前のレッスンでは、マッスルとボーンを作成し、ボーン カプセルにスキン ウェイトを設定しました。このレッスンでは、シンプル マッスルにウェイトを追加します。これはボーンのウェイト付けと同じプロセスですが、マッスルのウェイト付けではマッスルの移動時だけでなく、そのサーフェスの移動時とジグル時にもメッシュが変形する点が異なります。スキン メッシュは、スティッキー ウェイトを使用するとマッスルのサーフェスに効果的にアタッチされるため、マッスルがジグルまたはバルジする場合、これにウェイト付けされているスキンも同様の影響を受けます。この手順だけで、リグがよりリアルで目を引くものになります。
前半のレッスンでボーンを接続したように、最初にマッスルをマッスル スキン デフォーマに接続する必要があります。マッスル ビルダ(Muscle Builder)を使用してマッスルを作成したため、マッスルにはすでに cMuscleObject シェイプ ノードによりリグが設定されています。このため、すぐに接続することができます。
ボーンに対するウェイト付けとは異なり、マッスルにウェイト付けする場合はスキン メッシュ ポイントはマッスルのサーフェスにバインドされます。この操作の設定には、多少時間がかかります。マッスルを最初に接続するときに、スキンからマッスルまでのスティッキー バインド(Sticky Bind)操作が計算されるためです。この計算速度を上げるために、マッスルの中心から一定の距離以内のポイントだけを計算させるようにします。たとえば、キャラクタの左腕のマッスルを右脚のポイントにウェイト付けする必要が生じることはほとんどあり得ません。スティッキー バインドを使用すると、マッスルに近いポイントのみを計算できます。
これをコントロールするには、シンプル マッスルを接続するときに表示されるウィンドウで、使用するスティッキー バインド距離を指定します。通常は自動計算(Auto-Calculate)値を使用しますが、この値のエフェクトをプレビューすることもできます。例として、マッスルを使用してスティッキー バインド(Sticky Bind)距離を視覚化します。
スティッキー バインド距離内にあるすべてのポイントが計算され、マッスルに正しくウェイト付けされます。この距離を超えるポイントはすべて無視されます。このプロセスは、そのポイントをウェイト付けするかどうかを設定するだけであり、実際にウェイト付けが実行されるわけではありません。指定距離を超えるポイントにもウェイトを設定できますが、ほとんどの場合、正しく変形されません。距離を短く設定しすぎた場合は、いつでも戻って後からスティッキーを再バインドすることができます(メッシュ全体の場合でも可能です)。
スティッキー バインドの最大距離(Sticky Bind Maximum Distance)ウィンドが表示されます。詳細については、「 スティッキー バインドの最大距離(Sticky Bind Maximum Distance)ダイアログ ボックス」を参照してください。
それぞれのマッスルがマッスル スキン デフォーマに接続されて、スティッキー ウェイトが設定可能になります。このプロセスが完了すると、ボーン/カプセルのウェイトのペイントと同じ方法でマッスル ウェイトをペイントできます。
マッスル ペイント(Muscle Paint)ウィンドウが表示されます。カプセル ウェイトをペイントしたときと同様に、このウィンドウを使用して、マッスルにスティッキー ウェイトをペイントして設定できます。
このレッスンの完成ファイルである DragonLeg_Sticky_End.mb は、Maya マッスルの高度なテクニックのフォルダにあります。このファイルには、マッスル デフォメーションを表示する調整済みのアニメーションもあります。