コンストレインによって、1 つのオブジェクトの位置、方向、スケールを、もう 1 つのオブジェクトのトランスフォーム設定によって駆動できます。駆動されるオブジェクトはコンストレイン対象オブジェクト、駆動するオブジェクトはターゲット オブジェクトと呼ばれます。コンストレインによってどのチャンネルが駆動されるかは、コンストレインのタイプによります。たとえば、ポイント コンストレインによってコンストレインされているオブジェクトの場合、その X、Y、Z 移動のみがターゲット オブジェクトによって駆動されます。コンストレインのリレーションシップに複数のターゲット オブジェクトが含まれている場合、ウェイトは各オブジェクトがコンストレイン対象オブジェクトに及ぼすインフルエンスの量を決定するのに使われます。コンストレインの詳細については、 コンストレインとはを参照してください。
コンストレインのタイプにはポイント、方向、スケール、エイム、ペアレント、ジオメトリ、接線、極ベクトルがあります。
ポイント コンストレインはコンストレイン対象オブジェクトの移動チャンネルのみを制限し制御します。ポイント コンストレインは、1 つのオブジェクトの位置をもう 1 つのオブジェクトの位置にペアレント化せずにコンストレインしたいときに便利です。たとえばポイント コンストレインを使って、箱のモデルをアニメートされた列車のモデルと、その列車に箱を積み込んだり下ろしたりするクレーンのモデルにコンストレインすることができます。この例では、ターゲット(列車とクレーン)のウェイトをキーに設定することで、どのモデルがいつアニメーションの箱の移動を制御するかを決定することができます。ポイント コンストレインの詳細については、 ポイント コンストレインを参照してください。
方向コンストレインはコンストレイン対象オブジェクトの回転チャンネルのみを制限し制御します。方向コンストレインは、1 つのオブジェクトの方向をもう 1 つのオブジェクトの方向にコンストレインしたいときに便利です。たとえば方向コンストレインを使って、1 基の風車の羽をもう 1 基の風車の羽にコンストレインできます。この例では、ターゲットの風車の羽がその軸を中心に回転すると、コンストレイン対象の風車の羽はそれらのローカル軸を中心に回転します。方向コンストレインの詳細については、 方向コンストレインを参照してください。
ペアレント コンストレインによって、コンストレイン対象オブジェクトはターゲット オブジェクトと親子リレーションシップにあるかのように、ターゲット オブジェクトのトランスフォームとグローバル方向を継承します。たとえばペアレント コンストレインによって、帽子のモデルを頭とキャラクタの手にコンストレインでき、それにより頭がうなずいたり左右に回転したりしたとき、帽子は頭の動きに追従します。また、手が帽子をつかみ頭から持ち上げたとき、帽子は手に追従します。この例では、ターゲットのウェイトを設定しキー設定することで、時間を通じて頭と手が帽子に及ぼすインフルエンスの量を固定できます。ペアレント コンストレインの詳細については、 ペアレント コンストレインを参照してください。
スケール コンストレインはコンストレイン対象オブジェクトのスケーリング チャンネルのみを制限し制御します。スケール コンストレインは、1 つのオブジェクトのサイズによってもう 1 つのオブジェクトのサイズを駆動したいときに便利です。たとえば、草の葉のモデルを互いにコンストレインでき、それによりアニメーション中で葉が成長するとき、それぞれの草の葉のサイズは同じ量だけ大きくなります。スケール コンストレインの詳細については、 スケール コンストレインを参照してください。
エイム コンストレインはコンストレイン対象オブジェクトの回転チャンネルとエイム ベクトルを制限し制御します。エイム ベクトルはエイム コンストレインのアトリビュートです。エイム コンストレインにより、コンストレイン対象オブジェクトが常にターゲット オブジェクトの方向を向くようにできます。エイム コンストレインは、コンストレイン対象オブジェクトが常にターゲット オブジェクトに追従しその方向を向くようにしたいときに便利です。たとえば、キャラクタの目をコンストレインして、シーンの他のキャラクタの動きを追うようにできます。エイム コンストレインの詳細については、 エイム コンストレインを参照してください。
ジオメトリ コンストレインはコンストレイン対象オブジェクトをコンストレインまたはバインドし、ターゲット カーブまたはサーフェスが変形した際にそれに追従するようにします。ジオメトリ コンストレインは、MEL™ やエクスプレッションなどのより複雑なメソッドを使用することなく、オブジェクトを別のオブジェクトのサーフェスにアタッチするときに便利です。たとえばジオメトリ コンストレインにより、ウィルスのモデルを細胞のモデルのサーフェスにバインドできます。ジオメトリ コンストレインの詳細については、 ジオメトリ コンストレインを参照してください。
法線コンストレインは、コンストレイン対象オブジェクトがターゲット オブジェクトのサーフェスの法線ベクトルに沿ってアラインされるように、その方向を制限し制御します。法線コンストレインは、サーフェスを横切るようにオブジェクトを移動させたいときに便利です。一般に、法線コンストレインはジオメトリ コンストレインと連係させて使用します。たとえば、法線コンストレインとジオメトリ コンストレインを使用して、シャツのボタンを適切にコンストレインすることができます。法線コンストレインの詳細については、 法線コンストレインを参照してください。
接線コンストレインは、コンストレイン対象オブジェクトの方向を、コンストレイン対象オブジェクトがカーブ上の現在位置(ポイント)における接線の方向を向くように制限し制御します。一般に、接線コンストレインはジオメトリ コンストレインと連係させて使用します。たとえば、接線コンストレインとジオメトリ コンストレインを使用して、ジェットコースターの車両モデルをジェットコースターの線路にアタッチできます。アニメーション時、車両は線路のシェイプと接線に追従します。接線コンストレインの詳細については、 接線コンストレインを参照してください。
極ベクトル コンストレインは、極ベクトルの終点を 1 つのオブジェクトの位置または複数のオブジェクトの平均位置へ移動し追従させます。極ベクトルは IK 回転プレーン ハンドルのコンポーネントで、IK ハンドルが極ベクトルと交差してフリップが起こる位置を決定します。極ベクトル コンストレインは、フリップと IK ジョイント チェーン内のジョイント(肘など)の位置を制御できるので便利です。極ベクトル コンストレインの詳細については、 極ベクトル コンストレインを参照してください。
同じオブジェクトにコンストレインとアニメーションを適用できます。キーフレームをコンストレイン対象オブジェクトに設定するか、キーフレームを設定されたオブジェクトにコンストレインを割り当てると、pairBlend ノードが自動的にオブジェクトに追加されます。アニメーションとコンストレインのウェイトのブレンドをアニメートするために、pairBlend ノードを設定およびキー設定できます。ウェイトのブレンドによって、アニメーションとコンストレインがコンストレイン対象オブジェクトに及ぼすインフルエンスの量が決まります。
たとえば、2 体のキャラクタの手にボールをコンストレインし、手のウェイトにキー設定できます。ボールが 1 体のキャラクタからもう 1 体のキャラクタへ投げられるとき、ボールの飛行にキーフレームを設定できます。同じオブジェクトにアニメーションとコンストレインを適用しウェイトのブレンドをキー設定するプロセスは、アニメーションとコンストレインのブレンドと呼ばれます。アニメーションとコンストレインのブレンドの詳細については、 アニメーションとコンストレインのブレンドを参照してください。