nCloth シミュレーションの精度を上げる
 
 
 

ドレスは本物のドレスとほぼ同じように動作しますが、正しく表示されないコリジョン(ドレス自体またはドレスとキャラクタが交差する位置)もあります。特に、ドレスからキャラクタのメッシュが透過して表示される領域や、ドレスが束になってトラップされる領域があります。

nCloth コリジョンの精度を上げるには

  1. 再生範囲の先頭に進みます。
  2. ドレスを選択します。
  3. アトリビュート エディタ(Attribute Editor)を開き、nClothShape1 タブを選択します。
  4. 精度設定(Quality Settings)セクションでセルフ コリジョン最大反復回数(Max Self Collide Iterations)を 20 に設定し、自己トラップのチェック(Self Trapped Check)をオンにします。

    セルフ コリジョンの最大反復回数の値は、サブステップ単位に実行するセルフ コリジョンに関連した nCloth 計算の最大回数を指定します。この値を大きくすると、Maya に認識されるセルフ コリジョンの数が増えるため、クロスのシミュレーションがよりリアルになりますが、スピードは低下します。

    自己トラップのチェックをアクティブにすると、コリジョン重複部分を監視することができます。相互重複部分ポイントが見つかると、Maya はそのポイントを分離しようとします。これによりドレスが束になって動かなくなる現象を回避できます。

  5. nucleus1 タブを選択します。
  6. ソルバ アトリビュート(Solver Attributes)で、サブステップ(Substeps)を 10 に、コリジョン最大反復回数(Max Collision Iterations)を 50 に設定します。

    サブステップを増やすと、フレーム単位で nCloth の位置が計算される回数が増えます。この値を増やすことによって、クロスの位置の更新頻度が高くなります。したがって、スピードは低下しますが、シミュレーションの正確さは向上します。

    コリジョン最大反復回数の値は、サブステップ単位に実行するコリジョンに関連した nCloth 計算の最大回数を指定します。この値を大きくすると、Maya に認識されるコリジョンの数が増えるため、クロスのシミュレーションがよりリアルになりますが、スピードは低下します。

  7. nCache > 新規キャッシュの作成(nCache > Create New Cache)を選択します。

    nCloth シミュレーションが自動的に再生されて、ディスクに保存されます。

  8. シーンを再生します。

    これで、コリジョンの表示がより正確になるため、ドレスを透過してキャラクタの胴体が表示されることや、ドレスが束になってトラップされることがなくなります。

上記の手順の設定値を大きくすると、シミュレーションの精度がさらに向上します。ただし、値を大きくすると、それだけアニメーションのキャッシングは遅くなります。