プロキシ リファレンスを使うと、代替となるリファレンス セットを作成して、1 つまたは複数のファイル リファレンスの代わりに使用できます。これは、特定のファイル リファレンスに対するプロキシと呼ばれます。プロキシ リファレンスは、視覚的または空間的に既存のファイル リファレンスに代わるように作成されたファイルです。多くの場合、プロキシ リファレンスは、より単純なオブジェクトをシーンに代用して、複雑なシーンを一時的に簡略化するために使用します。これによって、オリジナル シーンの複雑なコンポーネントによる負担を気にせず作業を進められます。この方法でシーンを簡略化すると、Maya のパフォーマンスが向上します。
プロキシ リファレンスにより、シーンのエレメントの空間的なコンテキストを維持しながら、操作する必要のあるエレメントに集中でき、シーンが見やすくなります。
たとえば、複雑で精密なオフィス家具のあるシーンを、同じ位置、サイズ、スケールのプリミティブ オブジェクトを含むシーンで代用できます。シーンを単純なプリミティブ ベースのプロキシで代用すると、アニメーションのドリー、タンブル、または再生時にインタラクティブなパフォーマンスが向上します。また、プリミティブ オブジェクトがオリジナルのファイル リファレンスでの精密な家具エレメントの位置を示すため、キャラクタやカメラのアニメートに専念できます。
シーンのプロキシ リファレンスを作成するには、まずプロキシ リファレンス データを持つシーンを作成する必要があります。コンテンツが既存シーンとほぼ同等でありながら、キャラクタ、小道具、および資産はより簡略化されたシーンを作成することが必要です。このシーンの項目は複雑なシーンとまったく同様に設定および配置する必要があります。空間的な相関関係が、シーンの精度の高いシーンと精度の低いシーンの間で作成されます。精度の高いシーンを参照したら、リファレンス エディタ(Reference Editor)を使用して精度の低いシーンをプロキシ リファレンスとして追加できます。
プロキシ リファレンスは既存のファイル リファレンスに対してのみ作成できます。単独で存在することはできません。
プロキシ リファレンスを作成すると、プロキシ セットも作成されます。プロキシ セットが作成されると、新しいプロキシ マネージャ ノードの下位に選択したプロキシ リファレンスとオリジナルのファイル リファレンスが構成されます。リファレンス エディタを使用するか、あるいはシーンのオブジェクトを右クリックすると、マーキング メニューから項目を選択してシーンにロードするファイル(オリジナルのリファレンスまたはプロキシ リファレンス)を選択できます。
プロキシ リファレンスを既存のファイル リファレンスに追加すると、オリジナルのリファレンスは新しいプロキシ セット内のプロキシ リファレンスになります。リファレンス エディタ(Reference Editor)にアイコンが表示されます。これは、リファレンスに対して 1 つまたは複数のプロキシが存在することを示し、作成されるプロキシ マネージャを反映した名前がリファレンス エディタ(Reference Editor)に表示されます。
デフォルトでは、プロキシ リファレンスを編集しても、同じセットにある他のプロキシ リファレンスの編集内容には影響しません。プロキシ間で編集内容を維持するには、次の 2 つのオプションがあります。
オリジナルのリファレンスをグループ化をオンにして作成すると、その後ファイル リファレンスに追加されるプロキシ リファレンスはすべて、同じグループに含められます。グループを使用すると、シーン内でのプロキシのトランスフォーム/スケール/回転、別のプロキシのリロード、およびトランスフォーム/スケール/回転の維持が可能です。
詳細については、 編集を共有するプロキシを参照してください。
最後から 2 番目のプロキシ リファレンスをプロキシ セットから削除してプロキシ リファレンスが 1 つだけ残った場合、そのプロキシ セットは削除されます。残ったプロキシ リファレンスはファイル リファレンスに戻り、リファレンス エディタが更新されてこの変更が反映されます。
プロキシにラベルを付けて特定のファイル リファレンスのプロキシ リファレンスを識別することができます。これらのリファレンスは固有のタグが付いた状態でリファレンス エディタに表示されます。このラベルをプロキシ タグと呼びます。プロキシ タグはリファレンス エディタでのファイル リファレンスの管理に便利です。プロキシ タグを使用すると、このタグに基づいてプロキシ ファイルのロード、アンロード、または切り替えを一括して管理できます。