C++ Maya API と Maya Python API の違い
 
 
 

Maya Python API は C++ Maya API の正確なコピーではありません。統合のため、Python のバインドには変更を加えています。

MString および MStringArray クラスがない

Maya Python API からは、MString および MStringArray クラスを削除しました。Python にはすでに非常に堅牢な文字列の実装があるため、独自のものは必要ないからです。

MStatus クラスがない

MStatus クラスを削除しました。MStatus の代わりに Python の例外を使用する必要があります。前のサンプルを確認してください。

void* ポインタ

Maya API では、メッセージを含む数箇所で void* ポインタを使用しています。Maya Python API では、void* ポインタの代わりに任意の Python オブジェクトを渡すことができます。

プロキシ クラスとオブジェクトの所有者

creator() 関数またはその他任意の関数でプロキシ クラスを作成してそのクラスを Maya に返す場合、新しいオブジェクト上で OpenMayaMPx.asMPxPtr() をコールする必要があります。このコールにより、オブジェクトの所有権が Mayaに移行します。このコールを行わなければ、Python がそのまま所有権を保持し、Maya がオブジェクトへのポインタを持っていても、オブジェクトのリファレンスを解除して破棄する可能性があります。

引数を持つコマンドには MSyntax が必要

C++ では、入力済みの引数を検索するため、引数パラメータ MPxCommand::doIt() を使用できます。Python ではこれは動作しません。代わりに、MSyntax および MArgParser クラスを使用して、スクリプトとして作成された MPxCommand 内で引数をサポートする必要があります。

元に戻す(Undo)

Maya Python API コールと Maya コマンド コールは同一のスクリプトで混在させることができます。Maya Python API コールでモデルを修正した後 MPxCommand を使用した 「元に戻す」操作が適切にサポートされない場合、このようなスクリプトの「元に戻す」操作は正しくなりません。

モジュールと共有ライブラリ

これらのインタフェースを C++ 用に出荷している共有ライブラリと比較すると、唯一の違いは新しい OpenMayaMPx モジュールです。このモジュールには Maya が提供する任意のプロキシまたは MPx クラスへのバインドが含まれます。

インクルード ファイル

Maya Python API のバインドは、Maya API の C++ インクルード ファイルを使用して生成しています。インクルード ファイルは Maya Python API でのプログラミングには必要ありませんが、バインドに含まれている機能と含まれていない機能を確認するのには便利です。C++ API のすべての項目がスクリプト可能なわけではありません。