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レッスン 4 Trax によるノンリニア アニメーション
Trax を使ってクリップの位置を変更する
Trax を使ってクリップを作成する
クリップとは、1 つまたは複数のアニメートされたアトリビュートに関するアニメーション データの時間に依存しないシーケンスで、既存のアニメーション(キーフレーム アニメーション、エクスプレッション、コンストレイン、およびモーション キャプチャ データなど)から作成します。クリップは時間に依存しないため、他のアニメート可能なアトリビュートまたはその他のクリップとは無関係に、クリップの配置、スケール、および循環を行うことができます。これは、クリップを特定のシーケンスに配置してから、再生して結果を確認することができることを意味します。タイミングや長さを調整したり、1
つのクリップを異なる順序で再配置または編集して、モーション シーケンスを変更することができます。
最もよく使用されるクリップは、簡単にシーケンスにしたり他のクリップとブレンドしたりできる、再使用可能なアニメーションのシーケンスです。たとえば、空手チョップと宙返り、キックの 3 つのクリップを作成するとします。これらのクリップは任意の順序で実行することができます。また、クリップを繰り返したり、クリップとクリップの間にモーションをブレンドしたりすることもできます。クリップをスケールまたは循環させて、アニメーションが発生するタイム
フレームを変更することができます。クリップを元の状態に戻したり、オリジナルのソースクリップの複製をリロードして、作業をやり直すことができます。このように、Trax エディタを使うと、キャラクタのアニメーション シーケンスをテストすることができます。
以下の手順では、飛行機のアニメーションをキー設定し、キー設定したアニメーションからクリップを作成して Trax エディタで使用できるようにします。
飛行機のキーフレーム アニメーションを作成するには
- パース ビューのパネル メニューで、パネル > 正射投影 > front(Panels > Orthographic > front)を選択します。
パネルが更新されて、前面ビューから見た飛行機の側面が表示されます。
- 前面ビューで、飛行機をクリックして選択します。
- チャンネル ボックスで以下のように設定します。
飛行機が X 軸上の -25 に移動します。飛行機が表示領域の外に出たために、前面ビューでは見えなくなります。
- 下の図のように、前面ビューの左下に飛行機が表示されるまで前面ビューをドリーまたはトラックします。
- s キーを押してキーフレームを設定します。
チャンネル ボックス(Channel Box)でチャンネルが別の色で表示されます。色が変わったということは、そのチャンネルにアニメーションが適用されたことを意味します。
注:通常
自動キーフレーム(Auto Keyframe)機能を使用している場合は、このレッスンではこの機能を無効にする必要があります。詳細については、
Maya ヘルプの「
自動キー(Auto Key)」を参照してください。
- タイム スライダで、カレント タイム インディケータをフレーム 240 に設定します。
- チャンネル ボックスで以下のように設定します。
飛行機が X 軸上の 25(カレントの前面ビューの右側)に移動します。
- チャンネル ボックスで、移動 X チャンネル名をクリックして選択します。
移動 X チャンネル名がハイライトされます。
- その名前を右クリックして、表示されたプルダウン リストから選択項目のキー設定(Key Selected)を選択します。
選択項目のキー設定では、選択したアトリビュートだけにキーフレームが設定されます。
アニメーション シーケンスが以下の手順どおりに動作することを確認します。
再生コントロールを使用してアニメーションを再生するには
- タイム スライダの再生コントロールにある再生(Play)ボタンをクリックして、アニメーションを再生します。
飛行機が前面ビューで左から右に移動します。
- タイム スライダの再生コントロールにある停止(Stop)ボタンをクリックします。
これで、アニメーション シーケンスをキーフレーム設定し、そのモーションの確認が終了しました。次にアニメーション クリップを作成します。
キーフレーム アニメーションのアニメーション クリップを作成するには
- 飛行機を選択した状態で、Trax エディタ メニューの作成 > アニメーション クリップ(Create > Animation Clip) を選択します。
- クリップの作成オプション(Create Clip Options)ウィンドウで、編集 > 設定のリセット(Edit > Reset Settings)を選択してからクリップの作成(Create Clip)ボタンをクリックします。
アウトライナ(Outliner)が更新されて、clip1 と clip1Source の 2 つの項目がリストに表示されます。クリップが表示されない場合は、
アウトライナを設定してクリップを表示するにはを参照してください。
クリップを作成した際、レギュラー クリップとソース クリップの 2 つのクリップが生成されました。ソース クリップには、クリップの作成元であるキー設定されたアトリビュートに基づいて、キャラクタのアニメーション カーブが含まれています。ソース クリップはファイルに格納され、バイザー(Visor)またはアウトライナからしかアクセスすることができません。オリジナルのアニメーション カーブが誤って変更されないように、ソース クリップは Trax エディタの影響が及ばない場所に保存されます。これによって、変更前のクリップを確保して、変更を元に戻すことができます。
レギュラー クリップ(単にクリップと呼ぶ)には、ソース クリップと同じ情報が含まれています。また、レギュラー クリップは Trax タイムライン上のトラックに設置されます。Trax で操作や変更を行うのは、このレギュラー クリップです。
クリップ(飛行機)に関連付けられたキャラクタ セットが表示用にロードされていないため、Trax エディタのトラック領域にはまだクリップが表示されていません。
- 飛行機を選択した状態で、Trax メニューの選択したキャラクタをロードします(Load Selected Characters)アイコンをクリックします。
Trax エディタのトラックに、クリップが青色の四角形で表示されます。トラックとは、1 つまたは複数のオーバーラップしていないクリップを設置して操作するために使用する Trax エディタ内の領域で、アニメーションのタイムラインと対応しています。トラックを使用すると、適切な時間にクリップの再配置やスケールをしたり、他のクリップと並列させたりして、ノンリニア方式でクリップを操作することができます。Trax エディタでは複数のトラックを操作することができます。
- Trax メニューで、ビュー > すべてをフレームに収める(View > Frame All)を選択します。
Trax エディタが更新されて、Trax エディタに表示されているすべての項目の開始点と終了点が表示されます (この場合は、新しいクリップ)。このクリップは、飛行機が -25 から 25(タイム レンジの 1 フレームから 240 フレームまでに相当)に移動する移動 X(Translate X)アニメーションを表示します。
クリップの構造
すべてのクリップには、クリップの情報に関する以下のような相互作用コントロールが含まれています。
- フレーム インとフレーム アウトは、タイムライン上での位置におけるクリップのカレントの開始フレーム番号と終了フレーム番号を示します。
- ソース インとソース アウトは、オリジナルのソース クリップからのフレーム範囲を示します。
- 継続期間は、フレーム内でのオリジナルのソース クリップの長さ(持続時間)を示します。
- クリップ名は、クリップの名前を示します。初めてクリップを作成したときにクリップの作成オプション(Create Clip Options)ウィンドウで名前を指定した場合を除き、デフォルトのクリップ名がクリップに割り当てられます。
- スケール(Scale)は、クリップのスケールの割合をパーセンテージで示します。スケールの割合は、オリジナルのクリップの長さの乗数になります。たとえば、クリップをオリジナルの長さより 50% 長くスケールする場合は、スケール値は 150% になります。
クリップの各領域にはホット スポットがあります。数値の場合はダブル クリックし、場合によってはクリック & ドラッグして、関連するアトリビュートを変更することができます。たとえば、クリップ名のホット スポットをダブル クリックすればその名前を編集することができます。クリップとトラックの詳細については、Maya ヘルプの「
トラック ビュー領域」を参照してください。
Trax エディタ(Trax Editor)クリップの名前を編集するには
- Trax エディタで、クリップ上に表示されている clip1 の名前をダブル クリックします。
そのクリップが黄色でハイライトされて選択されていることを示します。また、clip1 の名前もハイライトされます。
- Travel_Forward と入力して Enter キーを押します。
クリップの名前が Travel_Forward に変わります。アウトライナ(Outliner)内のクリップとソース クリップの名前が更新され、変更が反映されます。
Trax でこのクリップを再生すると、以前にシーンに設定されていたキーフレーム データからではなく、クリップ データからアニメーションが再生されます。クリップを作成した時点で、飛行機のアニメーション ソースがキーフレームではなくクリップから読み出されるように変更されています。
クリップを作成すると、そのクリップを含むキャラクタ セットが作成されます。キャラクタ セットは、特定のアニメートされたオブジェクトのクリップとトラックの親(上位)階層になります。クリップのアニメーションは、キャラクタ セット ノードの下に保存され、追加したクリップは別に指定しなければ同じノードの下に配置されます。
詳細については、Maya ヘルプの「
Trax のノンリニア アニメーション コンポーネント」を参照してください。
これで、最初のアニメーション クリップの作成と Trax エディタでの名前の変更が完了しました。次に、新しくキーを設定してシーケンスのクリップを作成することで、さらにもう少しクリップを作成する必要があります。飛行機の離陸と着陸のクリップをそれぞれ作成します。
飛行機が離陸するアニメーション クリップを作成するには
- シーン ビューで飛行機を選択します。
- チャンネル ボックスで以下のように設定します。
- チャンネル ボックスで、移動 Y の名前を選択してハイライトします。
- その名前を右クリックして選択項目のキー設定(Key Selected)を選択し、この位置にキーフレームを設定します。
選択項目のキー設定では、選択したアトリビュートだけにキーフレームが設定されます。
- タイム スライダで、カレント タイム インディケータをフレーム 60 までドラッグします。
- チャンネル ボックスで以下のように設定します。
- チャンネル ボックスで、移動 Y の名前を選択してハイライトします。
- その名前を右クリックして選択項目のキー設定(Key Selected)を選択し、この位置にキーフレームを設定します。
- 飛行機を選択した状態で、Trax エディタメニューの作成 > アニメーション クリップ(Create > Animation Clip)を選択(または、ツール バーのクリップの作成(Create Clip)アイコンをクリック)します。
Trax エディタが更新されて新しいトラックが作成され、新しいトラックに新しいクリップが配置されます。アウトライナが更新されて、新しいクリップとソース クリップがリストに表示されます。
- Trax エディタで新しいクリップをダブル クリックし、名前を Aircraft_Rise に変更します。
- タイム スライダの再生コントロールにある再生(Play)ボタンをクリックして、アニメーションを再生します。
飛行機が前方に移動しながら上昇します。
- タイム スライダの再生コントロールにある停止(Stop)ボタンをクリックします。
飛行機が着陸するアニメーション クリップを作成するには
- タイム スライダで、カレント タイム インディケータをフレーム 180 に設定します。
- 飛行機を選択した状態で、チャンネル ボックス(Channel Box)の移動 Y(Translate Y)を 7 に設定します。
- チャンネル ボックスで、移動 Y の名前を選択してハイライトします。
- その名前を右クリックして選択項目のキー設定(Key Selected)を選択し、この位置にキーフレームを設定します。
- タイム スライダで、カレント タイム インディケータをフレーム 240 に設定します。
- チャンネル ボックスで、移動 Y を 0 に設定します。
- チャンネル ボックスで、移動 Y の名前を選択してハイライトします。
- その名前を右クリックして選択項目のキー設定(Key Selected)を選択し、この位置にキーフレームを設定します。
- タイム スライダの再生コントロールにある再生(Play)ボタンをクリックして、アニメーションを再生します。
飛行機が前方に移動し、終点に近づきながら着陸します。
- タイム スライダの再生コントロールにある停止(Stop)ボタンをクリックします。
- 飛行機を選択した状態で、Trax エディタ(Trax Editor)メニューの作成 > アニメーション クリップ(Create > Animation Clip)を選択します。
Trax エディタとアウトライナ(Outliner)が更新されて、新しいクリップが表示されます。
- Trax エディタで新しいクリップをダブル クリックし、名前を Aircraft_Lower に変更します。