モデルをスケルトン階層内にペアレント化する
 
 
 

ペアレント化とは、階層で、あるノードを別のノードの下に配置して、それより上位のノード(親)の子になるようにするときに使用される用語です。

以下の手順では、メカニカル アーム モデルのサーフェスをスケルトン階層に追加します。このプロセスは、モデルのサーフェスをスケルトン階層にリンクして、実際のメカニカル アームのようなモデルにポーズを設定してアニメートできるようにします。ノードの選択にハイパーグラフを使用すると、このプロセスおよびその結果得られる階層リレーションシップをより分かりやすく表示できます。

注:以下のペアレント化の手順はメカニカル アームに適しており(器官のベンドやデフォメーションがない場合)、モデル化したオブジェクトをスケルトン階層に追加する 1 つのテクニックを提供します。

キャラクタ モデルをスケルトン階層に組み込むためのより一般的なテクニックは、スキニングまたはバインディングと言います。スキンのバインド(Bind Skin)ツールは、サーフェス コンポーネントとジョイントを一緒に階層に組み込み、キャラクタが曲がったり収縮したりする(膝、腰、首、肘などに発生)ときに発生する可能性のあるデフォメーションもすべて考慮します。Maya では、スキニング用にいくつかの方法を提供しています。詳細については、Maya ヘルプの「 スケルトンとスキニング」を参照してください。スキニングのチュートリアルについては、「キャラクタ セットアップ」章の「スムース スキニング」を参照してください。

メカニカル アームをスケルトン階層内にペアレント化するには

  1. ハイパーグラフ メニューで、ビュー > すべてをフレームに収める(View > Frame All)を選択します。

    ハイパーグラフにシーンのすべてのノードが表示されます。

  2. ハイパーグラフで ArmEnd という名前のノードを選択して、Shift キーを押しながら joint4 という名前のノードを選択します。

    選択順序は重要です。最初に子ノードを選択してから、2 番目に Shift キーを押しながら親ノードになる項目を選択する必要があります。

  3. メイン メニューで、 編集 > ペアレント化(Edit > Parent)(ホットキー p)を選択します。

    ハイパーグラフのスケルトン階層で、joint4 が Arm_end ノードの親ノードになります。

  4. 以下の項目に対してペアレント化プロセスを繰り返します。

    新しい階層が次の図のように表示されます。

    次の手順では、アーム アセンブリ全体がベース コンポーネントの中央で回転するように、SwivelBase を新しい階層の親ノードにします。

  5. ハイパーグラフで joint1 という名前のノードを選択して、Shift キーを押しながら SwivelBase という名前のノードを選択します。
  6. メイン メニューから、 編集 > ペアレント化(Edit > Parent)(ホットキー p)を選択します。

    ハイパーグラフに階層が表示されるように、パネル表示のレイアウトを変更します。

  7. 側面ビュー メニューで、パネル > レイアウト > 2 ペイン(左右)(Panels > Layouts > Two panes side by side)を選択します。

    パネルが横に並んで表示されます。

  8. 新しい階層が表示されるようにハイパーグラフ ビューをドリーします。

  9. ハイパーグラフで、Swivel_base という名前のノードを選択します。

    側面ビューで、メカニカル アーム モデルとスケルトンの両方が選択されていることを確認します。Swivel_base は階層の親ノード、つまりルート ノードです。SwivelBase を回転すると、そのノードの下位にあるすべて(アーム全体とスケルトン)が回転します。

  10. joint3 という名前のノードを選択します。

    メカニカル アームの最後の 2 つのコンポーネントが選択されていることを確認します。joint3 を回転すると、階層でこのノードの下位にあるコンポーネントにのみ反映されます。

  11. pin2 という名前のノードを選択します。

    モデルの孤立したセグメントが 1 つだけ選択されていることを確認します。pin2 ノードが選択されてもその他のコンポーネントやジョイントは選択されません。pin2 にあるモデルを回転すると、pin2 にあるコンポーネントのみ下位の階層にあるため、残りの階層から孤立して回転します。

これで、スケルトンのジョイントを選択して回転させ、メカニカル アームに 1 つのユニットとしてポーズを設定し、キーフレームを設定してアニメートすることができます。ジョイントの回転を使ってキャラクタにポーズ設定することをフォワード キネマティクス(FK)と言います。FK によってポーズの設定を正確に制御することができますが、それぞれのジョイントを選択して適切な位置に回転させるには、時間がかかる可能性があります。

エンド ジョイントを階層内の特定の場所(手や足など)に配置することが重要なアニメーションの場合は、インバース キネマティクス(IK)を使ってスケルトンにポーズを設定したほうが効率的です。フォワード キネマティクスとインバース キネマティクスの詳細については、Maya ヘルプの「 スケルトンのポーズを設定する」を参照してください。

注:Maya でアニメートする場合、あるテクニックが適切な結果を達成するための唯一のアプローチであると言えるほど、単純ではありません。特定のテクニックが、そのオプションに基づいて特定のシナリオに有効に作用するかどうかを判断する必要があります。アニメーション テクニックを組み合わせて、さまざまな方法で独創的に使用できます。