ジオメトリを nCloth 変換用に最適化する
 
 
 

このセクションでは、ポリゴン ジオメトリ(入力メッシュ)をより nCloth オブジェクトへの変換に適したものにするためのガイドラインについて説明します。

低解像度メッシュを使用した nCloth のシミュレーション

nCloth に変換する予定のメッシュをモデリングする場合、入力メッシュの解像度が大きくなるに従って、nCloth のシミュレーションに必要な計算の回数は飛躍的に増加するので注意してください。これは、高解像度メッシュのシミュレーションにはより長い時間がかかることを意味します。高解像度メッシュを作業する場合、メッシュの詳細を保持しつつシミュレーション時間を短縮するには、低解像度のプロキシ メッシュを作成してシミュレーションします。その後、このシミュレートした出力メッシュを、高解像度メッシュのラップ デフォーマとして使用します。nCloth エフェクトを完了するには、出力メッシュで メッシュ > スムース(Mesh > Smooth)を使用します。ラップ デフォーマを使用しているときに発生する可能性のあるメッシュの相互貫通のインスタンスを避けるには、nCloth オブジェクトの厚み(Thickness)アトリビュート値をラップ デフォーマに合わせて大きくします。

可能であれば四角(Quad)ポリゴン メッシュをモデルする

クロスがシアするのを防ぐため、nCloth の一部はクロス リンクのネットワークで構成されています。クロス リンクは四角ポリゴン メッシュ用に生成されるもので、三角ポリゴン メッシュ用ではありません。つまり、三角ポリゴン オブジェクトで作成された nCloth は、四角ポリゴンから作成された nCloth ほどバランスが取れていません。nCloth リンクとクロス リンクの詳細については、 nCloth のダイナミクスを参照してください。

nCloth の作成に三角メッシュを使用した場合、シミュレーション中に領域と伸長の抵抗の方向に偏りが生じる可能性があります。下の nCloth の例では、トランスフォーム(Transform)コンストレイン領域にある三角 nCloth に伸長の偏りが見られます。四角 nCloth メッシュでは、クロス リンクにより、さらに均一化された伸長が可能になります。

三角 nCloth オブジェクト(特にエッジが同方向に整列している三角)では、メッシュを均一に保つために、より大きな伸長の抵抗(Stretch Resistance)が必要になることがあります。また、偏りがあると、nCloth シミュレーションで思ったとおりの効果が得られない可能性があります。ドローネー三角形分割を使用して作成した入力メッシュにはこの偏りは見られません。

nCloth の作成に使用される四角メッシュは、均一なサイズの四角形、またはできるだけ均一に近い四角形である必要があります。類似したサイズのポリゴンの入力メッシュから作成された nCloth は、さまざまなサイズのポリゴンを使った nCloth メッシュよりも、より正確なコリジョンを生成する傾向にあります。四角メッシュから作成された nCloth 出力メッシュは、シミュレーションの下流に向かって簡単にスムースできますが( メッシュ > スムース(Mesh > Smooth)を使用して)、三角メッシュでは、不要なアーティファクトを作成せずにスムースするのはより困難になります。