それぞれ、単一のフレーム、複数のフレーム、またはある範囲のフレームで構成されている場合があるオブジェクトに対して単一または複数のジオメトリ キャッシュを作成できます。1 つのオブジェクトに対して複数のジオメトリ キャッシュを作成する場合は、キャッシュをブレンドして各種デフォメーション エフェクトを作成できます。 ジオメトリ キャッシュのウェイト付けをブレンドおよび設定するを参照してください。
新しいジオメトリ キャッシュを作成する以外に、以前作成したジオメトリ キャッシュをインポートすることもできます。ジオメトリ キャッシュをインポートした場合、それらがすでにシーン内で使用されていたとしても、オブジェクトにアタッチされている既存のキャッシュ データがオーバーライドされたり置き換えられたりすることはありません。
オブジェクトの変形は、ジオメトリ キャッシュの作成オプション(Create Geometry Cache Options)ウィンドウの現在選択されている設定を使用してキャッシュされます。 ジオメトリ キャッシュ > 新規キャッシュの作成(Geometry Cache > Create New Cache)を参照してください。
単一または複数の .mc ファイルと 1 つの .xml 記述ファイルが生成され、ジオメトリ キャッシュの作成オプション(Add New Geometry Cache Options)ウィンドウで指定したファイル ディレクトリに配置されます。cacheFile ノード(デフォルトの名前は、objectShape#Cache#)がオブジェクトに追加され、再生時に新しいキャッシュだけを確認できるように、すべてのオブジェクトのカレント ジオメトリ キャッシュ ノードが無効になります。
単一のオブジェクトを選択した場合は、次のファイルが作成されます。
ファイル配分 | 作成される Maya キャッシュ ファイルの数 | 作成される XML 記述ファイルの数 | 作成されるジオメトリ キャッシュ ノードの数 |
---|---|---|---|
1 ファイル |
1 |
1 |
1 |
フレームごとに 1 ファイル |
複数(各フレームに 1 ファイル) |
1 |
1 |
複数のオブジェクトを選択した場合は、次のファイルが作成されます。
インポート(Import)ファイル ブラウザ ウィンドウが表示されます。 ジオメトリ キャッシュ > キャッシュのインポート(Geometry Cache > Import Cache)を参照してください。
インポートしたジオメトリ キャッシュに対して新しい cacheFile ノードが作成され、選択したオブジェクトの cacheBlend ノードに自動的にアタッチされます。これにより、インポートしたキャッシュを選択したオブジェクトの既存のキャッシュのすべてと統合できるようになります。
ジオメトリ キャッシュ ファイル全体を置き換えたり、ジオメトリ キャッシュ ファイル内の個々のキャッシュ フレームを戦略的に置き換えたりすることができます。たとえば、特定のフレームのオブジェクトの一部を再モデリングしてジオメトリ キャッシュ ファイル内のフレームを置き換えることによって、オブジェクトのキャッシュされた変形を改良できます。
選択したオブジェクトのキャッシュが作成され、ジオメトリ キャッシュの置き換えオプション(Replace Geometry Cache Options)ウィンドウで指定されているタイム レンジのカレント キャッシュと置き換わります。 ジオメトリ キャッシュ > キャッシュの置き換え(Geometry Cache > Replace Cache)を参照してください。
ジオメトリ キャッシュ フレームの置き換えオプション(Replace Geometry Cache Frames Options)ウィンドウで指定されているフレームまたはフレーム レンジにキャッシュが作成されて、指定したタイム レンジの現在選択されているキャッシと置き換えられ、オリジナルの変更されていないキャッシュと記述ファイルのバックアップが生成されます(デフォルトの名前は、backup#_originalCacheName)。
ジオメトリ キャッシュ > キャッシュ フレームの置き換え(Geometry Cache > Replace Cache Frame)を参照してください。
ジオメトリ キャッシュ フレームの置き換え(Replace Geometry Cache Frames)操作を元に戻す
ジオメトリ キャッシュ フレームを置き換えると、オリジナルのキャッシュ データのバックアップ ファイルが自動的に生成され、オリジナルのキャッシュ ファイルの名前に backup_、backup1_ などのプリフィックスが付いた名前が付けられます。
ジオメトリ キャッシュ フレームの置き換え(Replace Geometry Cache Frames)操作を元に戻すには
たとえば、Ball という名前のジオメトリ キャッシュに対するジオメトリ キャッシュ フレームの置き換え(Replace Geometry Cache Frames)操作を元に戻すには、そのバックアップ ファイル backup_Ball.xml と backup_Ball.mc の名前を Ball.xml と Ball.mc に変更します。
フレームごとに 1 ファイル(One File Per Frame)で作成されるキャッシュのジオメトリ キャッシュ フレームを置き換えると、置き換えられたフレームだけがバックアップされます。フレームごとに 1 ファイル(One File Per Frame)で作成されるキャッシュに対するジオメトリ キャッシュ フレームの置き換え(Replace Geometry Cache Frames)操作を元に戻すには、生成されたバックアップ フレーム ファイルの名前をオリジナルのフレーム ファイルの名前に変更する必要があります。たとえば、フレームごとに 1 ファイル(One File Per Frame)で作成されるジオメトリ キャッシュの名前が BallFrame1、BallFrame2、BallFrame3 である場合、ジオメトリ キャッシュ フレームの置き換え操作(Replace Geometry Cache Frames)を元に戻すには、backup_Ball.xml ファイルの名前を Ball.xml に、置き換えられたフレーム バックアップ ファイル backup_BallFrame1.mc、backup_BallFrame2.mc、backup_BallFrame3.mc の名前を BallFrame1.mc、BallFrame2.mc、BallFrame3.mc に変更します。
ジオメトリ キャッシュにアペンド オプション(Append to Geometry Cache Options)ウィンドウで指定したフレームまたは特定範囲のフレームに対してジオメトリ キャッシュが作成され、有効なキャッシュに追加またはアペンドされます。
アペンドされたキャッシュ フレームが有効なジオメトリ キャッシュに時間上オーバーラップする場合、それらは自動的にそのキャッシュにブレンドされます。ただし、有効なジオメトリ キャッシュとアペンドされるキャッシュ フレーム間に時間のギャップがある場合、そのギャップはリニアに補間され、ギャップのキャッシュ データはアペンドされるキャッシュに保存されません。
ジオメトリ キャッシュの削除オプション(Delete Geometry Cache Options)ウィンドウが表示されます。 ジオメトリ キャッシュ > キャッシュの削除(Geometry Cache > Delete Cache)を参照してください。
選択されているすべてのオブジェクトのジオメトリ キャッシュ ノードとクリップが削除され、ディスク上の対応するキャッシュ ファイルがオブジェクトからデタッチされます。
単一または複数のジオメトリ キャッシュ ファイルをデタッチするには
ジオメトリ キャッシュの削除オプション(Delete Geometry Cache Options)ウィンドウが表示されます。 ジオメトリ キャッシュ > キャッシュの削除(Geometry Cache > Delete Cache)を参照してください。
選択したジオメトリ キャッシュのノードとクリップが削除され、ディスク上のコネクトされたそれらのキャッシュ ファイルがオブジェクトからデタッチされます。
オブジェクトのすべてのジオメトリ キャッシュを有効化/無効化するには
現在選択されているオブジェクトのすべてのアクティブなジオメトリ キャッシュ ノードとキャッシュ クリップが非アクティブになり、再生時にそれらのオブジェクトによって使用されなくなります。
現在選択されているオブジェクトのすべての非アクティブなジオメトリ キャッシュ ノードとキャッシュ クリップがアクティブになり、再生時にそれらのオブジェクトによって使用されるようになります。
ジオメトリ キャッシュ ノードと対応するキャッシュ クリップがアクティブになり、再生時にそれらのオブジェクトによって使用されるようになります。
ジオメトリ キャッシュ ノードと対応するキャッシュ クリップが非アクティブになり、再生時にそれらのオブジェクトによって使用されなくなります。
オブジェクトのすべてのジオメトリ キャッシュ ノードと対応するキャッシュ クリップが削除されます。ディスク上のオブジェクトのジオメトリ キャッシュ ファイルも削除されるかどうかは、現在選択されているジオメトリ キャッシュの削除オプション(Delete Geometry Cache Options)ウィンドウの設定によって異なります。 ジオメトリ キャッシュ > キャッシュの削除(Geometry Cache > Delete Cache)を参照してください。
ジオメトリ キャッシュ フレームの削除オプション(Delete Geometry Cache Frames Options)ウィンドウで指定されているフレームまたは特定範囲のフレームが、オブジェクトのジオメトリ キャッシュから削除されます。フレームを削除した結果生じるジオメトリ キャッシュ内のギャップは、リニアに補間されます。
ジオメトリ キャッシュは、マージして単一のキャッシュにベイク処理できます。マージするキャッシュは経時的に連続して配置することも、連続せずに配置することもできます。
マージするキャッシュが時間上オーバーラップする場合、オーバーラップするキャッシュの領域は、現在選択されているそれらの入力ウェイト設定と任意のウェイト マップに従ってブレンドされます。
マージするキャッシュがオーバーラップしていないものの、その間にギャップがある場合、ギャップは線形的に補間され、ギャップのキャッシュ データはマージされたキャッシュに保存されません。たとえばマージするキャッシュが、キャッシュ 1(フレーム 15 ~ 25)、キャッシュ 2(フレーム 25 ~ 35)、キャッシュ 3(フレーム 40 ~ 50)の 3 つだとします。これらのキャッシュをマージすると、結果として生じるマージされたキャッシュの長さはフレーム 15 ~ 50 になりますが、フレーム 36 ~ 39 にキャッシュ データは含まれません。
ジオメトリ キャッシュのマージ オプション(Merge Geometry Cache Options)ウィンドウが表示されます。 ジオメトリ キャッシュ > キャッシュのマージ(Geometry Cache > Merge Caches)を参照してください。
すべてのオブジェクトの有効なキャッシュが、ジオメトリ キャッシュのマージ オプション(Merge Geometry Cache Options)ウィンドウの設定に従ってマージされ、新しいジオメトリ キャッシュ ノード、キャッシュ ファイル、および XML 記述ファイルが作成されます。 ジオメトリ キャッシュ > キャッシュのマージ(Geometry Cache > Merge Caches)を参照してください。
マージしたジオメトリ キャッシュは無効になり、ディスク上の対応するキャッシュ ファイルはオーバーライドも削除もされません。
ジオメトリ キャッシュのウェイト付けをブレンドおよび設定する
オブジェクトに複数のジオメトリ キャッシュがアタッチされている場合は、オブジェクトの複数のジオメトリ キャッシュのウェイト付けを定義して管理するために、cacheBlend ノードが自動的に作成されます。 cacheBlendを参照してください。
ジオメトリ キャッシュが時間上オーバーラップする場合、オーバーラップしているキャッシュ領域は、cacheBlend ノード上にあるキャッシュの現在選択されている入力ウェイト値を使用して自動的にブレンドされます。
またキャッシュのウェイトは、オーバーラップするキャッシュ間で正規化されます。したがって、オーバーラップしている 2 つのキャッシュのウェイト値(つまり、1.0 と 1.0、0.5. と 0.5 など)が同じ場合、再生時に両方がキャッシュ ブレンド領域での変形に等しく使用されます。
ウェイトが 1.0 の場合、ジオメトリ キャッシュは現在選択されているオブジェクトの他のキャッシュとブレンドされ、再生中のオブジェクトの変形に全面的に使用されます。
ウェイトが 0.0 の場合、ジオメトリ キャッシュは現在選択されているオブジェクトの他のキャッシュとブレンドされず、再生中のオブジェクトの変形に使用されません。
各キャッシュのウェイト値を調整した後、ウェイト アトリビュートをし、表示される状況に応じたメニューからキーの設定(Set Key)を選択します。
これにより、ジオメトリ キャッシュにキーが追加され、ウェイト カーブが作成されます。これで、作成されたウェイト カーブを操作して、オブジェクトのオーバーラップしている(ブレンドされた)キャッシュ間のトランジションをスムースできます。
オブジェクトのジオメトリ キャッシュのウェイトをサーフェスに直接ペイントすることで、単一のオブジェクト上で複数のキャッシュのウェイトをインタラクティブに適用、配分、およびブレンドできます。たとえば、キャッシュ ウェイト ペイント ツール(Paint Cache Weights Tool)を使用すると、1 つのキャッシュを二足歩行モデルの腕に、別のキャッシュをそのモデルの胸にペイントし、その 2 つのキャッシュをモデルの肩でブレンドして、腕のジオメトリ キャッシュから胸のジオメトリ キャッシュへのスムース トランジションを作成できます。
ツール設定(Tool Settings)ウィンドウにキャッシュ ウェイト ペイント ツール(Paint Cache Weights Tool)設定が表示されます。 ジオメトリ キャッシュ > キャッシュ ウェイト ペイント ツール(Geometry Cache > Paint Cache Weights Tool)を参照してください。
これらのツールの設定の説明は、『アーティザン』マニュアルの「 アーティザン(Artisan)ツール設定」を参照してください。