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Lesson 4: 低解像度シャツをシミュレートする
nCloth の高度なテクニック
nParticle
Lesson 5: カスタムの nCloth アトリビュート プリセットを使用して中解像度メッシュをシミュレートする
Lessons 3 と 4 で説明したワークフローを使用して、低解像度の nCloth メッシュをリアルに修正できました。今度はこれを使用してシミュレーション用に nCloth ズボンとシャツの中解像度バージョンをすばやく準備します。
このレッスンでは、以下の操作を行います。
- Shirt_LowRes と Pants_LowRes の両方のオブジェクトの nCloth アトリビュートを カスタムの nCloth プリセットとして保存します。
- スケーリングのリレーション(Scaling Relation)アトリビュートを変更し、nCloth のシミュレート済みメッシュに与える影響を確認します。
レッスンの設定
Character_MedRes.mb という名前のシーン ファイルを開きます。レッスンで使用する中解像度のシャツとズボンのメッシュはすでに nCloth オブジェクトに変換されており、nCloth_Shirt_MedResShape と nCloth_Pants_MedResShape
という名前が付けられています。ズボンにはすでにポイント対サーフェス(Point to Surface) コンストレインが適用されており、キャラクタのウエストにコンストレインされています。中解像度のシャツとズボンはすでに、ラップ デフォーマを使用して、複製された新しい高解像度のシャツとズボンのメッシュでラップされています。低解像度のシャツとズボンの
nCloth シャツと nCloth ズボンのオブジェクトは、キャッシュされて中解像度メッシュの横に参照用に配置されます。
nCloth アトリビュートをカスタム プリセットとして保存する
Lesson 3 と 4 を完了し、キャラクタのシャツとズボンの最適化されたシミュレーションが生成されました。この nCloth オブジェクトの動作を実行させるアトリビュート値を得るまでに多数の手順を踏んでいるため、この最適化されたアトリビュート値を保存しておくことをお勧めします。Maya
アトリビュート プリセットを使用して、低解像度 nCloth シャツ(nCloth_ShirtShape)と nCloth ズボン(nCloth_PantsShape)オブジェクトのアトリビュート値をカスタムの nCloth プリセットとして保存できます。これで新しい
nCloth プリセットを、中解像度のシャツとズボンなど、他のバージョンのメッシュに適用できるようになりました。このワークフローにより、オリジナルのオブジェクトに似たトポロジを持つジオメトリを使用して、他のシミュレーションをすばやく準備することができます。
nCloth シャツ オブジェクトのアトリビュートをカスタムの nCloth プリセットとして保存するには
- シーン ビューで、nCloth シャツを選択します。
- アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、nCloth_ShirtShape タブをクリックします。
- プリセット(Presets)ボタンをクリックして押したままにします。
nCloth アトリビュート プリセット ポップアップ メニューが表示されます。
- nCloth プリセットの保存(Save nCloth Preset)を選択します。
アトリビュート プリセットの保存(Save Attribute Preset)ウィンドウが表示されます。
- プリセット名(Preset name)フィールドで、作成するカスタム アトリビュート プリセットの名前としてnCloth_ShirtShape と入力し、アトリビュート プリセットの保存をクリックします。
- 手順 1 から 5 までを繰り返して、nCloth ズボンをカスタムの nCloth アトリビュート プリセット nCloth_PantsShape として保存します。
低解像度の nCloth のシャツとズボンは不要になったため、nucleus ソルバから無効にできます。これを無効にすると、中解像度の nCloth シャツとパンツのシミュレーション スピードが向上します。
nCloth シャツを nucleus ソルバから無効にするには
- シーン ビューで、nCloth シャツを選択します。
- アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、nCloth_ShirtShape タブをクリックします。
- 有効化(Enable)をオフにします。
- nCloth ズボン オブジェクトに対して手順 1 から 3 までを繰り返します。
カスタムの nCloth アトリビュート プリセットを中解像度シャツとズボンに適用する
このセクションでは、カスタムの nCloth アトリビュート プリセットを nCloth シャツとパンツの中解像度バージョン(nCloth_Shirt_MedResShape と nCloth_Pants_MedResShape)に適用します。アトリビュート
プリセットを適用したら、オブジェクトのコリジョン(Collisions)、ダイナミック プロパティ(Dynamic Properties)、および精度設定(Quality Setting)アトリビュートを調整して、シミュレーションを微調整できます。
カスタムの nCloth アトリビュート プリセットを中解像度 nCloth に適用するには
- アウトライナ(Outliner)で Shirt_LowRes オブジェクトと Pants_LowRes オブジェクトを選択して非表示にし、それからディスプレイ > 非表示 > 選択項目の非表示(Display > Hide > Hide Selection)を選択します。
- アウトライナ(Outliner)で Shirt_MedRes オブジェクトと Pants_MedRes オブジェクトを選択して表示し、それからディスプレイ > 表示 > 選択項目の表示(Display > Show >Show Selection)を選択します。
- シーン ビューで、nCloth 中解像度シャツを選択します。
- アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、nCloth_Shirt_MedResShape タブを選択します。
- プリセット(Presets)ボタンをクリックして押したままにします。
- nCloth_ShirtShape プリセットを選択してから、置き換え(Replace)を選択します。
- シーン ビューで、中解像度の nCloth ズボンを選択します。
- アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、nCloth_Pants_MedResShape タブをクリックします。
- プリセット(Presets)ボタンをクリックして押したままにします。
- nCloth_PantsShape プリセットを選択してから、置き換え(Replace)を選択します。
- キーを押しながらnCloth_Shirt_MedResShape と nCloth_Pants_MedResShape のオブジェクトを選択し、シミュレーションをキャッシュしてから再生します。
このレッスンの最後のセクションでは、中解像度 nCloth シャツとズボンのオブジェクトの動作を、Lesson 3 と 4 の低解像度 nCloth シミュレーションと比較します。
最終的なシミュレーションを比較する
このレッスンの最終セクションでは、最終的な nCloth シミュレーションを比較します。最初に、中解像度 nCloth シャツとズボンのオブジェクトの動作を最終的な低解像度のシャツとズボンのシミュレーションと比較します。最後のセクションでは、nCloth
の 3 つのシミュレーション バージョンすべて(オリジナルの高解像度、中解像度、低解像度メッシュ)を比較します。
中解像度と低解像度のシミュレーションを比較するには
- アウトライナ(Outliner)で nCloth_ShirtMedRes オブジェクトと nCloth_PantsMedRes オブジェクトを選択して非表示にし、それからディスプレイ > 非表示 > 選択項目の非表示(Display > Hide > Hide Selection)を選択します。
- アウトライナ(Outliner)で Pants_HighRes と Shirt_HighRes を選択して Character_HighRes グループ内のすべてのオブジェクトを表示し、それからディスプレイ > 表示 > 選択項目の表示(Display > Show > Show Selection)を選択します。
中解像度と低解像度の nCloth メッシュは、それぞれ同じ高解像度のシャツとズボンでラップされて、シーン ビューに表示されています。
- シーンを再生します。
タイムラインをスクラブしながらシーンをドリーおよびタンブルし、各 nCloth オブジェクトの動作の違いを接近して観察できるようにします。
シミュレーションを再生すると、次のことがわかります。
- 低解像度と中解像度のシャツはどちらも同じように動作しています。
- 中解像度のズボンは低解像度のズボンよりもシミュレーションの最初のフレームで落ち着くまでの時間がかかります。
- フレーム 1040 と 1045 の間で、中解像度のズボンは低解像度のズボンよりもキャラクタの脚の上の方にずり上がっています。
- フレーム 1047 では、中解像度ズボンの裾の折り返しは低解像度ズボンの裾の折り返しよりももっと離れています。
- 中解像度ズボンはシミュレーションの特定の領域で、より大きくバウンスしているように見えます。
中解像度の nCloth シャツとズボンの動作が満足のいくものでない場合は、lessons 3 と 4 で説明したのと同じアトリビュート最適化ワークフローを使用して、オブジェクトのコリジョン(Collisions)、ダイナミック プロパティ(Dynamic Properties)、および精度設定(Quality Settings)アトリビュートを調整します。
スケーリングのリレーション(Scaling Relation)アトリビュートを編集して、中解像度の nCloth ズボンからいくつかのバウンスを削除できます。スケーリングのリレーションをリンク(Link)に設定すると、ベンドの抵抗(Bend Resistance)や伸長の抵抗(Stretch Resistance)などの nCloth のダイナミック アトリビュートは、メッシュのスケールと相対的に計算されます。スケーリングのリレーションをオブジェクト(Object)に設定すると、ダイナミック アトリビュート計算はメッシュの解像度に基づいて自動的にスケールされます。低解像度メッシュでは、スケーリングのリレーションをオブジェクトに設定すると、スケーリングのリレーションをリンクに設定した場合よりも大きく伸長する傾向があります。 高解像度メッシュでは、スケーリングのリレーションをオブジェクトに設定すると、スケーリングのリレーションをリンクに設定した場合よりも小さく伸長する傾向があります。詳細については、以下を参照してください。
スケーリング リレーションを編集するには
- シーン ビューで、中解像度の nCloth ズボンを選択します。
- アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、nCloth_Pants_MedResShape タブを選択します。
- ダイナミック プロパティ(Dynamics Properties)セクションで、スケーリングのリレーション(Scaling Relation)をオブジェクト空間(Object Space)に設定します。
- シミュレーションをキャッシュして(
nCache > 新規キャッシュの作成(nCache > Create New Cache))、再生します。
nCloth の 3 つすべてのバージョンを比較する
nCloth の 3 つすべてのバージョンを比較するには
- 以下のことを確認してください。
- Shirt_LowRes、Pants_LowRes、nCloth_ShirtMedRes、および nCloth_PantsMedRes のオブジェクトが非表示にされている。
- Character_HighRes グループ内のすべてのオブジェクトがシーンに表示されている。
- ディスプレイ レイヤ エディタ(Displays Layers Editor)を使用して可視(Visible)をオンにし、シーン ビューに Reference_Character オブジェクトを表示します。
- タイムラインをスクラブして、アニメーションでの nCloth メッシュの動作を比較します。シーンをドリーおよびタンブルし、nCloth のどんなわずかな相違点でも接近して観察できるようにします。
シーンで nCloth の 3 つのバージョンを比較する場合は、オブジェクトの各セットの動作のわずかな相違点にも気付くように、接近して見る必要があります。低解像度メッシュを最適化することで削減される合計時間のことを考えると、このワークフローは非常に精密なキャラクタの衣類のシミュレーションに有効な代替方法といえます。非常に精密なメッシュをシミュレートする代わりに低解像度の
nCloth にラップすれば、シミュレート方法を気にすることなくメッシュに細部をモデリングできます。
低解像度 nCloth アトリビュートをカスタム プリセットとして保存することにより、nCloth シミュレーションの最適化に投資した時間に価値が付加されます。プリセットを中解像度 nCloth に適用すると、最小限の調整を加えるだけでよい結果のシミュレーションが得られます。