になっています。nCloth の入力メッシュを表示するには、 nMesh > 入力メッシュの表示(nMesh > Display Input Mesh)を選択します。
出力メッシュは、シーンの再生時にシーン ビューでシミュレートされている nCloth です。nCloth の nClothShape ノード プロパティを編集すると、出力メッシュの動作が変更されます。
nCloth がシミュレーション時に達成するシェイプを指定する場合、nCloth にレスト シェイプを設定できます。レスト シェイプは、シミュレーション時の nCloth のレスト長とデフォルト ベンド角を定義します。デフォルトでは、nCloth のレスト シェイプの状態は開始フレームでの nCloth のオリジナル メッシュの状態と同じです。ただし、nMesh > レスト シェイプ(nMesh > Rest Shape)メニュー項目から、nCloth の開始シェイプ(トポロジがマッチする選択済みメッシュ)から nCloth のレスト シェイプを設定できます。
nCloth オブジェクトの作成方法の詳細については、 nCloth を作成または削除するを参照してください。
nCloth オブジェクトのプロパティは、クロスの物理的な特徴を定義します。これらのプロパティは、クロスが移動して他のオブジェクトと作用し合うときの動作に影響を与えます。調整できるプロパティには、コリジョン(Collisions)プロパティ(コリジョン プロパティ マップ(Collisions Properties Maps)を含む)、ダイナミック プロパティ(Dynamic Properties)(ダイナミック プロパティ マップ(Dynamic Properties Maps)を含む)、フォース フィールドの生成(Force Field Generation)プロパティ(フォース フィールド マップ(Force Field Maps)を含む)、風フィールド(Wind Field)プロパティ、精度設定(Quality Settings)プロパティ、圧力(Pressure)プロパティの 6 種類があります。
コリジョン(Collisions)プロパティは nCloth が他の nucleus オブジェクトとコリジョンしたときの、nCloth の特性を決定します。バウンス(Bounce)、摩擦(Friction)、スティッキネス(Stickiness)のようなプロパティを設定できます。これらのプロパティは nCloth の性質を定義します。コリジョン(Collisions)プロパティを設定する場合、次の項目を確認してください。
ダイナミック プロパティ(Dynamic Properties)は、他のオブジェクトと相互作用する場合、アニメートする場合、および他のフォースの影響を受ける場合の nCloth の動作を定義します。ダイナミック プロパティは、シミュレーション時の nCloth の性質を増強し、これに基づいて伸長、ベンド、変形、および圧縮が行われます。ダイナミック プロパティを設定する場合、次の項目を確認してください。
フォース フィールドの生成(Force Field Generation)プロパティは、nucleus オブジェクトを押し出す、または nucleus オブジェクトを nCloth の方へ引き寄せるフォースの方向と強さを決定します。フォース フィールドの生成(Force Field Generation)プロパティを設定する場合、次の点を確認してください。
風フィールドの生成(Wind Field Generation)プロパティは、nCloth オブジェクトのモーションによって生成できる風フィールドの特性を決定します。これらのプロパティは Nucleus システムのダイナミックな風から nCloth オブジェクトをブロックするためにも使用できます。風フィールドの生成(Wind Field Generation)プロパティを設定している場合、次の点を確認してください。
圧力(Pressure)プロパティは、nCloth がその内部の空気量を維持する方法、そして nCloth 内の圧力を増減する方法を定義します。圧力プロパティを設定する場合、次の項目を確認してください。
精度設定(Quality Settings)プロパティは、相互貫通や nCloth が移動できなくなるなどといった望ましくないクロス動作を、Maya Nucleus ソルバによって解決する方法を定義します。nCloth のコンポーネントが正しく衝突しない場合は、これらの設定を調整すると衝突の失敗を解決できることがあります。精度設定プロパティを設定する場合、次の項目を確認してください。
nCloth プロパティの詳細については、 nClothShapeを参照してください。
nMesh メニューの頂点プロパティのペイント(Paint Vertex Properties)およびテクスチャ プロパティのペイント(Paint Texture Properties)ツールを使用して、nCloth オブジェクトに直接、多数の nCloth オブジェクトをペイントできます。これらのツールは、アーティザンのペイント アトリビュート ツール(Paint Attributes Tool)(頂点プロパティ)と 3D ペイント ツール(3D Paint Tool)(テクスチャ プロパティ)の修正版です。プロパティのペイント ツール(Paint Properties Tools)を使用すると、任意の nCloth サーフェスに対して頂点プロパティまたは テクスチャ プロパティをペイントできます。ペイントした頂点プロパティ値は、頂点単位で nCloth に格納されますが、これは nCloth の解像度に依存します。ペイントしたテクスチャ プロパティは、テクスチャとして nCloth に格納されますが、これは nCloth の解像度には依存しません。ペイントしたテクスチャ プロパティが nCloth に予測可能なエフェクトを与えるには、nCloth オブジェクトにクリーンな、マップ済みの UV が必要です。
ペイント可能な nCloth コリジョンおよびダイナミック プロパティは、厚み(Thickness)、バウンス(Bounce)、摩擦(Friction)、スティッキネス(Stickiness)、フォース マグニチュード(Force Magnitude)、質量(Mass)、伸長(Stretch)、ベンド(Bend)、リンクル(Wrinkle)、剛性(Rigidity)、変形性(Deformability)、および入力引き付け(Input Attract)です。ブラシ ツールを使用して nCloth プロパティ値をペイントすると、よりアーティスティックな方法で nCloth を操作して、nCloth のサーフェス全体または分離された領域にエフェクトを作成できます。nCloth プロパティをペイントするとき、ペイント アトリビュートは乗数またはウェイトとして使用されます。プロパティ アトリビュート値にペイント アトリビュート値が乗算されます。
詳細については、 nMesh> 頂点プロパティのペイント(nMesh > Paint Vertex Properties)および nMesh> テクスチャ プロパティのペイント(nMesh > Paint Texture Properties)を参照してください。
nCloth プロパティ値のペイントに加えて、nCloth プロパティ マップを使用して任意の nCloth オブジェクトのプロパティ値を設定、制御できます。次のコリジョンおよびダイナミック プロパティに対してマップを使用できます。厚み(Thickness)、バウンス(Bounce)、摩擦(Friction)、スティッキネス(Stickiness)、フィールド マグニチュード(Field Magnitude)、質量(Mass)、伸長(Stretch), ベンド(Bend)、リンクル(Wrinkle)、剛性(Rigidity)、変形性(Deformability)、および入力引き付け(Input Attract)。
nCloth プロパティ マップは、テクスチャ マップまたはファイル テクスチャです。これらのマップを nCloth オブジェクトにインポートするか、あるいはペイントした nCloth テクスチャ プロパティ値をマップとしてエクスポートすることができます。nMesh > 変換(Mesh > Convert)メニュー項目を使用して、ペイントした頂点プロパティをテクスチャ マップに、あるいはテクスチャ マップを頂点プロパティに変換することもできます。nCloth プロパティ マップは、乗数またはウェイトとしてアトリビュートに追加され、マップしたプロパティ値は nClothShape の アトリビュート エディタ(Attribute Editor)タブに設定されるダイナミック プロパティ値に乗算されます。
nCloth プロパティ マップをペイントするを参照してください。