nucleus
 
 
 

このノードは Maya nCloth で使用する一般ソルバ ノードです。これにはフォース(重力と風)、地表プレーンのアトリビュート、時間とスケールのアトリビュートをコントロールする設定が含まれており、特定の nucleus ソルバにコネクトされたすべての nCloth ノードに適用されます。

有効化(Enable)

オンにすると、現在選択されている nucleus ソルバは nucleus システムの一部である nucleus オブジェクトのシミュレーション データを計算します。オフにすると、現在選択されている nucleus ソルバはシミュレーション データを計算せず、nucleus システムの一部である nucleus オブジェクトは 1 つもシミュレートされません。

重力と風(Gravity and Wind)

重力(Gravity)

Maya® Nucleus ソルバに適用する重力の量を指定します。0.0 の値は、重力がないことを意味します。デフォルト値は 9.8 で、地球の重力をシミュレートします。

重力では、Maya の単位はメートルで解釈されます。nucleus オブジェクトのシーンのnucleus オブジェクトのシーンの作業単位をメートルに設定していない場合(Maya のデフォルト作業単位のセンチメートルなど)、必要に応じて Maya Nucleus ソルバの 空間スケール(Space Scale)を調整してください。これを調整しなければ、シーンのサイズが大きい nucleus オブジェクトがうまく動作しない場合があります。たとえば、空間スケール(Space Scale)が 1.0(デフォルト)のとき、重力(Gravity)は幅 100 センチメートルの nCloth オブジェクトを 100 メートルとして処理します。サイズが大きい nCloth オブジェクトの動作を改良するには、空間スケール(Space Scale)値を減らします。

重力方向(Gravity Direction)

重力のフォースが適用される軸(X、Y、Z)を指定します。デフォルトの XYZ の値は 0、-1、0 で、重力は Y 軸上、下方向へ適用されることを意味します。

大気の密度(Air Density)

Maya Nucleus ソルバに適用する大気の密度を指定します。大気の密度とはシーン内の大気の質量を指し、オブジェクト上の相対的な抗力に作用します。デフォルト値は 1 です。

大気の密度の値が小さいほど、オブジェクトに作用する大気摩擦が減少し、抗力の影響は少なくなります。たとえば、大気の密度を 0 に設定すると真空と同じ状態が作成され、オブジェクトに衝突する空気の分子はなくなります。大気の密度の値が大きいほど、空気摩擦とオブジェクト上の抗力は増加します。たとえば、この値を大きくして、水中でのオブジェクトの動きをシミュレートできます。

注:大気の密度(Air Density)は、nCloth オブジェクトや nParticle オブジェクトの ドラッグするボタン 揚力(Lift)のアトリビュートに作用します。大気の密度値を 0.0 にすると、これらのアトリビュートは基本的にオフになります。
風速(Wind Speed)

Maya Nucleus ソルバに適用する風速を指定します。風速は風のフォースと強度を定義します。値が大きいほど風速が速くなり、より顕著な効果が得られます。一般的な値は、0 ~ 1 です。

風向(Wind Direction)

風が進む方向(X、Y、Z 軸)を指定します。デフォルト値は 1、0、0 で、風が X 軸に沿って画面左から右に進むこと意味します。

風のノイズ(Wind Noise)

現在選択されている nucleus システムのダイナミックな風のランダム化のレベルを指定します。

地表プレーン(Ground Plane)

プレーンの使用(Use Plane)

これをオンにすると、Maya Nucleus ソルバのコリジョンで、地表プレーンを使用することが示されます。地表プレーンは、シーン内で実際にジオメトリになることなく、コリジョン オブジェクトとして動作します。

プレーンの原点(Plane Origin)

nucleus ソルバのコリジョンで使用する、地表プレーンの原点の X、Y、Z 軸座標を指定します。デフォルト値は 0、0、0 で、プレーンの原点はグリッドの原点と同じになります。

プレーンの法線(Plane Normal)

nucleus ソルバのコリジョンで使用する地表プレーンの方向を指定します。法線は、プレーンのサーフェスに対して垂直な仮想直線を定義します。法線はプレーンに対して上向きに作用するため、オブジェクトがプレーンの下(ネガティブ法線側)にある場合、プレーンの上(ポジティブ法線側)に押し出されます。デフォルト値は 0、1、0 です。

プレーンのバウンス(Plane Bounce)

コリジョンで使用する地表プレーンの、Maya Nucleus ソルバに対する偏向フォースの量を指定します。プレーンのバウンス(Plane Bounce)値が大きいほど、地表プレーンに衝突するオブジェクトはより大きく偏向またはバウンスします。一般的な値は、0 ~ 1 です。

プレーンの摩擦(Plane Friction)

コリジョンで使用する地表プレーンの、Maya Nucleus ソルバに対する摩擦の量を指定します。プレーン摩擦(Plane Friction)は、地表プレーンが他のオブジェクトと接触したときに、相対モーションに抵抗する度合いを定義します。

地表プレーンが必要とするプレーンの摩擦(Plane Friction)の量は、地表プレーンをどのような種類のサーフェスとするかによって定義されます。たとえばガラスのようにスムースなサーフェスは、0 などの小さなプレーン摩擦値を必要とします。アスファルトのようにかなり粗いサーフェスは、1 などの大きなプレーン摩擦値を必要とします。プレーン摩擦のデフォルト設定は 0.1 です。

プレーン スティッキネス(Plane Stickiness

プレーン スティッキネス(Plane Stickiness)は、現在選択されている nucleus システムの nucleus オブジェクトが地表プレーンに衝突したときに、地表プレーンに粘着する度合いを定義します。

ソルバ アトリビュート(Solver Attributes)

サブステップ(Substeps)

Maya Nucleus ソルバが、1 フレームごとに計算する回数を指定します。サブステップ(Substeps)は、高速で移動してすばやく衝突するオブジェクトに使用すると便利です。フレーム単位で一度のみ計算した場合、衝突を逃してしまう可能性があります。サブステップ数が多いと、ソルバが遅くなる可能性があります。デフォルト値は 3 です。

コリジョン最大反復回数(Max Collision Iterations)

Maya Nucleus ソルバの、シミュレーション ステップごとのコリジョン反復の最大回数を指定します。反復とは 1 ステップで行われる計算の回数で、具体的には(すべてのタイプのコリジョンの)コリジョン反復の計算を行います。反復回数が多くなるほどに精度は上がりますが、計算時間も長くなります。デフォルト値は 4 です。

コリジョン最大反復回数(Max Collision Iterations)値が 0(コリジョンがオフになる)でない限り、サブステップごとに最低 1 回のコリジョン反復が必ず発生します。

コリジョン レイヤ範囲(Collision Layer Range)

2 つのオブジェクトが相互衝突する場合、相互衝突を許可するオブジェクト間の最大距離を定義します。2 つのオブジェクトのコリジョン レイヤ(Collision Layer)値(nClothShape ノードと nParticleShape ノードで設定)の差がコリジョン レイヤ範囲(Collision Layer Range)よりも小さい場合、それらのオブジェクトは相互衝突できます。デフォルト値は 4 です。

たとえばオブジェクト A のコリジョン レイヤ値を 2、オブジェクト B のコリジョン レイヤ値を 5 とします。コリジョン レイヤ(Collision Layer)値の差は 3 であるため、コリジョン レイヤ範囲(Collision Layer Range)の値が 3 以上の場合にのみ衝突が発生します。

時間アトリビュート(Time Attributes)

カレント タイム(Current Time)

Maya Nucleus ソルバにコネクトされているすべてのオブジェクトの、ダイナミック アニメーションのスピードを調整することができます。

各オブジェクトにはカレント タイム(Current Time)アトリビュートがあり、これをアニメートして効果のスピードを調整できます。このアトリビュートは独立した時刻の値を含みます。実質的に、オブジェクトの時計を遅らせる、または早めることで、それに作用するダイナミクスのスピードを調整します。

開始フレーム(Start Frame)

Maya Nucleus ソルバが計算を開始するフレームを指定します。

フレーム ジャンプ制限(Frame Jump Limit)

1 つのソルバ ステップを構成する最大フレーム数を指定します。ジャンプ時間がフレーム ジャンプ制限より小さい場合は、ソルバはシミュレーションのカレント フレームを評価します。ジャンプ時間がフレーム ジャンプ制限値より大きい場合、ソルバはシミュレーション計算を行いません。nucleus 評価をスキップしました。フレームの変更が大きすぎます(Nucleus evaluation skipped, frame change too large)というメッセージが表示されます。

フレーム ジャンプ制限を 1.0 より大きい値に調整すると、タイムラインの詳細設定フレームを選択してプレビュー用にフレームの近似シミュレーションを取得できるため、シミュレーションでのスクラブ結果が向上します。

シミュレーションをキャッシュすると、一定の再生スピードまたはタイムラインをスクラブしてシミュレーションを表示する場合に最も正確な結果が得られます。

スケール アトリビュート(Scale Attributes)

タイム スケール(Time Scale)

ディペンデンシー グラフ(Dependency Graph)時間に対して、nCloth オブジェクトと nParticle オブジェクトが実行される相対時間を定義します。たとえばクロスがシミュレーションを移動する速度を 2 倍にしたい場合は、タイム スケール(Time Scale)値を 2 に設定します。nCloth のシミュレーション時間が長くなるほど、フォースのクロスへの影響は強くなります。たとえばフォースが重力である場合、タイム スケール値が大きくなるほど nCloth が重く見えるようになります。デフォルト値は 1 です。

空間スケール(Space Scale)

Maya Nucleus ソルバに適用する相対空間スケールを定義します。Maya Nucleus ソルバは nCloth オブジェクトと nParticle オブジェクトをスケール モデルとして扱い、指定したフォースを内部的に適用して、実際の nCloth オブジェクトと nParticle オブジェクトの予測される動作を、実際のサイズで取得します。デフォルト値は 1 です。

重力(Gravity)は、Maya の単位をメートルとして解釈します。nucleus オブジェクトのシーンの作業単位をメートルに設定していない場合(Maya のデフォルト作業単位のセンチメートルなど)、必要に応じてオブジェクトの Maya Nucleus ソルバの空間スケール(Space Scale)を調整してください。これを調整しなければ、シーンのサイズが大きい nCloth オブジェクトや nParticle オブジェクトがうまく動作しない場合があります。たとえば、空間スケール(Space Scale)が 1.0(デフォルト)のとき、重力(Gravity)は幅 100 センチメートルの nCloth オブジェクトを 100 メートルとして処理します。サイズが大きい nCloth オブジェクトの動作を改良するには、空間スケール(Space Scale)値を減らします。

1 単位が 1 センチメートルになるようにモデリングしている場合、空間スケール値は 0.01 に設定します。