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The Color Magazine

梅雨明けが待ち遠しい季節、いかがお過ごしでしょうか。ご好評いただいております「カラー」をテーマにしたメールマガジンの第3号をお送り致します。マガジンは、モントリオール本社でカラーサイエンス テクニカルリードを務めるDoug Walkerによる記事を中心にお送りしております。
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Topics
前号の「The Color Magazine」では、それぞれ違う特徴を持ったカラースペースを理解するためのツールであるイメージステートと、3つのカラースペースファミリー (output-referred, scene-referred, intermediate-referred) の定義について紹介した。私たちにとって最も馴染みのあるITU-R BT.709、sRGBおよび DCI デジタルシネマスタンダードが属するouput-referred ステートと違い、scene-referredおよびintermediate-referred ステートにあるカラースペースは、直接ビューすることはできないことを学んだ。さらにscene-referred またはintermediate-referred カラースペースから、ビューできるoutput-referred カラースペースへの変換を指す「カラーレンダリング」という言葉にも触れた。今号では、scene-referred、intermediate-referred ステートについてさらに詳しく見て行こう。

Output-referred カラースペースはWhite/Black ポイントの概念を持っている。これらは言うなればビデオモニターや紙の上のインクのような、再現できる最も明るい色と最も暗い色のことである。紙の上で実現可能な反射率の範囲は90%強から2%位までだ。視覚のノンリニア反応により、グレーは反射率50%ではなく、約18%である。従って、インクは紙上において、ニュートラルグレーより上は2 1/2ストップ、下は3ストップを表現することができる (1ストップは露光または反射率において2ファクター) 。しかしながら、晴れた日に写真を撮影することを想像して欲しい。白黒で紙を測定することはできるが、これらは決して最大の明暗を描写できない。例えば、水面に反射する太陽光のほうがずっと明るいし、影の中にある物体 (例:倉庫の内部) のほうがずっと暗いのである。

実際のシーンと同じく、scene-referred と intermediate-referredのエンコーディングは白黒ではなく、むしろグレーの概念に基づいている。アンセル・アダムスが「ゾーンシステム」で提唱しているように、写真家は捉えたいものに対する露出の設定を通して、つまりシーンの中のどの被写体をキャプチャーメディアでグレーに設定するかによって、選択を行っている。同様に、scene-referred と intermediate-referredカラースペースも、全てがグレーのリファレンスポイントを持っており、現実のシーンのように、白の拡散光よりももっと明るい、あるいは黒の拡散光よりもっと暗いルミナンス (輝度) をエンコードする。このように、情報を全てエンコードすることの利点は、後にカラーコレクションのプロセスにおいて、シーンのなかでグレーに設定される被写体を変更し、アダムスの暗室テクニック (例:Dodge / Burnツール) の近代版テクニックを使用し、非常に明るい / 暗いエリアのディテールを表現して、クリエイティブビジョンを達成するのに有効である。つまり実際の撮影後、ポストプロダクションプロセスにおいて、露光やライティングに変更を加えることが可能になる。

ではintermediate-referred カラースペースの例を見てみよう。今日「Log」と呼ばれている様々なカラースペースが存在しているが、これらのほとんどは10-bit DPXまたはCineonファイルとしてストアされるものである。元来Kodak Cineonシステムで定義されたのは、カラーネガフィルムにおいて2.046レンジのdensity (濃度) を表すのに10-bit (チャネル毎) が使われるというものであった。18%グレー10-bitリファレンスポイントの定義は、通常470コード値と言われている。これは最も低い明度からグレーまでの (470 - 0) = 470コード値、そしてグレーからエンコード可能な最も高い明度までの (1023 - 470) = 553コード値ということになる。

ネガフィルムの反応曲線の直線部の傾き (ガンマと呼ばれている) は、density (濃度) の値をシーンの中で相対するLog露光値に変換する際に使用される。0.6弱のガンマを使用することで、5 1/2ストップグレー以下と6 1/2ストップグレー以上のエンコード可能なレンジを提供する。だがネガフィルムの反応の傾きが、露光が極端に低い場合と高い場合に減少するため (フィルムの特性曲線の足部、肩部) 、原理上は、エンコードされた露光のレンジは12ストップよりも大きくなる。しかしながらフィルムスピードにより、さらにシャドウのディテールを記録するためには、数ストップ分露出オーバーにする必要がある。どのケースにせよ、黒の拡散光から白の拡散光の5または6ストップレンジよりも大きい。

描写できる「最も高い明度と最も低い明度」の他に、もう一つ、カラースペースを特徴づける重要なものは、「小さな変化を表示できるか」である。これは量子化ステップサイズ、すなわち1-bitのカラーバリュー (明度) の変更によって表わされる色の変化である。Kodak 10-bit logによる表示では、0.6弱のフィルムストックガンマを使用した場合、シーン露出のストップ毎に90弱コード値を得ることになる。この値はネガの直線部分に対して一定で、反応曲線の足部および肩部において減少する。

では最も一般的な、OpenEXRファイルフォーマットで使用されている16-bitフローティングポイント (ハーフ) データタイプであるscene-referred エンコーディングについて見てみよう。 OpenEXRは、シーンに対するカラーネガフィルムの反応というより、むしろシーン自体の中でカラーバリュー (明度) をエンコードする。18%グレーのバリューは0.18というフローティングポイントのバリューで表わされる。合計30ストップ以上のうち、グレー以上18 1/2ストップとグレー以下11 1/2ストップがある。

Cineonエンコーディングの足部と肩部を無視した場合、OpenEXRで最も高い明度はCineonよりも4,000倍 (12ストップ) 明るく、最も低い明度は64倍 (6ストップ) 暗い。 ストップ毎に1024コード値があり、量子化ステップはCineonの100倍以上集積している。しかしながら、16-bit OpenEXRにおけるこの特別な正確さとエクストラなレンジにより、10-bit CineonファイルまたはDPXファイルの1.5倍のストレージ領域が必要となる (OpenEXRフォーマットは、圧縮することができ、ストレージの負担を軽減することは可能である) 。

今回の「The Color Magazine」では、White/Black ポイントの概念の上に成り立つoutput-referred イメージステートと違って、scene-referred とintermediate-referred イメージステートがグレーの概念をベースにしていること、またこれらのファミリーの中の、2つの最も一般的なカラーエンコーディングについて学んだ。次号では、scene-referred またはintermediate-referred イメージステートとoutput-referred イメージステート間での変換はどのように行われるかを解説する。



オートデスク カラーサイエンス テクノロジーリード Doug Walkerオートデスク
カラーサイエンス テクノロジーリード
Doug Walker
 ダグ・ウォーカー

オートデスクのモントリオール本社で、カラーサイエンス テクノロジーリードとして活躍するDoug Walkerは、 以前はコダック社モーションピクチャーディビジョンでシニアプリンシパル・カラーサイエンティストを務めていた。 長年に渡りコダック・リサーチラボおよびプロフェッショナルフォトグラフィー&グラフィックアーツディビジョンでカラーマネージメントの研究開発に従事。 ICC (International Color Consortium、国際カラーコンソーシアム)の設立にも貢献している。
Event
Autodesk NAB 2008 レビュー

Doug Walkerは6月3日(火)「オートデスク システムユーザーカンファレンス」、6月4日(水) 「オートデスク NAB 2008 レビュー」に来日しイメージステートとASC-CDLについて講演しました。
イベントの会場風景は こちら
Usercase

PostWorks 社
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Information
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