シーン ビューでペイントする
シーン ビュー内でペイントを行うときシンプル ストロークはカーブとして表示されます。チューブ付きのストロークはワイヤフレームとして表示され、レンダー結果を擬似的に表現します。ポスト プロセス レンダーを行うまでペイントはストロークに適用されないため、シーン
ビュー内でのペイントは非常に高速です。また、単に高速なだけでなく、作業のガイドラインとして用いるのにも十分な信頼性があります。再描画のスピードを改善したい場合は、(ワイヤフレームとして表示されるオブジェクトの表示精度を調整するときと同様に)ワイヤフレーム
ストロークの表示精度を調整することができます。
描画スピードが主な関心事であり、ストロークの最終的な外観をそれほど重要視しない場合(たとえば、ストロークを移動する場合や、同じブラシを使用して数多くのストロークをペイントする場合など)は、シーン ビュー内でペイントを行ってください。
注:正射投影ビューでペイントを行うと予想通りの結果は得られません。代わりにパース ビューでペイントしてください。
ペイントと同時にストロークをレンダーする
ペイントしながらレンダー時のストロークをプレビューするには、ペイント エフェクト パネルのメッシュとして描画(Draw As Mesh)オプションをクリックします。
あるいは、ペイント エフェクトのシーン ペインティング ビューで、ペイントしながらストロークをレンダーすることができます。シーン ペインティング ビューは、シーン ビューのスナップショットです。シーン ペインティング ビュー内でズーム、タンブル、トラック、ドリーなどの操作を行うと、ビューの表示内容が即座に更新されます。シーン
ペインティング ビュー内では、ペイント エフェクトのすべてのストロークを一度にレンダーするか、各ストロークを個別にレンダー(シーン内の他のオブジェクトはレンダーされません)することができます。
最終的なレンダーは行わないでストロークの実際の外観を確認したい場合(たとえば、新しいプリセット ブラシを定義する場合など)は、シーン ペインティング ビュー内でペイントを行ってください。ただし、シーン ペインティング ビュー内ではトランスフォームツールや他のモデリングツールは使用できません。シーン
ペインティング ビュー内で選択したオブジェクトをアトリビュート エディタ(Attribute Editor)またはチャンネル ボックスを利用して編集することはできますが、ペイント以外のタスクではシーン ビューを使用することをお勧めします。
シーン ペインティング ビューを表示するには
- パネルのメニュー バーからパネル > パネル > ペイント エフェクト(Panels > Panel > Paint Effects)を選択して、ペイント エフェクト パネルを開きます。ペイント エフェクト パネルを開くと、ペイント エフェクト ツールが自動的に選択されます。
- ペイント > シーンのペイント(Paint > Paint Scene)を選択します。シーン ペインティング ビューが表示されます。
シーンの表示解像度の変更、RGB/アルファ/輝度プレーンの表示については、
ペイント エフェクト パネルでペイントするを参照してください。これらの機能は、ペイント エフェクト パネルの 3D シーンと 2D キャンバスで共通に使用されます。
シーン ペインティング ビューをリフレッシュする
シーン ペインティング ビューのズーム、タンブル、トラック、ドリーを行うとシーンの新しいスナップショットが撮られ、ストロークのリフレッシュ(Stroke Refresh)メニューで選択されたオプションに従ってストロークがレンダリングされます。次のオプションを選択することができます。
- オフ(Off)
-
シーン ペインティング ビューのズーム、タンブル、トラック、ドリーを行ったときに、ストロークが元の表示精度でワイヤフレームとして表示されます。
- ワイヤフレーム(Wireframe)
-
シーン ペインティング ビューのズーム、タンブル、トラック、ドリーを行ったときに、ストロークが 100% の表示精度でワイヤフレームとして表示されます。
- レンダー(Rendered)
-
シーン ペインティング ビューのズーム、タンブル、トラック、ドリーを行ったときに、すべてのストロークがレンダーされます。
- 選択項目のみ(Selected Only)
-
シーン ペインティング ビューのズーム、タンブル、トラック、ドリーを行ったときに、選択されたストロークだけがレンダーされます。選択されていないストロークは、100% の表示精度でワイヤフレームとして表示されます。
シーン内のすべてのストロークをレンダーするには
- 次のいずれかを実行します。
- ツール バーのペイント エフェクト ビューを再描画します(Redraw Paint Effects view)ボタンをクリックします。
- ストロークのリフレッシュ > レンダー(Stroke Refresh > Rendered)を選択します。
ヒント:レンダーに長い時間のかかる複雑なストロークがシーン内に存在する場合、キーボードの Esc キーを押すと、レンダーを中止することができます。
シーン ペインティング ビューのカメラを変更する
シーン ペインティング ビューのデフォルト設定では、パース ビューのカメラが使用されます。シーン ビュー用のカメラを変更できるように、シーン ペインティング ビュー用のカメラも変更することができます。
シーン ペインティング ビューのカメラを変更するには
- カメラ(Camera)メニューからカメラの名前(persp、front、side、top)を選択します。カメラを変更すると、ビューの表示が更新(全ストロークがレンダー)されます。
シーン ビュー用のカメラを変更するには、パネル > 正射投影(Panels > Orthographic)サブメニューからカメラを選択します。
注:現リリースのペイント エフェクトでは、パース ビュー以外のカメラを使用すると、予期しない結果が発生する可能性があります。
シーン ペインティング ビューの解像度を変更する
シーン ペインティング ビューはモデリング ビューのスナップショットであるため、ビューの表示解像度を調整することができます。解像度が低い場合は画素が粗くなりますが、ビューの表示を更新するときのストローク再描画は高速になります。
シーン ペインティング ビューの解像度を変更するには、解像度(Resolution)メニューから任意の解像度を選択します。シーン ペインティング ビューの解像度を変更しても、最終的なレンダー結果は影響を受けません。
- フル(Full)
-
利用可能な画面領域のサイズにビューを合わせて、ピクセルの最大サイズでビューを表示します(拡大/縮小は行われません)。
- 75%, 50%, 25%, 15%
-
全解像度に対して指定された割合(75%、50%、25%、15%)でビューを表示します。その際、ズーム倍率を調整することによって、画面上の同じ領域が占有されます。
- 実際のサイズ(Actual Size)
-
ピクセルの実際のサイズでビューを表示します(拡大/縮小は行われません)。ツール バーの 1:1 ボタンをクリックしても同じ結果が得られます。
シーン ペインティング ビューのオブジェクトのシェーディングを変更する
シーン ペインティング ビュー オブジェクトのシェーディングを変更するには、オブジェクトのシェーディング(Object Shading)メニューのコマンドを使用します。次のオプションを選択することができます。
- ワイヤフレーム(Wireframe)
-
ポリゴン メッシュではエッジがワイヤフレームで表示され、サーフェスではアイソパラム カーブがワイヤフレームで表示されます。これが、デフォルト設定のシェーディング精度です。
- シェーディング(Shaded)
-
すべてのサーフェス、メッシュ、パーティクルをスムース シェーディングされたオブジェクトとしてレンダーします。
- テクスチャ(Textured)
-
オブジェクトをシェーディングしているマテリアルにテクスチャをマッピングしている場合、ハードウェア レンダリングしたテクスチャが表示されます。
- デフォルト ライティングの使用(Use Default Lighting)
-
ペイント エフェクトのデフォルト ライトによってサーフェス全体が照らされます。
- すべてのライトの使用(Use All Lights)
-
シーン内のすべてのライトによってサーフェス全体が照らされます。
- フォグの表示(Display Fog)
-
現実の世界では、大気中に微細な粒子(フォグ、煙、塵など)が漂っています。こうした粒子は、大気の外観や大気中のオブジェクトの外観に影響を与えます。
Maya では、環境フォグ(Environment Fog)を使用して大気中の粒子をシミュレートすることができます。シーン内で物理フォグ(Physical Fog)を使用する場合は、シーン ペインティング ビュー内に物理フォグを表示し、フォグをレンダーしたときのストロークの外観を確認することができます。物理フォグの使用方法については、『シェーディング』マニュアルを参照してください。
シーン ペインティング ビューにフォグを表示するには
- オブジェクトのシェーディング > フォグの表示(Object Shading > Display Fog)を選択します。
オブジェクトにペイントする
NURBS またはポリゴン オブジェクトに対してペイントを行うときは、最初にオブジェクトをペイント可能にする必要があります。ペイント可能なオブジェクトに対して直接ペイントすると、ストロークのパスに沿ってサーフェス上にカーブが作成され、ストロークと新しいブラシがそのカーブに適用されます。オブジェクトを移動すると、オブジェクトとともにストロークが移動します。ストロークとサーフェス間に一定の距離(オフセット値)を保つこともできます。
オブジェクトをペイントするとき、ペイント可能な別のオブジェクトをペイントしない限り、ストロークはサーフェスから離れません。1 つのストロークの途中でペイント可能な別のオブジェクトをペイントすると、ストロークは次のオブジェクトへと移行し、2 つのオブジェクト間にブリッジが架かります。
注:ペイントできるのは NURBS またはポリゴン オブジェクトのみです。
注:
- ストロークがサーフェス上に残り続けるため、意図しない結果になる場合があります。たとえば、球体がプレーンに交差しているとします。球体からペイントし始めた場合、ブラシを球体から離してもブラシは別のサーフェス(この場合はプレーン)をペイントし続けます。ただし、プレーンからペイントし始めた場合はブラシはサーフェスを離れることなく、つまりストロークが球体へ移動することはありません。
- 結合されたエッジを含む単一のサーフェス(たとえば、2 分割した半分のサーフェス同士を結合したときに生成されたセンターラインなど)をペイントすると、その結合部分からストロークが漏れているように見える場合があります。このような現象を避けるためには、UV
両方向に関して継ぎ目がないようなサーフェスを用意します。
- ストロークがペイントされたオブジェクトを複製しても、ストロークは複製されません。
オブジェクトにペイントするには
- ペイントする 1 つまたは複数の NURBS またはポリゴン オブジェクトを選択します。シーン ペインティング ビューで作業している場合は、Ctrl キー(Windows および Linux)または control キー(Mac OS X)を押しながらオブジェクトをクリックします。
-
ペイント エフェクト > ペイント可能にする(Paint Effects > Make Paintable)を選択します。
注:
- ペイント可能にする(Make Paintable)を選択すると、現在選択されているオブジェクトだけがペイント可能になり、それ以前にペイント可能にしたオブジェクトはペイント不可能になります。
- シーンを一度保存してから再度開くと、ファイル保存時にペイント可能だったオブジェクトもペイント不可能になります。それらのオブジェクトをペイントするためには、シーンを開いた後で、オブジェクトをペイント可能にする操作を再実行する必要があります。
-
ペイント エフェクト > ペイント可能なオブジェクトにペイント(Paint Effects > Paint on Paintable Objects)を選択します。
注:ペイント可能なオブジェクトがシーン内に存在しない場合、ストロークはパース ビューのグリッド プレーンにペイントされます。
- バイザー(Visor)(
ペイント エフェクト > ブラシを取得(Paint Effects > Get Brush))、またはシェルフで、ペイントに使用するプリセット ブラシをクリックします。
- 必要な場合は、ストローク設定を修正します(
ペイント エフェクト > ペイント エフェクト ツール(Paint Effects > Paint Effects Tool))。ストローク設定の変更方法については、
ストロークのデフォルト設定を定義するを参照してください。
- 必要な場合は、ブラシ アトリビュートを修正します(
ペイント エフェクト > テンプレート ブラシの設定(Paint Effects > Template Brush Settings))。テンプレート ブラシの設定の変更方法については、
テンプレート ブラシの設定を定義するを参照してください。
ヒント:
- ブラシのグローバル スケール アトリビュート(デフォルトのホットキー b: ModifyUpperRadiusPress の設定)、ブラシの幅アトリビュート(ModifyLowerRadiusPress の設定)、サーフェスからストロークまでのオフセット値を制御するストローク オフセット アトリビュート(デフォルトのホットキー m: ModifyDisplacementPress の設定)をホットキー エディタのブラシ ツールにて設定すれば、3D シーン内でインタラクティブに変更することができます。ペイント エフェクトのホットキーの詳細については、
デフォルトのペイント エフェクト ホットキーを使用するを参照してください。
- ストロークをミラー コピーされたサーフェスにペイントするときは、サーフェス法線を反転させるホットキーを設定することができます。詳細については、
サーフェス法線を逆転させるを参照してください。
- シーン ビュー内またはシーン ペインティング ビュー内で、地表プレーンに沿ってドラッグします。
シーン ペインティング ビューの詳細については、
ペイントと同時にストロークをレンダーするを参照してください。シーン ペインティング ビュー内での操作については、
サーフェスに複数のストロークを自動ペイントするを参照してください。
ビュー プレーンにペイントする
ビュー プレーンは、カメラ ビューに正規直交する平面です。ビュー プレーン上でのペイントは、カメラと平行な位置で固定されたガラス板の上でのペイントと考えることができます。ビューを変更(たとえばタンブル)すると、ガラス板がカメラに伴って動くように、ビュー
プレーンが更新されます。
ビュー プレーン上でのペイントを行えるのは、シーン ペインティング ビュー内に限られています。シーン ビュー内では行えません。シーン ペインティング ビュー内でビュー プレーンにストロークをペイントすると、個々のストロークがビュー プレーン上にレンダーされます。ただし、ワイヤフレーム表示では、XY
プレーン上でワールド空間の 0~1 の座標(原点の近く)に各ストロークが表示されます。したがって、ワイヤフレーム表示では、原点の近くの領域に各ストロークが重なり合うように見えますが、ビュー プレーン上でレンダーされるストロークは実際にペイントした位置に表示されます。
注:シーン ビューで、ビュー プレーンにペイントすると、予想通りの結果は得られません。ビュー プレーンへのペイントには、代わりに、ペイント エフェクト パネルを使用してください。
ビュー プレーンにペイントするには
-
ペイント エフェクト > ビュー プレーンにペイント(Paint Effects > Paint on View Plane)を選択します。
- ペイント エフェクト パネル(パネル > パネル > ペイント エフェクト(Panels > Panel > Paint Effects))を開き、シーン ペインティング ビュー(ペイント > シーンのペイント(Paint > Paint Scene))に切り替えます。
- バイザー(Visor)(
ペイント エフェクト > ブラシを取得(Paint Effects > Get Brush))、またはシェルフで、ペイントに使用するプリセット ブラシをクリックします。
- 必要な場合は、ストローク設定を修正します(
ペイント エフェクト > ペイント エフェクト ツール(Paint Effects > Paint Effects Tool))。ストローク設定の変更方法については、
ストロークのデフォルト設定を定義するを参照してください。
- 必要に応じてブラシ アトリビュートを変更します(
ペイント エフェクト > テンプレート ブラシの設定(Paint Effects > Template Brush Settings)を選択するか、Ctrl + b キー(Linux および Windows)または control + b キー(Mac OS X)を押します)。テンプレート ブラシの設定の変更方法については、
テンプレート ブラシの設定を定義するを参照してください。
ヒント:ブラシの
グローバル スケール アトリビュート(デフォルトのホットキー b: ModifyUpperRadiusPress の設定)、
ブラシの幅アトリビュート(ModifyLowerRadiusPress の設定)、サーフェスからストロークまでのオフセット値を制御する
ストローク オフセット アトリビュート(デフォルトのホットキー m: ModifyDisplacementPress の設定)を
ホットキー エディタの
ブラシ ツールにて設定すれば、3D シーン内でインタラクティブに変更することができます。
ペイント エフェクトのホットキーの詳細については、
デフォルトのペイント エフェクト ホットキーを使用するを参照してください。
- ビュー プレーン上でドラッグします。
シーン ペインティング ビュー内での操作については、
サーフェスに複数のストロークを自動ペイントするを参照してください。
注:ビュー プレーン上では、実際にペイントした位置に個々のストロークがレンダーされますが、ワイヤフレーム表示では、XY プレーン上でワールド空間の 0~1 の座標に各ストロークが表示されます。これを確認するには、キーボードの Alt キー(Linux
および Windows)または option キー(Mac OS X)を押します。