キャラクタのスケルトンから各ジョイントを選択し、ラベルを付けるか名前を変更してフル ボディ IK ジョイントのラベル付けおよび命名規則に従うようにします。
フル ボディ IK を動作させるには、キャラクタのスケルトンのジョイントに対して、FBIK ジョイントのラベルおよび命名規則に従ってラベル付けや名前の変更を行う必要があります。スケルトンのジョイントでラベルがないか、名前が命名規則に従うように変更されていないものは FBIK ソリューションには含まれません。各ジョイントのラベル付けによる方法と名前による方法はキャラクタのポーズに対して同じレベルの制御を与えますが、ジョイントのラベル付けによる方法は例外として、InHand、InFoot または HipsTranslation ジョイントを含むスケルトンには使用できません。
ジョイントのラベル付けによる方法と名前による方法、各ジョイントのラベル付けによる方法と名前による方法に含まれるジョイントのタイプ、および使用可能な FBIK ジョイント ラベルと名前の全リストについては、以下を参照してください。
FBIK を使用してキャラクタをアニメートする場合は、次のジョイント タイプに対してジョイントのラベル付けと命名規則に従って名前が付けられます。
ベース ジョイントはキャラクタのスケルトンのうちメインのジョイントで、FBIK が機能するために必要なものです。キャラクタのスケルトンのうちベース ジョイントには、Hips(骨盤またはルート)、Spine(脊椎)、Head(首の上)、UpLeg(ヒップ)、Leg(膝)、Foot(足首)、Arm(肩)、ForeArm(肘)および Hand(手首)があります。
ロール ジョイントは解剖学上では実際には相当するものがないオプションのジョイントで、キャラクタの手足に対してリアルなひねりの動きを作成します。ロール ジョイントにラベル付けや名前の変更を行う場合には、親ジョイントと同じラベルまたは名前を付けてください。キャラクタのスケルトンのうちロール ジョイントには、ArmRoll(肩と肘の間)、ForeArmRoll(肘と手首の間)、UpLegRoll(ヒップと膝の間)および LegRoll(膝と足首の間)があります。
補助ジョイントはすべてのキャラクタで必要とされるわけではない特殊な目的で使用されるオプションのジョイントです。キャラクタのスケルトンのうち補助ジョイントには、Neck、Shoulder(首の根元の骨)、fingers、toes、InHand/InFoot(中手骨/中足骨)および FingerBase/ToeBase(手根骨/足根骨)があります。
キャラクタの手には、2 つの特殊な補助ジョイント タイプ、FingerBase と InHand があります。FingerBase は、四足歩行のキャラクタで前脚の手足や蹄を配置するために最もよく使用します。キャラクタに FBIK を適用する場合には、FingerBase ジョイントに対して FingerBaseEff という名前のエフェクタが作成されます。InHand ジョイントは各指のジョイントをグループ化するために使用されます。InHand を使用する場合には、InHand ジョイントと LeftHand/RightHand(手首)ジョイントの間の中間物として FingerBase ジョイントも使用する必要があります。FingerBase と InHandはキャラクタの手と指のアニメーションには不要ですが、手のフロア コンタクトを使う場合に、手が床につくときに手を指のベースで曲げたい場合には FingerBase が必要となります。
キャラクタの足には、2 つの特殊な補助ジョイント タイプ、ToeBase と InFoot があります。ToeBase は、四足歩行のキャラクタでの足や蹄を配置するために最もよく使用します。キャラクタに FBIK を適用する場合には、ToeBase ジョイントに対し ToeBaseEff という名前のエフェクタが作成されます。二足歩行のキャラクタに対しては、ToeBaseEff をフロア コンタクトとともに(補助ピボットと同様の使用方法で)使用すると、FBIK を使用して足の回転をアニメートするときにキャラクタの足指をうまくベースで曲げることができます。InFoot ジョイントは、各足指のジョイントをグループ化するために使用されます。InFoot を使用する場合には、キャラクタの足にある InFoot と Foot ジョイントの間の中間物として ToeBase ジョイントも使用する必要があります。ToeBase と InFoot はキャラクタの足と指のアニメーションには不要ですが、足のフロア コンタクトを使う場合に、足が床につくときに足を指のベースで曲げたい場合には ToeBase が必要となります。
Hips ジョイントに加えて HipsTranslation ジョイントを指定することにより、2 つの異なるジョイントでキャラクタの骨盤の移動と回転の制御を分割することができます。キャラクタに FBIK を適用すると、Hips ジョイントに対しては HipsEff という名前のエフェクタが作成されますが、HipsTranslation にはエフェクタは作成されません。デフォルトでは、HipsTranslation ジョイントはキャラクタの骨盤の移動を制御し、Hips ジョイントとエフェクタはキャラクタの骨盤の回転を制御します。HipsTranslation ジョイントは、キャラクタのジョイント階層の Hips ジョイント上に配置されている必要があります。また、シーン ビューの Hips ジョイントと同じ位置にある必要があります。
アクセサリ ジョイントはキャラクタのスケルトンにあり、スキニングの目的でのみ使用し FBIK ソリューションには含めたくないジョイントで、たとえば、胸や肋骨のジョイントやキャラクタの頭の頂点にあるジョイントなどがあります。追加ジョイントはキャラクタのスケルトンにあり、FBIK ジョイントのラベルや名前が存在しないジョイントで、たとえば、翼や尾のジョイントなどがあります。これらのタイプのジョイントに対しては、なし(None)のジョイント ラベルまたは hikSolver では認識されないジョイント名を使用します。これらのジョイントのラベル付けまたは名前の変更方法については、 その他のボディ パーツを参照してください。
フル ボディ IK ジョイントのラベル付けおよび命名規則に従ってジョイントの名前を変更するには、次の 3 つの方法があります。
フル ボディ IK に対してジョイント ラベルを使用してキャラクタのジョイントにタグを付けると、FBIK エフェクタを作成するときに、ラベル付けされたジョイントのすべてをフル ボディ IK ソリューションに含めることができます。FBIK ジョイントのラベル付けおよび名前による方法を使用する場合には、キャラクタのベース ジョイント のみにラベル付けするか、またはキャラクタのベース、ロールおよび多数の補助ジョイントすべてにラベル付けするかどちらでも可能です。
ジョイントのラベル付けにより、完全なフル ボディ IK ソリューションが提供されます。ただし、ジョイント ラベルは特殊な InHand、InFoot または HipsTranslation 補助ジョイントに対しては存在しません。スケルトンにこれらの補助ジョイントを使用する場合には、ラベル付けの代わりにジョイント名または MEL を使用する必要があります。詳細については、 アクセサリ ジョイントまたは追加ジョイントを参照してください。
ジョイント ラベルはキャラクタのスケルトンにあるジョイントの名前を変更したくない場合に役立ちます。たとえば、カスタム ジョイント名が付けられた既存のキャラクタが存在する場合やネーム スペースを持つ参照アニメーションを使用している場合にジョイント ラベルを使用すると便利です。
ほぼすべてのキャラクタに対して、ジョイント ラベルを使用することをお勧めします。FBIK ジョイントにラベル付けおよび名前を変更するには、これがもっとも簡単ですばやい方法です。
FBIK のジョイントにラベル付けするのは、アニメーションのリターゲッティングでジョイントにラベル付けするのと似ています。ジョイントのラベル付け方法の手順については、『キャラクタ セットアップ』マニュアルの スケルトンのジョイントにラベルを付けるを参照してください。
ジョイントにラベルを付ける代わりに、キャラクタのジョイントの名前を変更して完全なフル ボディ IK ソリューションを得ることができます。
FBIK ジョイントのラベルおよび名前の変更を使用する場合には、キャラクタのベース ジョイントのみ名前を変更するか、またはキャラクタのベース、ロールおよび補助ジョイントのすべての名前を変更するかどちらでも可能です。詳細については、 ジョイント タイプを参照してください。
キャラクタで FBIK を有効にするには、FBIK ジョイントのラベル付けおよび命名規則にしたがって、少なくともキャラクタのベース ジョイントの名前だけは変更する必要があります。詳細ついては、 ベース ジョイントを参照してください。キャラクタのベース ジョイントの名前のみ変更する方法は、カスタムまたは特殊なジョイントを持たず、基本的な足の屈折のみ必要とする単純な二足歩行のキャラクタに有用です。このジョイントの名前による方法はもっとも単純なフル ボディ IK ソリューションです。この名前による方法で作成される FBIK エフェクタはメイン ジョイントでのみ使用され、キャラクタのスケルトンのその他のジョイント(たとえばロール ジョイントや指とつま先のジョイントなど)で使用されないからです。
InHand/InFoot や ToeBase/FingerBase ジョイントのような補助ジョイントも含めたすべてのキャラクタ ジョイントを FBIK ソリューションに含める場合は、キャラクタのスケルトンにあるすべてのジョイントの名前を変更します。
フル ボディ IK に対して MEL を使用してカスタム ジョイント命名規則を作成し、プロダクションやゲームのパイプラインの特別なニーズに対処することができます。
characterize コマンドの -sourceSkeleton (-sk) フラグにより、キャラクタのカレントのジョイント名と FBIK ジョイントのラベル付けおよび命名規則に従った FBIK ジョイント名との間の関連を指定することができます。FBIK ソリューションに含めたい各ジョイントに対して、そのジョイントの部分的なパスと、そのジョイントが相当するフル ボディ ジョイントの名前を指定する必要があります。パスとフル ボディ ジョイント名はスペースで、複数のエントリはカンマ(,)で区切る必要があります。例:
characterize -sk "myhips hips,rightHip rightupleg,leftHip leftupleg,..."
この MEL 文字列はフル ボディ IK ソリューションで代替のジョイント名(ストリングの引用符で囲まれたもの)を探して使用する characterize コマンドです。
ジョイント タイプ、またはジョイントのラベル付けと命名の方法の詳細については、 ジョイント タイプと ジョイントのラベル付けと名前による方法を参照してください。