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モーション キャプチャ データの長さを延長する
レッスン 4 Trax によるノンリニア アニメーション
レッスンを終えて
クリップ内のモーションを方向転換する
モーション キャプチャ データは、さまざまな方法で使用できます。同じモーション キャプチャ データを使用して、キャラクタのモーションを方向転換することができます。方向転換ツールを使用すると、アニメーション中の任意の時点でパスや方向を変更して、キャラクタのオリジナル アニメーションを変更することができます。方向転換ツールは、選択したキャラクタの移動アトリビュートと回転アトリビュートをオフセットすることによってこれを実現します。
たとえば、キャラクタの開始位置またはアニメーション中の動きを方向転換することによって、キャラクタのアニメーションの開始点または終了点を変更することができます。既存のアニメーション シーケンス内のキャラクタをシーン内に方向転換したり、クリップに関連付けられたキャラクタを
Trax エディタ(Trax Editor)内に方向転換することができます。
以下の手順では、歩きながら右に曲がるようにスケルトンを方向転換します。この方向転換のワークフローを以下に示します。
- アニメーション内で前方にスクラブして、クリップ内でキャラクタが向きを変える位置を定義します。実際には、人間が向きを変える様子を正確にシミュレートするために、スケルトンの右足のボールが地表プレーンに着く場所を選択します。
- スケルトン全体を選択します。この例では、スケルトン全体を選択すると、ルート ジョイント(スケルトン階層の最上位ノード)が選択されます。ルート ジョイントで選択すると、方向転換コントロールが適用されたときに、確実にスケルトン全体が方向転換されます。
- 方向転換ツールを使って、回転方向転換コントロールを作成して配置します。
- 方向転換コントロールの最初の回転をキーフレーム設定します。
- スケルトンが新しい移動方向を向くように方向転換コントロールを回転します。
- 方向転換コントロールの 2 回目の回転をキーフレーム設定します。
スケルトンの方向転換コントロールを作成するには
- タイム スライダで、カレント タイム インディケータをフレーム 36 までドラッグします。
このフレームは、スケルトンの右足のボールが地表プレーンに着く場所です。このフレームをスケルトンが右に曲がる位置として使用します。
- シーン ビューでスケルトンの周囲にあるバウンディング ボックスをクリック & ドラッグして、スケルトンを選択します。
- メイン メニューから
キャラクタ > 方向転換(Character > Redirect) を選択します。
- キャラクタ方向転換オプション(Character Redirection Options)ウィンドウで、方向転換タイプ(Redirection Type)を回転のみ(Rotation Only)に設定してから方向転換(Redirect)ボタンをクリックします。
回転方向転換コントロールがスケルトンのヒップの間に表示されます。ここにはスケルトン階層のルート ジョイントがあります。
右足の指の付け根を地面に着けて立っている間に、スケルトンを回転させたいとします。これを行うには、方向転換コントロールをスケルトンの右足のボールに移動する必要があります。
方向転換コントロールを足のボールに移動するには
- ツール ボックスから移動(Move)ツールを選択します。
移動ツールのマニピュレータが方向転換マニピュレータ上に表示されます。
- v キーを押して、下の図のように方向転換コントロールを右足のボールまでクリック & ドラッグします。
移動ツールを使っている間だけ v キーを押すと、ポイント スナップ(Snap to Points)ツールが有効になります。
これで、方向転換コントロールがスケルトンの歩行モーションを方向転換できるように配置されました。方向転換プロセスを完了するには、スケルトンの方向転換ができるように、方向転換コントロールを設定するときにキーフレームを設定する必要があります。
方向転換コントロールをキーフレーム設定するには
- 方向転換コントロールを選択した状態で、s キーを押してキーフレームを設定します。
タイム スライダのフレーム 36 に、キーフレームを示す赤いキーマークが表示されます。キーフレームを設定すると、スケルトンの方向転換回転の最初の回転が確定します。
- タイム スライダで、カレント タイム インディケータをフレーム 57 までドラッグします。
スケルトンが更新されて、左足が地表プレーンに着く位置に配置されます。これは、スケルトンを新しい進行方向に回転させる場所です。
- 方向転換コントロールを選択した状態で、チャンネル ボックス(Channel Control)の回転 Y(Rotate Y)アトリビュートを -45 に設定します。
- 方向転換コントロールを、スケルトンが下の図のように向きを変えるまで Y 軸の周りに約 -45 度回転させます (チャンネル ボックスの値を参考にすることができます)。
- 方向転換コントロールを選択した状態で、s キーを押してキーフレームを設定します。
この 2 番目のキーフレームを設定すると、スケルトンの方向転換回転の終了時間が確定します。
- カレント タイム インディケータをフレーム 1 に設定します。
- パース ビューの任意の場所をクリックして、シーン内のすべての項目を選択解除します。
- タイム スライダの再生コントロールにある再生(Play)ボタンをクリックして、クリップを再生します。
スケルトンが 2 歩進んで方向転換コントロールに辿り着いてから右に曲がり、新しい進行方向に歩き続けて歩行サイクルが完了した時点で停止します。
- 再生コントロールにある停止(Stop)ボタンを押して再生を停止し、カレント タイム インディケータをフレーム 1 にリセットします。
注:Trax 内でモーションを方向転換するときに、方向転換アニメーションを含むクリップを作成して、方向転換アニメーションをクリップとして再配置できるようにすることを考慮する場合もあります。
これで、歩行サイクル中にキャラクタを別の進行方向に方向転換することができました。このレッスンの前半で作成してアウトライナ(Outliner)またはバイザー(Visor)に保存したオリジナルのソース クリップから、モーションの一部を再利用できます。
クリップ ライブラリのソース クリップを Trax に挿入することができます。クリップ ライブラリには、ソース クリップのトラックとカレントのキャラクタ セットのポーズが保存されています。ソース クリップがライブラリから挿入されると、そのソース クリップのコピーが新しいトラック内に作成されます。
ソース クリップをインポートしてコピーを作成したら、複製クリップをトリムしてキャラクタの歩行を停止し、オリジナルのモーション キャプチャとは別の位置に座らせます。
ソース クリップを挿入するには
- Trax エディタ(Trax Editor)で、ライブラリ > クリップの挿入(Library > Insert Clip)を選択します。プルダウン リストで、WalkSitSource を選択します。
WalkSitSource クリップの複製コピーが作成されて新しいトラックに挿入されます。
- Trax エディタで、ビュー > すべてをフレームに収める(View > Frame All)を選択します。
トラックの表示領域が更新されて、すべてのクリップが完全に表示されます。
- Trax のコントロール領域で、WalkCycle クリップを含むトラックのミュート(Mute)ボタンをクリックします。
ミュートされたトラックがグレー表示になり、非アクティブであることを示します。歩行サイクルのトラックをミュートすると、キャラクタが更新されて、オリジナルのソース クリップに基づいて大の字のポーズで原点に表示されます。
- カレント タイム インディケータをフレーム 98 までドラッグします。
ビューでスケルトンが更新され、適用してあった方向転換が実行されます。方向転換はクリップではなくキャラクタに対して発生することを忘れないでください。
- トラックで WalkSit クリップをクリックして選択します。
- Trax ツール バーでカレント タイム前のクリップをトリムします(Trim Clip Before Current Time)アイコンをクリックして、フレーム 98 より前に発生するクリップのセクションをトリムします。
WalkSit クリップがトリムされ、このクリップのフレーム 98 より前の部分が削除されます。
- WalkCycle クリップを含むトラックのミュート(Mute)ボタンをもう一度クリックして、トラックを再度アクティブ化します。
グレー表示されていたトラックが再びアクティブになります。ただし、スケルトンが更新されて、前回の位置の近くで間違ったポーズをとっています。これは、2 つのアクティブなクリップがオーバーラップして、矛盾する位置情報(つまり、二重の移動情報と回転情報)をキャラクタが受け取ったことが原因で起きたものです。
- WalkSit クリップを、トラック内でフレーム イン番号が WalkCycle クリップのフレーム アウト番号と一致するまで右方向にドラッグします。
スケルトンのポーズが正しい位置に更新されます。
- カレント タイム インディケータをフレーム 1 にリセットします。
- タイム スライダの再生コントロールにある再生(Play)ボタンをクリックして、アニメーションを再生します。
スケルトンが 2 歩進んで方向転換コントロールに辿り着いてから右に曲がり、新しい進行方向に歩き続け、停止し、そして座ります。
- 再生コントロールにある停止(Stop)ボタンを押して再生を停止し、カレント タイム インディケータをフレーム 1 にリセットします。
2 つのクリップの変わり目で小さなジャンプ カットが発生します。ジャンプ カットが発生するのは、1 番目のクリップの最後と 2 番目のクリップの最初のスケルトンのポーズが一致していないためです。自分の作品で、Trax での作業中にモーションがクリップ間でどのようにブレンドされるかを予測してみてください。この特定の例では、WalkCycle
クリップを延長すると、ジャンプ カットを修正することができます。
WalkCycle クリップを延長してジャンプ カットを修正するには
- Trax エディタ(Trax Editor)で、C2 領域の WalkCycle クリップをダブル クリックします。
番号がハイライトされてその番号が編集可能なことを示します。
- 2.2 と入力して、クリップが 2.2 回循環するように編集します。
WalkCycle クリップの新しいフレーム アウト番号が 126 になります。これで、WalkCycle クリップと WalkSit クリップの時間がオーバーラップします。
- WalkSit クリップをフレーム イン番号が 126 になるまで右方向にドラッグします。
- タイム スライダの再生コントロールにある再生(Play)ボタンをクリックして、アニメーションを再生します。
ジャンプ カットが以前より目立たなくなりました。
- タイム スライダの再生コントロールにある停止(Stop)ボタンをクリックします。
これでこのレッスンは終了です。このレッスンを終了する前に、ジョイントのサイズをリセットしてデフォルト設定に戻します。
ジョイントのサイズをリセットするには
- メイン メニューから
ディスプレイ > アニメーション(Display > Animation)を選択します。
ジョイント表示スケール(Joint Display Scale)ウィンドウが表示されます。
- ジョイント表示スケール(Joint Display Scale)を 1 に設定します。
- ジョイント表示スケール ウィンドウを閉じます。