近似ノード設定を微調整する
 
 
 

各近似設定には、テッセレーション方法やスタイルなどのさまざまな設定があります。これらは、レンダー時にレンダラがどのようにオブジェクトをテッセレーションするかを定義します。これらの設定は、手作業で変更するか、プリセット値のリストから値を選択してプロセスを簡略化することができます。

プリセット(Presets)

パラメトリック グリッド(Parametric Grid)

パラメトリック近似では、サーフェスを u x v 三角形のペアに細分割し、それぞれのパッチを独自にテッセレーションします。サーフェスがカーブの場合、このサーフェスは v アトリビュートを無視します。

パラメトリック近似は、サーフェス近似とカーブ、トレースのみまたはシャドウのみのジオメトリに使用してください。ディスプレイスメントには使用しないでください。

通常グリッド(Regular Grid)

この近似はパラメトリック グリッド(Parametric Grid)近似の手法と似ていますが、テッセレーション密度がサーフェス全体、またはカーブ全体で均一になります。

角度の許容値(Angle Tolerance)

角度(Angle)近似方法は、隣接するタイルの法線の間の全角度が指定した角度の値未満になるまで、サーフェスを細分割します。 角度(Angle) アトリビュートと連動して使用します。

ピクセルの長さ(Pixel Length)

ピクセル(Pixel)近似方法は、 長さ(Length)距離(Distance)の両方を考慮します。この方法は、指定した長さを超えるエッジの長さを持つタイルがなくなるまで細分割します。また、テッセレーションと実際のカーブの間の距離が指定した距離未満になるまで細分割します。満たすすべて(Any Satisfied)と連動して使用します。満たすすべてが選択済みの場合、満たす必要があるのはどちらか一方の条件のみです。そうでない場合、両方の条件を満たす必要があります。

この近似方法はビュー依存です。同じオブジェクトのすべてのインスタンスに同じテッセレーションが適用されるため、インスタンスに使用することはお勧めしません。これを行うと、近くのオブジェクトと遠くのオブジェクトの両方で、テッセレーションが非常に高くまたは低くなる可能性があります。どちらも理想的な状態ではありません。また、カメラ フライスルーや、オフスクリーンだが反射またはシャドウに表示されるオブジェクトに対してもお勧めしません。インスタンスとカメラのフライスルーには、角度の許容値(Angle Tolerance)近似方法を使用してください。

近似方法(Approximation Method)

パラメトリック(Parametric)

サーフェスの各パッチを U 方向と V 方向の均等な大きさのピースに分割します。

通常パラメトリック(Regular Parametric)

カーブは通常パラメトリック(Parametric)によって均一なピースに分割されます。

変形ステートメントを持つディスプレイスメント マップ ポリゴンとディスプレイスメント マップ サーフェスの場合、通常パラメトリックは近似のパラメトリックと同じ意味を持ちます。ディスプレイスメント マップ ポリゴンの場合、u_subdiv 定数はオリジナルのポリゴンの三角網のすべてのエッジを変形 2u_subdivtimes 向けに分割することを指定します。変形近似がディスプレイスメント マップ サーフェスに指定されている場合は、基本的なジオメトリ サーフェスの最初のテッセレーションはポリゴンと同じように分割されます。たとえば値が 2 の場合、各エッジは 4 つの部分に分割されます。サブディビジョン定数には整数以外の値も指定できます。上記の式が 2 未満(u_subdiv < 1)の場合は、何も実行されません。ディスプレイスメント マップのパラメトリック(Parametric)では、v_subdiv 定数は無視されます。

長さ/距離/角度(Length/Distance/Angle)

長さ(Length) 距離(Distance)、および 角度(Angle)アトリビュートで指定された基準によって、曲率依存の近似を指定します。

空間(Spatial)

長さ(Length)アトリビュートだけを指定し、必要な場合はビュー(View)アトリビュートを指定する特別な LDA 近似です。

曲率(Curvature)

距離(Distance)アトリビュートと角度(Angle)アトリビュートを指定し、必要に応じてビュー(View)アトリビュート ステートメントを指定する特別な LDA 近似です。

近似スタイル(Approx Style)

ツリー(Tree)グリッド(Grid)ドローネ(Delaunay)近似アルゴリズムはサーフェス近似でのみ使用可能です。これらのスタイルはカーブ近似には影響しません。 パラメトリック(Parametric)では必ずグリッド(Grid)アルゴリズムを使用します。その他のすべての近似方法では、任意のスタイルを使用できますが、デフォルトはツリー(Tree)です。

グリッド(Grid)

パラメータ空間で等値線の規則的なグリッドでテッセレーションします。

ツリー(Tree)

同じ精度基準をより少ない三角形で実現する連続した洗練の階層内でテッセレーションを行います。

ドローネ(Delaunay)

連続した洗練を行い、三角形の傾斜度を最大限に均一化します。ドローネ三角網は規則的な三角形をより多く作成しますが、計算には時間がかかります。

U サブディビジョン(U Subdivisions)V サブディビジョン(V Subdivisions)

これらの値は パラメトリック(Parametric)によって使用され、サーフェスの各パッチを U 方向と V 方向の均等な大きさのピースに分割します。規則的なパラメータ近似方法は、各パッチ(パラメトリック(Parametric)の場合)またはサーフェス(通常パラメトリック(Regular Parametric)の場合)が何回 U/V 方向に分割されるかを指定します。

最小サブディビジョン(Min Subdivisions)最大サブディビジョン(Max Subdivisions)

長さ/距離/角度(Length/Distance/Angle)を使用して、テッセレーションで三角形を分割する最小回数と最大回数を制御できます。最大サブディビジョン パラメータは、テッセレーションの精度の改善がそれほど見込めない領域に対して多数の三角形が追加されてしまうような暴走状態の回避に特に役立ちます。

最大サブディビジョンの値を 3 程度に低く設定すると良い結果が得られます。一般的に、サブディビジョン レベルごとに三角形の数は 4 倍ずつ増えるので、最大サブディビジョンを 3 から 4 に上げると 4 倍の数の三角形を作成できるようになります。5 に上げると 16 倍、6 に上げると 64 倍の数というように三角形が作成されていきます。

最大三角形数(Max triangles)

この設定は ドローネ(Delaunay)近似スタイルにのみ適用されます。最終的なテッセレーションが含むことができる三角形の最大数を定義します。

等級付け(Grading)

ドローネ(Delaunay)近似スタイルのみに適用されます。

サーフェスの枠付近の三角形の密度を変更し、細かいカーブ近似と粗いサーフェス近似間の滑らかな変化を実現します。トリミング カーブや穴カーブに非常に小さい三角形がたくさん作成され、サーフェスの内側の非常に大きな三角形に突然結合されるのを防ぎます。

度(Angle)定数は、三角形の最小角度の下限を指定します。 0.0 から 30.0 の値を指定できます。20.0 以下の小さい値を指定することをお勧めします。デフォルト値は 0.0 です。高レベルの値を指定した場合は、作成される三角形が多すぎたり、メッシュの微調整が無限に行われたりしないように、三角形の最大数( 最大三角形数(Max triangles)を参照)を指定する必要があります。

長さ(Length)

サーフェスまたはカーブを分割し、テッセレーションのエッジの長さが edge パラメータを超えないようにします。エッジは、オブジェクトが定義された空間内の距離、またはビュー(View)キーワードがある場合はラスタ空間内のピクセル対角線の一部として指定されます。 1.0 のような小さい値を指定することをお勧めします。

ツリー(Tree)グリッド(Grid)近似の場合、 最小サブディビジョン(Min Subdivisions)、最大サブディビジョン(Max Subdivisions)の値は(指定した場合)最適サブディビジョンの反復レベルの最大数と最小数を指定します。最小(Min)では、テストなしで最少限の細かさの三角網が作成されます。エッジは所定の基準を満たすか、または最大分割レベルに達するまで、さらに分割されます。

デフォルトはそれぞれ 0 と 5 で、5 は非常に高い値になります。多くの場合、サブディビジョンを最大 3 つにすると、良い結果を得ることができます。

ドローネ(Delaunay)の場合、 最小サブディビジョン(Min Subdivisions)、最大サブディビジョン(Max Subdivisions)はサーフェス テッセレーションの三角形の最大数を指定します。 各カーブの頂点がテッセレーションの一部となる必要があるため、トリミング カーブ、穴カーブ、および特別なカーブで必要な場合に限り、指定最大値にかかわらず、値がこの数値を超えます。

ディスプレイスメント マップ ポリゴンとディスプレイスメント マップ サーフェスの場合は、長さによって変形三角形のエッジの大きさが制限され、少なくともこの大きさの起伏すべてが確実に解決されます。 分割は、エッジが基準を満たすか、または最大分割レベルに達するとすぐに停止されます。

距離(Distance)

テッセレーションと実際のカーブまたはサーフェス間の最大距離を指定します。距離の値は、オブジェクトが定義された空間内の距離、またはビュー(View)ステートメントがある場合はラスタ空間内のピクセル対角線の一部です。

0.1 などの短い距離から指定していくことをお勧めします。近似スタイルが ツリー(Tree)グリッド(Grid)で、最小(min)と最大(max)パラメータが存在する場合は、最適サブディビジョンの反復レベルの最小数と最大数を指定します。 ドローネ(Delaunay)の場合、最大三角形数(Max Triangles)は、サーフェス テッセレーションの三角形の最大数を指定します。

変形近似ステートメントを持つディスプレイスメント マップ ポリゴンとディスプレイスメント マップ サーフェスの場合は、変形サーフェスが分析的に把握されていないので、距離基準を同じように使うことはできません。そのかわり、テッセレーションの三角形の頂点の変形が比較されます。基準が満たされるのは、差異が所定のしきい値未満の場合だけです。サブディビジョンは、変形が変更される領域で一番細かくなります。たとえば、白黒の画像がディスプレイスメント マップに使用されている場合、黒の領域と白の領域の境界上で三角網が一番細かくなりますが、均一なカラー領域では解像度がこれより低くなります。このような場合、小さな起伏も網羅できるような十分な密度でディスプレイスメント マップをサンプリングする適度に密なパラメータ サーフェス近似を選択し、曲率依存の変形近似を使用して、ディスプレイスメント マップが導き出す曲率を決定することもできます。基本サーフェスを内部のポイントを追加せずに三角化した場合も、トリミング カーブがパラメータ空間内のポリゴンを定義したかのように、最小サブディビジョン レベルを増やして、ある程度の解像度を保証することができます。この場合、条件を判断しながら連続して分割が実行されます。

角度(Angle)

角度ステートメントは、変形ポリゴンやサーフェスまたはその変形のテッセレーションの隣り合うタイルの法線間またはカーブ近似の隣り合うセグメントの接線間の最大角度を度単位で指定します。45.0 のような大きい値を指定することをお勧めします。近似スタイルがツリー(Tree)とグリッド(Grid)で、最小(min)パラメータと最大(max)パラメータが存在する場合は、最適(Adaptive)サブディビジョンの反復レベルの最小数と最大数を指定します。ドローネ(Delaunay)近似の場合、最大三角形数(Max Triangles)は、サーフェス テッセレーションの三角形の最大数を指定します。

ビューに依存(View dependent)

長さ(length)ステートメントと空間(spatial)ステートメントの edge 引数と距離(distance)ステートメントと曲率(curvature)ステートメントの dist 引数がオブジェクトが定義された空間内またはラスタ空間のどちらにあるかを制御します。

長さ(Length)距離(Distance)アトリビュートの値を(デフォルトの)オブジェクト座標空間単位ではなくピクセルで表わす場合は、これをオンにします。ビューに依存(View dependent)の良い点は、カメラに近いオブジェクトに多数の三角形が与えられ、遠い(またはまったく可視にならない)オブジェクトはかなり粗く擬似的に表現されることです。

長さ(Length)

ビューに依存(View Dependent)アトリビュートがオンになると、この値はピクセルで指定されます。オフの場合はオブジェクト座標空間単位で指定されます。長さ基準は、ビューに依存と連動させると特に便利です。たとえば、ビューに依存の長さ = 0.5 は、すべての三角形が結果イメージで 0.5 ピクセル以下になるまで分割が行われることを意味します。長さアトリビュートが 0.0 に設定されている場合、テッセレータはこの基準を無視します。

距離(Distance)

ビューに依存(View Dependent)アトリビュートがオンになると、この距離はピクセルで表わされます。オフの場合はオブジェクト座標空間単位で表わされます。値が小さいと、テッセレーションされたサーフェスは正確な NURBS サーフェスにより近くなります。0.1 のような小さい値を使うとよいでしょう(ビューに依存が無効の場合)。距離アトリビュートが 0.0 に設定されている場合、テッセレータはこの基準を無視します。

空間(Spatial)

空間近似方法は、長さ/距離/角度(Length/Distance/Angle)方法の長さ基準と同じです。この方法を使用すると、すべての三角形が長さアトリビュートで定義した大きさ未満になるまでメッシュが分割されます。この値は、ビューに依存(View Dependent)フラグで定義されたとおり、ピクセルまたはオブジェクト座標空間単位で表わされます。詳細(Fine)近似タイプを使用する場合は、この方法しか使用できません。

シャープ(Sharp)

法線とベクトルの計算を制御します。0.0 に設定すると、mental ray for Maya は可能な場合は変形によって変更された基本サーフェスに指定されたとおり、補間法線を指定します。1.0 に設定すると、mental ray for Maya はジオメトリ法線を使用して、鋭くカットされた外観を実現します。