Q. 3DCG業界に入られたきっかけは何でしたでしょうか?
A.子供のころから映画などのSFXが大好きで、特に10代半ばはバックトゥザフューチャー・ターミネーター2・ジュラシックパークといったCGを全面に押し出した映画が多く、ものすごく刺激を受けました。(SWは子供過ぎてよく分からなかたっし、覚えていない。今は好きですが)CGに可能性を大いに感じたので高校卒業後上京し、CGの勉強を始めました。それまでコンピュータも触ったことがなかったのですが幸い先生や周りの友人に恵まれて今では何とか仕事としてCGに携れています。今は家庭用ゲーム機のパワーとインタラクティブ性に魅力を感じ、ゲーム会社で働いています。
Q. どのように Mayaをお使い頂いてますか?
A. ゲーム開発におけるデータ作成はほとんどMayaで行っています。キャラクター、マップ、武器などすべての描画用データはもちろんのこと、ゲームバランスを調整するためにレベルエディタもMaya上で動作させています。アプリケーションを0から開発するよりもMayaのプラグインとして開発したほうがコストも安く、高機能なツールを作成できます。また、Maya標準機能がすべてMELコマンドとして実装されている点が特に便利で、プラグインの再利用が効きやすい点が気に入っています。UNIXのコマンドのようなバッチ処理的な使い方と、GUIによるユーザーに分かりやすいオペレーションが共存しているのでデザイナーもプログラマーも使っています。
Q. これまでに携われたプロジェクトについてお聞かせ下さい。
A. ナムコ以前はCGプロダクションでCG製作に携っていました。CM用映像、ゲームムービー、劇場映画用のCGカットなどです。エンジニアとして各種3DCGアプリケーション用プラグインの開発や、技術サポート、システム管理などを行っていました。ナムコではPS2用ソフトdeath by degreesの開発に携り、プラグイン開発技術サポートなどを行っていました。現在は次のプロジェクトに移動しています。
Q. 3DCG業界で働く面白みは何だと思われますか?この業界の魅力だと感じる部分はどのような点でしょうか?
A. もともとCGの面白みはアートとテクノロジーの融合、人間の感覚とコンピュータによる自動計算をうまく組み合わせることによって様々な表現が可能だという点に感じていました。業界としての面白みは日進月歩で技術が向上していく点ではないでしょうか。日々新しい技術が生み出されていますので、うかうかしてるとあっという間に置いていかれます。逆に誰よりも高度な技術を作り上げることが出来たと思える瞬間はとても興奮できます。いつまでも新技術の枯渇がないとも言えますね。仕事に飽きることはありません。
Q. この先5年間の業界動向をどう思われますか?どうお考えになりますか?
A. どんどんプロとコンシューマーが近づいている現在の勢いはとまらず、自宅のコンピュータを使って様々な表現が出来るようになると思います。ですので、プロとして要求される技術力や知識は非常に高くなっていると思います。
Q. 3DCGに興味をもって、これから業界入りを考えている人達へ、何か良きアドバイスを頂戴できますか?
A. 私がCGに興味を持った時代にはCGアプリケーションはとても高価でした。アプリケーションが動作するSGIマシンももちろん高価で、とても個人で購入できるものではありませんでした。学校でしかCGの実習をすることが出来なかったので、放課後も校舎の施錠時間が来るまで居残っていたのを覚えています。
今はそんな厳しい状況ではなく、個人のパソコン上で十分に動作するアプリケーションが安価に購入できます。環境としての弊害はほとんど無いと言える状況ですので、とにかくCGに対して夢中で取り組んで、自由になる時間はすべてCGに注ぐつもりで多くの知識や技術を吸収してほしいと思います。失敗もすると思いますが、多くの失敗を重ねて少しずつ成功に近づいていくものです。目先の利益に惑わされずにCGだけに情熱を捧げてもらいたいと思います。あとは友達を大切に。
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