サブサーフェス スキャタリング シェーダ

実世界のマテリアルの多くは、表面で光を反射せずに内部で散乱したり吸収したりします。このような光学プロパティは「サブサーフェス スキャタリング」と呼ばれ、コンピュータグラフィックスにおいて広く使用されているイルミネーション モデルでは十分に対応することができません。

サブサーフェス スキャタリングは、自然界に存在するさまざまなマテリアルをレンダリングするうえで重要な要素です。わずかな量の散乱でも、人の肌などの多くの有機的な物体の表面に見られる「柔らかさ」が強調されます。

サブサーフェス スキャタリングを実装するために使用するシェーダおよびフェノメナは 2 セットあります。
高速な非物理バージョンと物理的に正確なバージョンです。

高速な非物理シェーダは、人の肌やその他の浅い、表面近くで行われる散乱を効率よくレンダリングできるように最適化されています。「貫通」散乱をサポートしてはいるものの、本当の意味でのボリューム シェーダではなく、耳などの比較的薄いオブジェクトの半透明性に適しています。

物理シェーダは、物理的に正確な方法でサブサーフェス スキャタリングをレンダリングします。自然界と同じ(しかし簡素化された)メカニズムを適用することによって、リアリティをシミュレートします。このシェーダの目的は、特にフォトン トレーシングが使用されている場合に高速な非物理シェーダよりも広範な散乱を完全にシミュレートすることです。特に、フォトン トレーシングが使用されている場合には、周囲からのフォトンがサブサーフェス スキャタリングを実行するオブジェクトと相互作用し、そのようなオブジェクトから放出されたフォトンが周囲と相互作用する必要があります。ファイバチャネルと同じように、ボリュームジオメトリの内部を通って散乱する光などもこのシェーダを適用する例です。

高速なシェーダは、以下の用途での使用が推奨されます。

物理シェーダは以下の用途での使用が推奨されます。

ベース シェーダ ライブラリ内のシェーダは、使用前に mental ray レンダリング ソフトウェアにロードする必要があります。.mi シーン ファイルでは、以下のステートメントを使用します。

        link "subsurface.so"
        $include <subsurface.mi>

このパッケージ内のすべてのシェーダ名およびフェノメナ名は「mental images subsurface scattering」の略である「misss」で始まります。

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