失敗したトラックを修正する
 
 
 

トラックの失敗とは、トラッカが途中で停止するか、またはターゲットから外れることをいいます。トラックの失敗は、カメラの動作に伴ってトラック パターンが変化するために自然に起こります。Live がパターンの変化を補正しますが、それでもトラックの終わりにかけては質が低下するのが普通です。この様子は、Track Summary パネルのグラフィック表示で確認することができます。

トラックの失敗はさまざまな方法で修正することができます。Track コントロール パネルの設定では特に次の項目に注意してください。

Tracking Direction

うまくいかなかったトラックを書き換えたり、別のフレームからトラックを開始するために、トラックの方向を変えて試してみることができます。Forward(順方向)または Backward(逆方向)が最も一般的ですが、Bidirectional(双方向)も有効です。Bidirectional(双方向)では、現在のフレームからまず Forward(順方向)にトラックして、そのすぐ後に Backward(逆方向)にトラックします。

Stop Tracking On

この設定は有効なトラックを誤って書き換えないようにする場合に有用です。デフォルトでは End Of Sequence に設定されており、すべてのトラックを書き換えます。有効なフレームで停止する場合は、Better Frame を選択します。手動で配置したフレームで停止させる場合は、User Tracked Frame を選択します。

修正方法

反対側の最終フレームからトラックする

この方法の目的は、最初にトラックが成功したデータの途中まで反対側の最終フレームからトラックすることです。たとえば、順方向でトラックを開始した場合は、トラックするポイントが表示されている最終フレームに移動して逆方向にトラックします。

有効なデータを誤って書き換えないように、Stop Tracking OnBetter Frame または User Tracked Frame に変更してください。また、順方向と逆方向のトラックが出会う場所でジャンプを避けるように注意してください。必要に応じて手動でトラッカの位置を変更してください。

双方向に再度トラックする

トラックの質が途中で低下する場合は、Tracking Direction として Bidirectional を選択します。Bidirectional では、選択したフレームを起点に、順方向と逆方向の両方のトラックが行われます。この手法は、最終フレームにかけてトラックに失敗したエレメントを続けてトラックするのにも便利です。

有効なデータを誤って書き換えないように、Stop Tracking OnBetter Frame または User Tracked Frame に変更してください。

ターゲット ボックスまたはサーチ ボックスのサイズを変更する

ターゲット ボックスまたはサーチ ボックスのサイズが適切でない場合は、トラックが失敗したり、外れたり、または別のオブジェクトに移行する場合があります。サイズの変更方法については、 トラック ボックスのサイズを変更するを参照してください。失敗したフレームでターゲット ボックスまたはサーチ ボックスのサイズを変更するか、または新しいサイズで最初からやり直さなければならない場合があります。

トラック ボックスの十字線が元のターゲットと同じエレメント部分に配置されているように注意してください。

ヒント:サーチ ボックス内に特徴のあるバックグラウンドを余分に含めておくと、近くにある類似したエレメントへの移行を防ぐのに役立ちます。

トラック ボックスを手動で配置する

トラック ボックスを手動で配置した方が時間を節約できる場合があります。たとえば、トラックするオブジェクトが途中でぼやけて再びはっきり表示されるような場合、ぼやけたフレームでは手動で配置を試み、はっきり表示されるようになったらトラックを再開するようにします。Track Box Tool をクリックしてトラック ボックスの操作を可能にしておくことを忘れないでください。また、Track Summary パネルに、あるフレームでトラック ボックスの手動配置が行われたことを示す青のラインが表示されることにも注意します。

Track Options 設定を調整する

前述の手順でトラックを改善できない場合は、 Track Options パネルを参照して、うまくいくように設定を変更してください。

トラック データからフレームを削除する

エレメントがビューから外れた場合やトラックがうまくいかなかった場合は、トラック データを削除する必要があります。たとえば、エレメントがほかのオブジェクトの影に隠れてしまったり、カメラ ビューからフレーム アウトしてしまう場合があります。

トラックの途中であっても、このようなトラック データは削除してください。削除しないでおくと、ソリューションに悪影響を与えます。

トラック データからフレームを削除するには

  1. Track Summary パネルで問題のトラック データにズームインします。

    Ctrl + Alt キーを押しながらマウスをドラッグして、ズーム インする領域を囲みます。左から右にドラッグします。

  2. Track Summary パネルで問題のフレームを選択します。

  3. Track Summary パネルのプルダウン メニューから 編集 > 削除(Edit > Delete) Region、または右クリックして表示されるポップアップ メニューから Delete Region を選択します。

トラック ポイントの削除と非アクティブ化を行う

トラック ポイントを完全に削除したり、一時的に非アクティブにすることができます。トラック ポイントを削除する場合は、Delete キー、 編集 > 削除(Edit > Delete) オプション、または Track コントロール パネルの Delete ボタンを使用します。トラック ポイントを非アクティブにする場合は、Track コントロール パネルの Active チェック ボックスをオフにします。

トラック ポイントを削除すると、すべてのソリューションから関連する 3D ロケータが削除されます。ポイントが Survey コンストレインに使用されている場合は、このコンストレインも強制的に非アクティブになります。この場合は、コンストレインを再作成する必要があります。

注:トラック ポイントを削除してから Edit > Undo を選択した場合は、関連する 3D ロケータの削除を取り消すために Undo コマンドを何度も実行しなければならないことがあります。