ここでは、ファー フィードバック シェイプ(FurFeedbackShape)ノードのアトリビュートについて説明します。このアトリビュートを確認するには、オブジェクトのサーフェス上のファーを選択し、アトリビュート エディタ(Attribute Editor)(Ctrl+a)を開きます。
U サンプル(U Samples)とV サンプル(V Samples)の値を設定して、サーフェス上に表示するフィードバックのヘアの量を設定します。この値は、実際にレンダーされるサーフェス上のヘアの量ではなく、作業中にフィードバック表示されるサーフェス上のヘアの量だけに影響します。
非常に小さなサーフェスでは、作業しながらファーのアトリビュートのエフェクトがはっきり確認できるように、U サンプル(U Samples)とV サンプル(V Samples)の値を低く設定します。
U サンプル(U Samples)とV サンプル(V Samples)の値はサンプルのヘアの配置場所を設定します。サーフェスにファーのアトリビュート値をペイントすると、フィードバックで表わされたファーのアトリビュート値が、ペイントされた値に変わります。フィードバックのヘア間を満たすヘアの値は補間されて自動的にブレンドされます。
次の例では、ファー アトリビュート ペイント ツール(Paint Fur Attributes Tool)を使用してファーの長さを 1 でペイントし、ディスクリプションのファーの長さを 5 に設定してレンダーしたプロファイルを示します。いずれのイメージにも同じブラシ スタンプ(サイズとシェイプ)を使用しています。
上のイメージはU サンプル(U Samples)とV サンプル(V Samples)を 40 に設定し、 下のイメージはそれぞれ 4 に設定して作成したものです。
U サンプル(U Samples)とV サンプル(V Samples)の値を高くする場合は、アトリビュート マップの高さ(Attribute Map Height)とアトリビュート マップの幅(Attribute Map Width)の値の方が高い(通例、2 倍以上高くします)ことを確認し、ディテール レベルでの変更にも対応できるようにします。そうでないと、Maya アーティザンのファー アトリビュート ペイント ツール(Paint Fur Attributes Tool)を使用してペイントしたアトリビュートのディテールが失われます。
フィードバック表示を最終的なレンダリング結果にどれだけ近づけるかを設定します。このオプションは、縮れやカールを表現する場合に特に便利です。ファー精度の範囲は 0 ~ 1 までです。0 の値は、カール、縮れ、引力に関係なく、ヘアがまっすぐであることを示しています。1 の値はファー フィードバックで、各ヘアに実際のレンダリングで使われるのと同じセグメントの数を適用します。ただし、処理速度は極端に遅くなります。0.5 の値はファー フィードバックで、各ヘアに実際のレンダリングで使われる半分のセグメント数を適用します。レンダーしたファーが最終的にどのように見えるかを確認するには、この値で充分です。
ファー精度(Fur Accuracy)のデフォルト値は 1 ですが、この値を小さくして反応スピードを上げることもできます。
次に、ファー フィードバック シェイプ(FurFeedbackShape) ノードの mental ray セクションにあるオプションについて説明します。これらの mental ray 設定は、ファー オブジェクトが mental ray でレンダーされるときに使用されます。
最小サンプル レベル(Min Sample Level)と最大サンプル レベル(Max Sample Level)アトリビュートで、ファー オブジェクトに使用するサンプルの範囲を設定します。ファーに設定された最小および最大サンプル レベルの値は、レンダー設定(Render Settings) ダイアログのグローバルな最小および最大サンプル レベルの値によってバインドされます。グローバルなサンプル レベルの値の詳細については、『レンダリング』ガイドの「 アンチエイリアシングの精度(Anti-Aliasing Quality)」を参照してください。
イメージ処理で使用されるピクセル単位の最小サンプル数です。この値はファー オブジェクト特有です。この値は、グローバルな最小サンプル レベルの値にクランプされます。たとえば、ファー オブジェクト特有の最小サンプル レベルが -1 に設定され、グローバル最小サンプル レベルが 1 に設定されている場合、グローバル設定の 1 が使用されます。必要に応じて mental ray for Maya は、 コントラストのしきい値(Contrast Threshold)(適応可能)設定に基づいてこのサンプル数を増加させます。
このアトリビュートは、ファー オブジェクトに対するラスタライザのシェーディング サンプルだけをコントロールします。詳細については、『レンダリング』マニュアルの「 ラスタライザ精度(Rasterizer Quality)」を参照してください。
間接照明を計算するためにファイナル ギャザリングの各段階で放射されるレイの数を制御します。デフォルトはサンプル ポイントごとに 1000 ですが、テスト レンダー(数時間かかる)では高めに設定される傾向があります。テスト レンダリングは、100 または 200 ぐらいの低い値で十分です。最終レンダーではこれより高く設定する必要があります。この値を大きくするとノイズは減りますが、レンダリング時間が長くなります。ファイナル ギャザー レイ(Final Gather Rays)の設定には、 ウィンドウ > 設定/プリファレンス > プリファレンス(Window > Settings/Preferences > Preferences) > ディスプレイ(Display) > アニメーション(Animation)から、ゴースト化設定を使用します。
最大半径(Max Radius)と最小半径(Min Radius)は、ファイナル ギャザー(Final Gather)レイが別のサーフェスから放射照度情報を検索するときのサンプリング領域のサイズを制御します。
Maya はデフォルト値を使ってレンダー スピードを上げるために適切と思われる値をシーンの面積に基づいて計算しますが、この計算では複雑なジオメトリを考慮できません。通常、最大半径(Max Radius)にはシーン全体の面積の 10% の値を入力し、最小半径(Min Radius)には 0.0 の値を入力します。シーン内でジオメトリがどのように配置されているか、レンダーがどのように見えるかなど、ジオメトリの詳細に基づいてさらに調整する必要があります。たとえば、小さめの半径を使用して、シーン内の隅々にまで及ぶような優れたディテールを実現します。
ファイナル ギャザー(Final Gather)で、極端に明るいサンプルが、ファイナル ギャザー(Final Gather)サンプリング領域に格納されたエネルギー全体を歪めないようにするための、スペックル除去フィルタの使用方法を制御します。
隣接するサンプルがフィルタリングされ、極端な値はフィルタ サイズで切り捨てられます。デフォルトのフィルタ サイズは 1 です。この値を 0 に設定すると、スペックル除去が無効になります。そのため、スペックルは除去できませんが、極端に低い精度の設定によってイメージ全体の明るさが正確になる可能性があります。この値を 1 より大きくすると、よりスペックルが除去されますが、サンプルのコントラストが弱くなります。この値を 4 より大きくすると正常に機能しなくなります。
mental ray for Maya がグローバル イルミネーションのために考慮するフォトンの最大距離を制御します。0(デフォルト)のままにした場合、mental ray for Maya はシーンのバウンディング ボックス サイズに基づいて適切な半径を計算します。結果の画質が荒くなり過ぎた場合は、この値を大きくする(1 から始めて 2 以下の範囲で少しずつ増やす)ことによってノイズは減りますが、よりぼやけた結果になります。ブラーを減少させるには、光源から放出されるグローバル イルミネーション フォトンの数(GI の精度(Global illumination Accuracy))を増やす必要があります。
オブジェクト制御点に適用される法線方向への最大ディスプレイスメントを指定します。これによって、必要な場合に焦点テッセレーションに対して自動化される変形具合の範囲を制御できます。シーンにディスプレイスメント オブジェクトがある場合、この値を設定します。詳細については、『レンダリング』マニュアルの「 レンダー設定(Render Settings): mental rayタブ」を参照してください。
このアトリビュートは、ファー オブジェクトに対する全体的な表示設定をコントロールします。
このアトリビュートがオンに設定されていると、カレント ファー オブジェクトはテンプレートとして表示されます。詳細については、 ディスプレイ > オブジェクト ディスプレイ(Display > Object Display)と オブジェクトを選択不可にする(テンプレート化する)を参照してください。
ファー オブジェクトのゴースト化設定を表示します。ゴースト化設定を行うこともできます。ゴースト化の詳細については、『アニメーション』マニュアルの「 アニメートされたオブジェクトをゴースト化する」を参照してください。
ゴースト化のコントロール(Ghosting Control)
ファーのゴースト化のタイプを選択できます。次のいずれかを選択できます。
ウィンドウ > 設定/プリファレンス > プリファレンス(Window > Settings/Preferences > Preferences) > 表示 > アニメーション(Display > Animation)からゴースト化の設定を使用します。
ゴースト化の種類がカスタム フレーム ステップ(Custom Frame Steps)またはカスタム キー ステップ(Custom Key Steps)のときにだけ使用可能です。
ゴースト化の種類がカスタム フレーム ステップ(Custom Frame Steps)のときは、カレント フレームの前に表示されるゴーストの個数を設定します。これらのゴーストの間隔はステップ サイズ(Step Size)フィールドで決まります。
ゴースト化の種類がカスタム フレーム ステップ(Custom Frame Steps)のときは、カレント フレームの前に表示されるゴーストの個数を設定します。これらのゴーストの間隔はオブジェクトのキーフレームの個数とステップ サイズ(Step Size)フィールドとで決まります。
ゴースト化の種類がカスタム フレーム ステップ(Custom Frame Steps)またはカスタム キー ステップ(Custom Key Steps)のときにだけ使用可能です。
カスタム フレーム ステップ(Custom Frame Steps)の場合、カレント フレームの後に表示されるゴーストの個数を設定します。これらのゴーストの間隔はステップ サイズ(Step Size)フィールドで決まります。
カスタム キー ステップ(Custom Key Steps)の場合、カレント フレームの後に表示されるゴーストの個数を設定します。これらのゴーストの間隔はオブジェクトのキーフレームの個数とステップ サイズ(Step Size)フィールドとで決まります。
ゴースト化の種類がカスタム フレーム ステップ(Custom Frame Steps)またはカスタム キー ステップ(Custom Key Steps)のときにだけ使用可能です。
カスタム フレーム ステップ(Custom Frame Steps)の場合、ステップ サイズ(Step Size)によって各ゴースト間のフレーム数が決まります。たとえば、ステップ サイズ(Step Size)が 10 の場合は、10 フレームごとにゴースト化されます。
カスタム キー ステップ(Custom Key Steps)の場合、ステップ サイズ(Step Size)とキーフレームの個数によってゴーストの間隔が制御されます。たとえば、ステップ サイズ(Step Size)が 2 の場合、1 キーおきにゴースト化されます。
バウンディング ボックス情報(Bounding Box Information)
このアトリビュートはオブジェクトのバウンディング ボックス情報を表示しますが、この情報は編集できません。バウンディング ボックスの詳細については、『用語集』の「 バウンディング ボックス」を参照してください。
このセクションでは、FurFeedbackShape ノードの描画オーバーライド設定を表示および変更できます。このセクションの設定の詳細については、『Maya の基本マニュアル』の「 描画オーバーライド オプション(Drawing Override Options)」を参照してください。
これらの設定を調整すると、FurFeedbackShape ノードの動作が変更されます。詳細については、『Maya の基本』マニュアルの「 ノードの動作(Node behavior)」を参照してください。