Linux と Mac OS X では、lmhostid、lmdiag、lmstat などのユーティリティを使用して、ライセンス発行に関連する問題を発見し、解決することができます。Windows では、FLEXlm Licensing Utilities(lmtools)を使用します。FLEXlm Licensing Utilities と lmstat フォーマットについてもこの章で説明します。
lmhostid を使用してハードウェア ID をチェックする(Linux、Mac OS X)
lmhostid ツールを使用して、現在のマシンのハードウェア ID を調べることができます。この ID は、aw.dat、aw_servername.dat または aw_server.dat ファイル内のホスト ID に対応しています。ハードウェア ロックを使用する Maya を実行している場合は、Autodesk 製品コンフィギュレーション ウィザード を使用し、お使いのハードウェア ロック FLEXid を確認する必要があります。詳細については、 シリアル ナンバーからソフトウェアをアクティベートするを参照してください。
lmdiag を使用して、ライセンスに関する問題を診断する(Linux、Mac OS X)
ライセンスの確認が失敗した場合の問題を診断するには、lmdiag ツールを使用します。このツールはスタンドアロン型やネットワーク ライセンスの診断に使用できます。lmdiag を実行すると、まずライセンスに関する情報が出力されます。次に、各ライセンスの確認を試みます。検証が正常に終了すると、lmdiag コマンドからその旨通知されます。正常に終了しなかった場合は、lmdiag が、検証失敗の理由を表示します。
/usr/aw/COM/bin/lmdiag -a -c /var/flexlm/LicenseFile
lmstat を使用してネットワーク ライセンスをチェックする(Linux、Mac OS X)
lmstat ツールは、ライセンス マネージャ デーモンのステータスと機能の使用状況を報告します。このツールはサーバ ノード、ベンダー デーモン、ベンダー機能、およびこれらの機能のユー ザに関するステータス情報を表示します。Imstat はネットワーク ライセンスのエラーのみのチェックに有効で、ライセンス サーバ マシンで実行する必要があります。
/usr/aw/COM/bin/lmstat -a -c /var/flexlm/LicenseFile
lmstat の実行時には、ステータス情報の長いリストが表示されます。ステータス情報とは、ライセンス サーバが起動されて稼動しているかどうか、ライセンス ファイルの各 FEATURE 行にエラーがないかどうか、ライセンス カウントが正しいかどうかを示すものです。トラブルシューティング時には、ステータス情報にある次のエントリをここで説明する手順で調べてください。
lmstat - Copyright (C) 1989-2004 Macrovision Corporation. All rights reserved. Flexible License Manager status on Sun 5/15/2005 10:51 License server status (License file: /var/flexlm/aw_servername.dat): servername: license server UP (MASTER) Vendor daemon status (on servername): sgiawd: UP
License server status (License file: /var/flexlm/aw_servername.dat): servername: Cannot connect to license server (-15,12:146) Connection refused Vendor daemon status (on servername): sgiawd: Cannot connect to license server (-15,12:146) Connection refused
詳細については、 ネットワーク ライセンスの追加セットアップを参照してください。ご使用のライセンス サーバのプラットフォームに該当する指示に従って操作してください。
Feature usage info: Users of MayaUnltdf: (Total of 3 licenses available)
この例では、3 つの Maya Unlimited ネットワーク ライセンスが使用できることがわかります。
ライセンス ファイルの入力に誤りがあると、以下の例のようなメッセージが表示されます。
Users of MayaUnltdf: (Error: 3 licenses, unsupported by licensed server)
FLEXlm ライセンス発行ユーティリティを使用してライセンス発行エラーをチェックする(Windows)
スタンドアロン型コンピュータやライセンス サーバ コンピュータにプラグインされているハードウェア ロックのハードウェア ID(別名ホスト ID またはサーバホスト ID)が間違っているため、ライセンス発行ソフトウェアでのライセンス発行が失敗することがあります。ハードウェア ロックのホスト ID/サーバのホスト IDは、ロックに印刷されています。
スタンドアロン型ライセンス、またはネットワーク ライセンスについては、FLEXlm ライセンス発行ユーティリティを使用して、ライセンス発行ソフトウェアで正しいハードウェア ID が使用されているかどうかを確認することができます。また、ネットワーク ライセンスでは、FLEXlm を使って、 ログ ファイルのエラー メッセージについてに記載されていないエラーをチェックすることもできます。
ライセンス サーバ コンピュータまたはスタンドアロン型ライセンスを持つコンピュータで、以下の手順を実行してください。
(スタンドアロン型ライセンスの場合)ライセンス ファイルから "HOSTID=" を見つけて、記録しておいたシステム ID と比較してください。
(ネットワーク ライセンスの場合)サーバ ライセンス ファイルから "SERVER servername hostID 7111" を見つけて、記録しておいたシステム ID と比較してください(ここで、HOSTID は FLEXID または Ethernt HOSTID のどちらかになります)。
この番号が一致しない場合は、正しいライセンスをインストールしていることを確認してください。一致しない場合は、記録したシステム ID に対して新しいライセンスを取得してください。
License server status: 7111@servername License file(s) on servername: C:\FLEXLM\aw_servername.dat: servername: license server UP (MASTER) \ Vendor daemon status (on servername): sgiawd: UP
servername にはライセンス サーバのコンピュータ名が入ります。
ステータス情報とは、ライセンス サーバが起動されて稼動しているかどうか、aw_servername.dat ファイルの各 FEATURE 行にエラーがないかどうか、ライセンス カウントが正しいかどうかを示すものです。
License server status: 7111 という番号は、ライセンス発行ソフトウェアが内部的に使用する TCP/IP ポートを示す固定番号です。7111 以外の番号が表示された場合は、必ずそれをポート番号として使用します。それ以外の場合は、ファイル aw_servername.dat を開いて、7111 に変更してください。
License file(s) on servername: ライセンス ファイルへのパスが正しいことを確認します。
servername: ステータス情報の次のラインは、ライセンス サーバが起動していることを示しています。ライセンス サーバが起動していない場合は、以下で始まるエラー メッセージが表示されます。
lmgrd not running: Cannot connect to license server. The server (lmgrd) has not been started yet, or the wrong port@host or license file is being used, or the port or hostname in the license file has been changed...
このメッセージが表示されたら、ライセンス サーバを起動し、サーバのライセンス ファイルへのパス名が正しいか確認します。
Vendor daemon status (on servername): 最後の 2 行は、venderDAEMON が起動しているかどうかを示します。venderDAEMON は、ライセンス サーバをアプリケーション、この場合は Maya に接続します。venderDAEMON がダウンした場合、直接起動することはできません。ライセンス サーバ ソフトウェアを停止してから起動すると、デーモンも起動します。ライセンス サーバがダウンした場合は、 ネットワーク ライセンスの追加セットアップの説明に従ってライセンス サーバ ソフトウェアを停止し、起動させてください。それでもまだ問題が解決しない場合は、ライセンス サーバ コンピュータを再起動してください。
その他の情報: ステータス情報の下に、aw_servername.dat ファイル内にある機能のリストとクライアントがその機能を使用できるかどうかが表示されています。たとえば、次のように表示されます。
Feature usage info: Users of MayaUnltdf: (Total of 3 licenses available)
この例では、3 つの Maya Unlimited ネットワーク ライセンスが使用できることがわかります。
aw_servername.dat ファイルの入力に誤りがあると、以下の例のようなメッセージが表示されます。
Users of MayaUnltdf: (Error: 3 licenses unsupported by license server)