例: フル ボディ IK の操作
 
 
 

次のサンプルでは、フル ボディ IK を使用してすばやく簡単にキャラクタをアニメートするいくつかの方法について例を示します。

例 1: 前かがみになって床に触れるようにする

前かがみになって床に触れるようにキャラクタをポーズ設定し、アニメートするには

  1. 直立した状態を最初のポーズとしてキャラクタをポーズ設定します。

  2. LeftFootEff と RightFootEff エフェクタを移動時と回転時の両方で固定します。

  3. キャラクタの達成度キー モード(Reach Mode)IKキー モード(Key Mode)すべて(All)に設定します。達成度キーおよびキーの設定は、 アニメート > フル ボディ IK キーの設定(Animate > Set Full Body IK Keys) または FBIK マーキング メニューから設定できます。

    これにより、キャラクタの達成度(Reach)値はすべて 1 に設定され、このキャラクタはすべて(All)キー モードに置かれます。

  4. アニメート > キーの設定(Animate > Set Key) を選択します。

    キーの設定オプション(Set Key Options)ウィンドウが表示されます。

  5. フル ボディ IK キーの設定(Set FullBodyIK keys)オンにし、適用(Apply)をクリックしてから、閉じる(Close)をクリックします。
  6. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

    これにより、キャラクタの FBIK エフェクタおよび FK ジョイントすべてにキーが設定されます。

    これでキャラクタの足のエフェクタは、再生時にキャラクタの FBIK ソリューションに影響するようになります。また、IK キーをこのように設定することで、再生時にキャラクタの足が静止したままになります。これはキャラクタの足をアニメーション時に移動させない場合に便利です。代わりに、FK キーを設定した場合、キャラクタの足は再生中に静止しているのではなく、スライドします。

    アニメーションの各セグメントでキャラクタの足が静止していることを確認するために、この例ではこの手順を何回も繰り返します。

  7. 時間を進めます。
    • わずかに丸くなるように、キャラクタの背中を操作します。

    このポーズを作成するには、SpineEff エフェクタおよび NeckEff エフェクタを回転させるか、キャラクタの入力スケルトンの脊髄ジョイントを直接回転させます。

    • 床に向かうように RightHandEff エフェクタをわずかに下方に移動します。
  8. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

  9. 時間を進めます。
    • HipsEff エフェクタを下方に移動します。

    キャラクタの膝が曲がります。

    • 丸みが大きくなるように、キャラクタの背中を操作します。
    • RightHandEff エフェクタをさらに下方に移動します。
  10. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

  11. 時間を進めます。
    • LeftHandEff エフェクタを移動時に固定します。

    これにより、RightHandEff が後方に移動しながら、LeftHandEff が後方に揺れるのを防ぐことができます。

    • 床に触れるまで RightHandEff エフェクタを下方に移動します。
  12. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

  13. 時間を進めます。
    • LeftHandEff エフェクタの固定を解除します。
    • HipsEff エフェクタを上方に移動します。

    キャラクタの膝がわずかに伸びます。

    • RightHandEff エフェクタを上方に移動します。
    • 丸みが小さくなるように、キャラクタの背中を操作します。
  14. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

  15. 時間を進めます。
    • 丸みがまったくなくなるように、キャラクタの背中を操作します。
    • キャラクタの膝が完全にまっすぐになるまで、HipsEff エフェクタを上方に移動します。
    • 両腕がキャラクタの側面に戻るまで、LeftHandEff エフェクタおよび RightHandEff エフェクタを移動します。
  16. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

例 2: 四つん這いになって床を這う

四つん這いになって床を這うようにキャラクタをポーズ設定し、アニメートするには

  1. 手と膝を床につけた状態を最初の四つん這いのポーズとしてキャラクタをポーズ設定します。

  2. アニメート > キーの設定(Animate > Set Key) を選択します。

    キーの設定オプション(Set Key Options)ウィンドウが表示されます。

  3. フル ボディ IK キーの設定(Set FullBodyIK keys)をオンにし、適用(Apply)をクリックしてから、閉じる(Close)をクリックします。
  4. LeftHandEff および RightLegEff FBIK エフェクタを移動時に固定します。

    RightHandEff または LeftLegEff エフェクタを操作しても、LeftHandEff および RightLegEff エフェクタは移動しなくなります。

    右手および左膝の移動時に、アニメーションのセグメントでキャラクタの左手および右膝が静止していることを確認するために、この例ではこの手順を何回も繰り返します。

  5. キャラクタの達成度キー モード(Reach Mode)IKキー モード(Key Mode)すべて(All)に設定します。達成度値およびキーの設定は、 アニメート > フル ボディ IK キーの設定(Animate > Set Full Body IK Keys) または FBIK マーキング メニューから設定できます。

    これにより、キャラクタの達成度(Reach)値はすべて 1 に設定され、このキャラクタはすべて(All)キー モードに置かれます。

  6. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

    これでキャラクタの左手および右膝のエフェクタは、再生時にキャラクタの FBIK ソリューションに影響するようになります。また、IK キーをこのように設定することで、再生時にキャラクタの左手および右膝が静止したままになります。これは右手および左膝のエフェクタの移動時に、キャラクタの左手および右膝のエフェクタを移動させない場合に便利です。代わりに、FK キーを設定すると、キャラクタの左手と右膝は再生中に静止しているのではなく、入れ替わり動きます。

  7. 時間を進めます。
    • RightHandEff、LeftLegEff、および LeftFootEff の各エフェクタをわずかに上前方に移動します。
  8. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

  9. 時間を進めます。
    • HipsEff エフェクタを前方に移動します。
    • RightHandEff、LeftLegEff、および LeftFootEff の各エフェクタをさらに上前方に移動します。
  10. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

  11. 時間を進めます。
    • HipsEff エフェクタを前方に移動します。
    • RightHandEff、LeftLegEff、および LeftFootEff の各エフェクタを前方に移動し、次に床に下ろします。
  12. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

    これらすべてのエフェクタにキーを設定すると、左手および右膝が静止したままになるため、この手順は重要です。またこの手順によって、左手および右膝で這うアニメーションのセグメントが始まると右手および左膝を静止したままにする、次のフレームの準備が整います。

  13. 時間を進めます。
    • LeftHandEff、RightLegEff、および RightFootEff エフェクタについて手順 7 ~ 12 を繰り返し、這うアニメーションを完了させます。これで、這うアニメーションが完了します。
      ヒント:
      • 簡易キーを使用すると、キーフレーム間でキャラクタのボディ パーツの位置を微調整できます。たとえばアニメーションのあるセグメントでキャラクタの右手の位置が完全には右でない場合は、キー モード: ボディ パーツ(Key Mode: Body Part)を、達成度キー モード: 簡易(Reach Mode: Simple) と使用することで、キャラクタの達成度(Reach)設定を変更しなくても右手の位置を修正できます。
      • LeftLegEf は R または RightLegEff エフェクタを移動するとキャラクタの胴体がツイストや移動してしまう場合は、キャラクタのヒップを移動時および回転時に固定することで、そのようなツイストを防ぐことができます。

例 3: 床を歩く

キャラクタの歩行をポーズ設定し、アニメートするには

  1. 最初のポーズとしてキャラクタをポーズ設定します。

  2. キャラクタの達成度キー モード(Reach Mode)IKキー モード(Key Mode)すべて(All)に設定します。達成度値およびキーの設定は、 アニメート > フル ボディ IK キーの設定(Animate > Set Full Body IK Keys) または FBIK マーキング メニューから設定できます。

    これにより、キャラクタの達成度(Reach)値はすべて 1 に設定され、このキャラクタはすべて(All)キー モードに置かれます。

  3. アニメート > キーの設定(Animate > Set Key) を選択します。

    キーの設定オプション(Set Key Options)ウィンドウが表示されます。

  4. フル ボディ IK キーの設定(Set FullBodyIK keys)オンにし、適用(Apply)をクリックしてから、閉じる(Close)をクリックします。
  5. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

    これにより、キャラクタの FBIK エフェクタおよび FK ジョイントすべてにキーが設定されます。

  6. LeftToeBaseEff FBIK エフェクタを移動時および回転時に固定します。

    キャラクタの右足にポーズを取らせても、LeftToeBaseEff エフェクタは移動または滑ることがなくなります。

    キャラクタの一方の足の移動時に、もう一方の足が床に接していて滑っていないことを確認するために、この例ではこの手順を何回も繰り返します。

  7. 時間を進めます。
    • HipsEff エフェクタを前方に移動します。
    • LeftFootEff エフェクタを上方に移動します。

    これにより、左足のかかとが上がるモーションが作成されます。

    • RightFootEff エフェクタを上前方に移動します。

    これにより、右足の上がるモーション、および揺れ始めるモーションが作成されます。

    • 右足のつま先がわずかに上方に向くように RightFootEff を回転させます。

    これにより、右足のかかとが地面を蹴るモーションの準備が整います。

    • 入力スケルトンで、右腕がわずかに後方に揺れるように RightArm(左肩)ジョイントを回転させ、左腕がわずかに前方に揺れるように LeftArm(左肩)ジョイントを回転させます。

    これで歩行アニメーションの腕が揺れるモーションが開始します。

  8. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

    これにより、キャラクタの FBIK エフェクタおよび FK ジョイントすべてにキーが設定されます。

  9. 時間を進めます。
    • HipsEff エフェクタを前方に移動します。
    • かかとが床に触れるように RightFootEff エフェクタを下方に移動します。

    これにより、右足のかかとが地面を蹴るモーションが作成されます。

    • 左腕がさらに前方に揺れるように LeftArm ジョイントを回転させ、右腕がさらに後方に揺れるように RightArm ジョイントを回転させます。

  10. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

    これにより、キャラクタの FBIK エフェクタおよび FK ジョイントすべてにキーが設定されます。

  11. 時間を進めます。
    • HipsEff エフェクタを前方に移動します。
    • 右足が床でたいらになるように RightFootEffPivot1 エフェクタを回転させます。
    • LeftToeBaseEff エフェクタの固定を解除します。次に LeftFootEff エフェクタを上方に移動し、左足がまっすぐになるように LeftToeBaseEff を回転させます。
    • 左腕がわずかに後方に揺れるように LeftArm ジョイントを回転させ、右腕がわずかに前方に揺れるように RightArm ジョイントを回転させます。

  12. s キー(キーの設定のホットキー)を押します。

    これにより、キャラクタの FBIK エフェクタおよび FK ジョイントすべてにキーが設定されます。

  13. 時間を進めます。
    • 手順 4 ~ 6 を繰り返し、右足が前方に揺れて左足がかかとを上げてつま先の付け根から回転するようにします。これで、歩行アニメーションが完了します。

      ヒント:簡易キーを使用すると、キーフレーム間でキャラクタのボディ パーツの位置を微調整できます。キー モード: ボディ パーツ(Key Mode: Body Part)とともに達成度キー モード: 簡易(Reach Mode: Simple)を使用して、キャラクタの達成度設定を変更しなくてもキャラクタの歩行サイクルに詳細(キャラクタの一歩に弾みをつけるための Y 軸に沿ったヒップの移動など)を追加できます。