アニメーション レイヤを使用してモーション キャプチャ データを改善する
 
 
 

アニメーション レイヤは、モーション キャプチャ データを使用した作業には特に便利です。データの中の変更する必要がある特定のポイントだけを編集し、他の部分には触れないようにすることができます。

アニメーション レイヤにより、胴体の相互貫通、手足の震え、不安定なフロア コンタクトなど、モーション キャプチャ データ特有の様々な一般的な問題を一掃できます。また、アニメーション レイヤを使用して、オブジェクトがシーンの特定のターゲットにぶつかるようにすることもできます。

次の手順では、モーション キャプチャ データにアニメーション レイヤを使用して、キャラクタの手首が地面と接触したときに固定させるサンプル ワークフローについて説明します。

アニメション レイヤを使用してモーション キャプチャ データを修正または改善するには

  1. モーション キャプチャ データのシーケンスをシーンにロードします。

    この例では、モーション キャプチャ データを二足歩行スケルトンにプロットするシーンについて説明します。

    このアニメーション例では、手首がフレーム 27 でフロアと接触していますが、位置が安定せず、不自然です。フレーム 27 で手が床をヒットし、フレーム 27 と 40 の間では確実に固定されるようにします。これには、手がフロアと接触したら安定するように、フレーム間でアニメーションを修正します。

  2. 以下の手順を実行し、肩と手首の間に単一のチェーン ソルバを挿入します。
    注:この例では単一チェーン IK ソルバを選択しますが、FBIK システムでエフェクタを使用しても同じ結果を得ることができます。

    次の手順では、IK ハンドルをエフェクタとして使用して、手首の位置を操作します。

  3. 先ほど作成した IK ハンドルを選択し、アニメーション レイヤ エディタ(Animation Layer Editor)のメニュー バーでレイヤ > 新規オーバーライドの作成(Layers > Create New Override)を選択します( アニメーション レイヤを作成するも参照してください)。

    アニメーション レイヤ エディタ(Animation Layer Editor)スタックの IK ハンドルに対する新しいオーバーライド レイヤ、AnimLayer1 が作成されます。

    デフォルトでは、IK ブレンド(IK Blend)の値を含む、ハンドルのすべてのアトリビュートをレイヤに追加します(詳細については、 アトリビュートをアニメーション レイヤに追加または削除するを参照してください)。

  4. 新しいレイヤをダブルクリックして「Stabilize_Hand」に名前を変更し、 をクリックしてレイヤをミュートします。

    レイヤをミュートすると、オリジナルのアニメーションを表示して修正するフレームを特定できます。アニメーションが含まれていない場合でも、このレイヤは、ミュートされてないかぎり、無効な位置に IK ハンドルを表示するオーバーライド モードです。

    デフォルトでは、レイヤをミュートすると、キーの受け取りもロックされます。 このオプションは、アニメーション レイヤ エディタ(Animation Layer Editor)オプション > ミュート レイヤをロック(Options > Lock Muted Layers)をオフにすることで変更できます。以下の手順では、この新しいレイヤのロックを解除してキーを受け取れるようにします。

  5. アニメーションを再生し、手と手首を固定する場所を定義します。

  6. をクリックし、キー設定用にレイヤのロックを解除します。
  7. IK ハンドルを選択し、フレーム 27 にキーを設定します。

    これにより、IK ハンドルの位置がフレーム 27 に固定されます( アニメーション レイヤでオブジェクトにキーフレームを設定するも参照してください)。

    アニメーション レイヤ エディタ(Animation Layer Editor)の Stabilize_Hand レイヤに緑色の「信号機スタイルの」フィードバックが表示されます。これは、レイヤのキー設定がアクティブになっていることを示します。

    手順 3 で IK ハンドル用のレイヤを作成したため、ハンドルに設定したキーがこのレイヤに含まれています。レイヤがオーバーライド モードになっているため、ミュートを解除してシーンのアニメーションを再生すると、アニメーションはモーション キャプチャ データをオーバーライドします。

  8. レイヤのミュートを解除してシーンのアニメーション結果を再生するには、 をクリックします。

    次の手順では、ハンドルの IK ブレンド(IK blend)の値にキーフレームを設定し、エフェクト(オリジナルのアニメーションの修正)を複数のフレームでブレンドします。

  9. ハンドルの IK ブレンド(IK blend)値を次のようにキー設定します。
  10. グラフ エディタ(Graph Editor)で、先ほど設定した IK ブレンド(IK blend)キーを調整し、リニア接線を使用します(詳細については、 接線を編集する リニア(Linear)を参照してください)。

    フレーム 27 の後、手はフロアと接触し、安定します。

  11. (オプション)満足のいく修正ができたら、修正後のアニメーションをモーション キャプチャ データとマージ、またはベイク処理します。詳細については、 アニメーション レイヤをマージする アニメーション レイヤをベイク処理するを参照してください。