ビデオ ショットをデインタレースする
 
 
 

インタレースされたビデオ ショットはトラックが難しく、特にカメラが頻繁に移動したり、すばやく移動するような場合はさらに難しくなります。最適の結果を得るには、インタレースされたショットのトラックを試す前に、イメージをデインタレースしてください。

イメージをデインタレースするには多くの方法がありますが、ここでは最も有効な 2 つの方法を説明します。

奇数と偶数の両フィールドを使用して走査線を補間する

デインタレースの最良の方法は、奇数と偶数のフィールドをそれぞれ別のイメージに分離し、空いた走査線を隣り合った走査線の情報で補間するユーティリティを使用することです。

Windows の場合

空いた走査線を、隣り合った走査線を使用して補間し、フィールドを分離する機能を持つ、ビデオ編集ツールまたはコンポーザ ツールを使用します。

Linux の場合

Linux の場合、Maya には delace と呼ばれる、この方式のデインタレース ユーティリティが付属しています。たとえば、sand.*.rgb というイメージのシーケンスをデインタレースするには、シェルに次のコマンドを入力します。

delace sand.rgb.0001 sand_fields.rgb.#

また、トラックを行う前に、Maya の時間単位をフィールド レート(たとえば、50 フィールド/秒)に設定してください。 ウィンドウ > 設定/プリファレンス > プリファレンス(Window > Settings/Preferences > Preferences)設定(Settings)カテゴリを使用します。作業を進めるにあたって、使用するのはフレームではなく個別のフィールドであることに注意してください。

Delace のオプション

Linux の Delace ユーティリティには、次のオプション フラグもあります。

-s オプション

スムージングの実行を指定します。スムージングを実行すると、補間は走査線だけでなく前後のフレームも参照して行われます。このオプションを指定すると、カメラの移動が遅い映像の場合は結果を向上させることができますが、カメラの移動が速かったり、ディテールが細かい映像では望ましくないノイズが発生する可能性があります。

-e オプション

各イメージの偶数の走査線がフレームの最初のフィールドとなるように指定します。結果として、偶数のスキャンラインで作ったイメージの後に奇数のスキャンラインのイメージが続きます。これがデフォルトのフラグです。

-o オプション

各イメージの奇数の走査線がフレームの最初のフィールドとなるように指定します(-e オプションの反対)。

たとえば、次のように入力して、スムージングを設定します。

delace -s sand.rgb.0001 sand_fields.rgb.#

片方のフィールドだけを使用して走査線を補間する

デインタレースのための次善の策は、dmconvert ユーティリティ(Linux のみ)の使用です。このユーティリティは偶数と奇数のフィールドを分離していずれか一方を削除し、隣り合った走査線を使用して空いた走査線を補間します。

たとえば、NTSC 方式のビデオ ショットをデインタレースするには、次のコマンドを 1 行で入力します。in.*.rgb は実際のソース イメージの名前に置き換えてください。PAL 方式のビデオの場合は、inil=oddinil=even に置き換えてください。

dmconvert -v -f rgb -p video,inil=odd,il=none -n out.####.rgb,start=1 in.*.rgb out.####.rgb

dmconvert は偶数または奇数のフィールドを破棄するため、Maya Live時間単位をフィールド レート(たとえば、50 フィールド/秒)ではなくフレーム レート(たとえば、25 フレーム/秒)に設定する必要があります。 ウィンドウ > 設定/プリファレンス > プリファレンス(Window > Settings/Preferences > Preferences)設定(Settings)カテゴリを使用します。ただし、レンダーするときはフィールド レートを使用することになります。

フレーム レートでソルバを実行したときに問題となるのは、破棄されたフィールドに対して動きが補間されることです。補間された動きは本来の動きに近いはずですが、破棄されたフィールドで多少のずれが生じる可能性もあります。