ファイル > リファレンスの作成(File > Create Reference)
 
 
 

ファイルをシーンにインポートすることなく、シーンのコンテンツ(オブジェクト、アニメーション、シェーダなど)を現在開いているシーンにインポートします。つまり、シーンに表示される内容は、開いていない単独の既存ファイルから読み込まれ、あるいは参照されます。

関連項目

ファイル リファレンスの作成時に使用可能なリファレンス オプションを次に示します。

ファイル > リファレンスの作成(File > Create Reference)

一般オプション(General Options)

据え置き(Deferred)

このオプションをオンにすると、作成したすべてのリファレンスはアンロード状態でシーンに追加され、手動でロードしたときにしか表示されません。

ロック(Lock)

ファイル リファレンスをシーンにロードしている場合にファイル リファレンスをロックします。つまり、選択したファイル リファレンスのすべてのノードとアトリビュートがロックされるため、誤って変更してしまうことがありません。リファレンス エディタ(Reference Editor)にリストされるファイル リファレンスの横にロック アイコンが表示されて、ロック状態であることを示します。

グループ化(Group)

ファイルの参照時に、リファレンス オブジェクトを 1 つのトランスフォーム ノードにグループ化するかどうかを指定します。グループ化によって、インポートしたオブジェクトのノードの操作が容易になります。デフォルトはオフです。

ロケータ(Locator)

グループ化(Group)オプションと併用すると、ロケータのリファレンス ファイルの内容をグループ化し、リファレンス ノード名が付加されます。このリファレンス ノードはロケータの変換へのメッセージ コネクションを持ちます。

ファイル タイプ(File Type)

プルダウン リストから、インポートするファイル タイプを選択します。インポートするファイル タイプが不明な場合は、Best Guess を選択できます。

ファイル タイプのオプションの詳細については、 ファイル > インポート(File > Import)を参照してください。

ロード オプション(Load options)

デフォルト リファレンスのロード(Load Default References)

最後に保存したときのリファレンス ファイルの状態が使用されます。最後にそのファイルで作業したときにロード/アンロードしていたリファレンスはいずれも、再オープンのときに、適切にロード/アンロードされます。

すべてのリファレンスのロード(Load All References)

すべてのリファレンスをロードしてファイルを開きます。リファレンス エディタ(Reference Editor) リファレンス エディタ(Reference Editor)の概要)を開いてアンロードするリファレンスを選択することにより、Maya でファイルを開いた後にリファレンスのロード状態を変更することができます。

リファレンスのロードなし(Load No References)

このオプションにより、リファレンスをロードせずにファイルを開きます。リファレンス エディタ(Reference Editor) リファレンス エディタ(Reference Editor)の概要)を開いてロードするリファレンスを選択することにより、Maya でファイルを開いた後にリファレンスをロードすることができます。

上位リファレンスのみのロード(Load Top-Level References Only)

一番上のリファレンス ファイル(多数のネストされたリファレンス ファイルを含むようなリファレンス ファイル)だけをロードします。これは、多数のリファレンスが複雑にネストされたシーン リファレンス階層を開き、その階層の最上位での操作を容易にしたい場合に便利です。

共有リファレンス オプション(Shared Reference options)

共有ノード(Shared Nodes)

ノードがディスプレイ レイヤ、シェーディング ネットワーク、レンダー レイヤの場合でも、その間で共有を行うかどうかを設定します。このオプションをオンにして、参照される側のファイルに、参照する側のファイルと同じ名前のレンダー レイヤ、ディスプレイ レイヤ、またはシェーディング ネットワークが含まれている場合は、参照する側のファイルと参照される側のファイルの間でそのノードが共有されます(次のオプションを参照)。

共有ディスプレイ レイヤでは、マージは名前だけに基づいて決定されます。両方のレイヤが同じ名前を持ち、共有ディスプレイ レイヤがオンの場合は、そのコンテンツがマージされます。

共有シェーディング ネットワークでは、ノードの名前とタイプが同じ場合に限ってマージが行われます。

ディスプレイ レイヤ(Display Layers)

リファレンスが作成されると、子シーンとコネクトされたディスプレイ レイヤが、親シーン内に統合されます。

Maya では、ディスプレイ レイヤ名を使用して、カレント シーンにリファレンス レイヤを追加する方法が定義されます。ディスプレイ レイヤ名が親シーン内にある場合、子シーン内の同じ名前のディスプレイ レイヤに割り当てられたオブジェクトが参照されると、それらはオリジナルの親ディスプレイ レイヤに追加されます。

親シーンにないディスプレイ レイヤが子シーンに含まれている場合、子シーンが参照されると、そのレイヤが親シーンに表示されます。後でこれらの子シーンが親シーンから削除されれると、関連するレイヤも削除されます。

共有レイヤは自動的にデフォルトのネームスペースに配置されます。

シェーディング ネットワーク(Shading Networks)

共有シェーディング ネットワークを使用してカレント シーンにファイル リファレンスを設定すると、リファレンス対象シーンのシェーディング ネットワークはカレント シーンのシェーディング ネットワーク(すべてのリファレンスのシェーディング ネットワークを含む)と結合されます。このため、シーン全体(リファレンスを含む)で同じシェーディング ネットワークを使用する場合にシェーディング ネットワークを複製しないようにします。

シェーディング ネットワークを共有できるのは、シェーディング ネットワークが等しい場合だけです。Maya が 2 つのシェーディング ネットワークを同等とみなすのは、シェーディング グループから上流に向かって、シェーディング ネットワークに含まれるすべてのノードが同じ名前とタイプを持つ場合だけです。

シェーディング ネットワークを共有するためには、シェーディング ネットワーク内の各ノードの名前とタイプが同じでなければなりませんが、各ノードの実際の値は考慮されません。そのため、子シーンのノードの値(たとえば、青)と親シーンのノードの値(たとえば、赤)が異なっていても、名前とタイプが一致する限り、これらのノードは同一であるとみなされます。

ただし、一部のシェーディング ネットワークは共有できません。それらは次のとおりです。DAG オブジェクト(place3dTexture ノードを含むオブジェクトなど)を含むネットワーク、ノードに適用されるアニメーションを持つネットワーク、ノードに適用されるエクスプレッションを持つネットワーク。

シェーディング ネットワークにこれらのうちのいずれかが現れると、共有シェーディング ネットワークが有効でも、ファイルを参照する際にネットワークは共有されません。

また、シェーディング ネットワークの下流に存在する項目も共有されません。共有される項目は、シェーディング ネットワークの上流にある項目だけです。

レンダー レイヤ(Render Layers)

リファレンスが作成されると、子シーンとコネクトされたレンダー レイヤが、親シーン内に統合されます。

レンダー レイヤの名前(by Name)または番号(by Number)を使用して、どのレンダー レイヤをマージするかを決定するように指定することができます。レンダー レイヤ名または ID が親シーンにすでに存在している場合は、子シーン内で同じ名前または ID をもつレンダー レイヤに割り当てられているオブジェクトは、参照されるときに参照する側のシーンのレンダー レイヤに追加されます。

名前の衝突オプション(Name Clash options)

ネームスペースの使用(Use Namespaces)

ネームスペースの使用(Use Namespaces)オプションをオンにしてシーンを参照すると、インポートまたは参照したデータを含むネームスペースが新しく作成されます。ネームスペースの使用オプションをオンにすることで、すべてのノードが一意の名前を持つことが保証されます。

ネームスペースとは、特定の名前の下に複数のオブジェクトがグループ化されている空間のことです。ネームスペース内の各項目は、所属するネームスペースとノードの名前の組み合わせで識別されます。

デフォルトでは、インポートまたは参照したオブジェクト名の先頭に、それらのファイルのベースネームがコロンで区切られて追加されます。

たとえば、ball というオブジェクトを含む foo.ma というシーンをインポートすると、その ball に foo:ball という名前が設定されます。

この名前のプリフィックスを変更する場合は、インポート オプション(Import Options)ウィンドウで解決法にすべてのノード(all nodes)を対象に文字列指定(this string)を選択し、表示されたフィールド内に任意のプリフィックスを入力します。

ネームスペースの作成、命名、ペアレント化、および削除には、namespace コマンドを使用します。

ネームスペースは、選択した項目、DAG、ディペンデンシー グラフや他の Maya ツールに影響を与えません。

解決法(Resolve)オプション

あるシーンを別のシーンに参照するときに、ノードが同じ名前と親ノードを共有していると、ネーミング コンフリクト(名前の重複)が発生します。

これらのネーミング コンフリクトを解決するには、リファレンスがロードされるときにすべてのノードの名前を変更します。また、プリフィックスとして、ファイル名を使用するか(デフォルト)、任意の文字列を指定するかも選択できます。名前の衝突オプションはファイル リファレンス時には無視されます。すべての名前の変更(Rename All)は常に使用されます。

ノード階層の詳細については、『MEL とエクスプレッション』を参照してください。

ヒント:ネーミング コンフリクトの問題を解決するには、ファイルのインポートや参照時にプリフィックスを付加して名前を変更(renaming prefix)オプションではなく、ネームスペースを使用することをお勧めします。
プロキシ タグ オプション(Proxy Tag Options)

プロキシ リファレンスに適用するプロキシ タグのテキスト文字列を入力するか、プルダウン メニューのリストから既存のタグを選択します。プロキシ タグがリストにグレーで表示される場合は、特定のファイル リファレンスに対してすでに使用されていることを示します。プロキシ タグはリファレンス エディタ(Reference Editor)に表示されます。

Maya は、ファイル リファレンスに最後に使用されたプロキシ タグとプロキシ リファレンスに最後に使用されたプロキシ タグを記録しているので、両者を識別することができます。この機能によって、タグを付加したプロセスはワークフローに関係なく簡素化されます。

たとえば、最初に各タグを作成するときに hiRes という名前のタグを用いて、連続して複数のファイル リファレンスにタグを付加できます。この場合、タグの名前を一度入力するだけで、その名前が後続のファイル リファレンス タグに自動的に割り当てられます。これらの同一のリファレンスに対して複数のプロキシにタグを付加する場合、プロキシのプロキシ タグの名前を一度入力するだけでプロキシ タグは後続のプロキシにも記憶されます。

あるいは、hiRes という名前の 1 つのファイル リファレンスを作成してタグを付加した直後に、loRes という名前の対応するプロキシ リファレンスを作成してタグを付加することも可能です。次のファイル リファレンスを作成すると hiRes タグが自動的に割り当てられ、プロキシ リファレンスを作成すると loRes タグが自動的に割り当てられます。

Maya は指定された最新のファイル リファレンスとプロキシ リファレンスのタグを識別できるため、このようなタグ付加のワークフローが可能になります。

シーンの最初のプロキシを作成する前に、ファイル リファレンスが固有のプロキシ タグに割り当てられていないと、ファイル リファレンスには original という名前のプロキシ タグが割り当てられて、オリジナルのファイル リファレンスと最初のプロキシを区別します。タグがファイル リファレンスに指定されると、別のタグが指定されるまでデフォルトのファイル リファレンスとして継続して使用されます。つまり、Maya はユーザがファイル リファレンスのタグを以前に明示的に指定していなかった場合はデフォルトの original タグを使用します。

シーンで最初のプロキシ リファレンスを作成するときにプロキシ タグを指定していないと、Maya はリファレンス ノードの名前に基づいて自動的に固有のプロキシ タグを適用します。プロキシ タグがプロキシ リファレンスに指定されると、別のタグが指定されるまでプロキシ リファレンスのデフォルト タグとして継続して使用されます。つまり、Maya では、ユーザがプロキシ リファレンスのタグの名前を以前に明示的に指定していなかった場合はデフォルトのプロキシ タグの名前が使用されます。

プロキシ タグを作成すると、プロキシ オプション(Proxy Options)ウィンドウおよびリファレンス オプション(Reference Options)ウィンドウの両方のプロキシ タグ(Proxy Tag)オプション プルダウン メニューで選択項目として使用できるようになります。

プロキシ タグは入力したプロキシ セット内で固有である必要があります。つまり、プロキシ タグは同じプロキシ セット内でまだ使用されていないという条件でプロキシ セットで使用できます。独自のタグを作成し、これらをさまざまなプロキシ セットで再利用できます。