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古典油彩画の3D再現
Posted: Jun 26, 2007 - 06:13 PM
ソフトウェア: Autodesk Maya,
カテゴリ: 一般 モデリング レンダリング シェーダ
スキル: 中級
使用ソフトウェア: Maya, Mudbox, Photoshop, BodyPaint, mental ray
制作期間: 2ヶ月
製作者: Zhang Yang (zhangyang84)
感動的なストーリを持つ少女の肖像を創作したいと考えていました。それには、物語に合った背景の中に彼女を置くことが何よりも重要でした。そこで、ジョ ン・ウィリアム・ウォーターハウスの油彩画を思い出しました。ウォーターハウスは、私が大好きな画家の一人です。自分が作成する女性を美しい画の中で表現 したかったので、少女と背景を変えました。この絵は、ジョン・ウィリアムス・ウォーターハウスの画を基にしています。
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以 下は、私自身の思考経過です。オリジナル作品の女性は、身体全体と豊かな表情で感情を表現しています。また、美しい背景は詳細に描画されています。キャラ クターと背景の調和。これは、まさに私の作品の特長です。これこそ、私がこの作品を選んだ理由です。制作にあたり、作品を複製しただけだと捉える人がいる ことを考えなくてはなりませんでした。そのため、配色や顔の表情を明るくする、美しい滝を加えるなど、独自の要素を織り込むことにしました。1ピクセルた りとも、100%オリジナルのピクセルはありません。ライティング、視点、色、環境など、何かしら変えています。この作品の完成までには、丸々1ヵ月半か かりました。この経験を通して、伝統芸術について学び、3Dや2Dに関する多くの識を得ることができました。

作業に入る 前、少し時間をかけて、使用するソフトウェアと手法を選びました。波打つ水面、背景の森、キャラクタの髪、ライティングなど、制作中に遭遇しそうな課題を できるだけ予測して準備したいと考えたからです。幸いなことに、これらの問題を全て解決するソリューションを見つけました。基本的に、全てのエレメントの モデリングにはMayaを用いました。重要な要素のモデルは、Mudboxで作成しました。テクスチャはPhotoshop、レンダリングには mental rayを使用しました。

After I finished the concept design, I spent a long time collecting various references, such as human anatomy diagrams, human skin textures, boat and clothes pictures, environment textures and so on. Certainly I would like to thank http://www.3d.sk, http://www.human-anatomy-for-artist.com, because almost all my references came from there. Then I revised my design again. These are the reference pictures I collected.
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まず、低解像度モデルの作成から始めます。キャラクタは、Mayaでモデリングしました。最初に、標準的な体形の人間を作成しました。トポロジストラク チャの構築に多くの時間をかけました。この段階では、リファレンス用の写真は使用していません。ごく普通の女性を作り、歯、目、髪の毛も作成しました。目 は、2つのレイヤーからなります。1つのレイヤーは、ハイライトと反射を作り出すために使用しました。もう1つは、カラーテクスチャを配置するために使用 しました。ヘアースタイルの基本作成には、NURBSパッチを使用しました。他のエレメントの作成が全て終了した後、顔の表情の調整にかかりました。この 時点で、オリジナルの絵画も含み、リファレンス用写真を幾つか使用しました。但し、キャラクタを、絶望や苦痛にゆがむような表情にはしたくはなかったの で、眼窩を狭くして、鼻背の位置を下げ、額を柔らげました。下図は、キャラクタのワイヤフレームです。赤く印をつけたところは、特に注意した部分です。
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次に、仕上がったキャラクタのモデルを配置し、ポーズを付けました。これには、原画の遠近感や視点、オブジェクト間の位置関係などを考慮する必要がありま した。キャラクタの姿勢と頭の向きを決めたら、新しいキャラクタモデルを複製してオリジナルのモデルを隠しました。以下は、低解像度のラフモデルです。
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衣 服はモデルの身体から衣服の形体を抽出し、作成しました。次に、トポロジ構成とモデルの見た目を調整しました。衣服の作成では、布地の重さとマテリアルに 気をつけました。例えば、シルクなら柔らかく、綿は皺になりやすいなどという特徴があります。モデルを緻密に調節したかったので、MayaのClothシ ステムやSyflexプラグインは使用しませんでした。

キャラクタの手は、手のシェーダを調整できるように分けて作成し、RAMへ保存しました。

前 景の背丈の高い草は、全て手作業で作成しました。これが、思い通りの効果を作り出す唯一の方法だったのです。まず、様々な草のモデルを作成しました。次 に、それらをランダムに配置して、複製しました。草の調整は、広範囲の草むらをソフトに調整できるSoft Modificationツールをメインに使いました。草の調整においては、美的バランスが重要でした。以下は、前景の草と葉のイメージです。

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他のエレメントは、ごく普通の手法でモデリングしました。ここでは、背景の中のはっきり見えない小さな葉や草などは、モデルを作らずに、テクスチャで詳細を作りこめるということにご注意ください。

以下は、サブオブジェクトのモデルです。

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全てのモデルを作成したら、原画に沿うように各エレメントを注意深く配置します。
レイアウトした後、高解像度モデルの処理をします。Mudboxでボディの外見を調整、詳細を加えて、Mayaへ戻しました。衣服の高解像度モデルの作成 は、キャラクタと同様の工程で行います。衣服のしわには特に注意が必要です。衣服のしわにより、衣服と身体の関係を表現することができます。また、キャラ クタの動きも表現できます。それゆえ、しわの扱いには、特に注意する必要があります。さらに、手のモデルに、関節や脂肪などの詳細を加えます。
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モ デリングの修正では、重要なポイントが他にもあります。1点は、リアリズム。例えば、古いオブジェクトの不完全なエッジ、オブジェクトの磨耗・消耗、不規 則に配置されたオブジェクト、砂利、生い茂る雑草などの表現。もう1点は、芸術性。例えば、シーンの階層、遠近感や視点、雰囲気など、原画の認識と芸術的 知識を活用しなくてはなりません。遠近感や視点は、非常に重要です。ボートを中景に配置し、現実的な距離感で背景を配置して、原画のシーンへ近づけまし た。

以下は、メインオブジェクトの高解像度モデルです。

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通常の手法でUV設定します。Mayaの最新バージョンには、パワフルなUV機能が搭載されているので、UVプロセスはMayaで行います。ここでは、頭 部のUVに円柱マッピングを使用しました。他のオブジェクトのUVには、自動、円柱マッピングをサーフェスに混ぜて使用しました。UVのクオリティは、後 で行うテクスチャの作成に直接影響します。私は、シーンに見える部分に大目のUVスペースを与えるテクニックを良く使います。もちろん、これは、アニメー ションで機能する必要はありません。ディープUVなど、他のUVツールを使用することもできます。以下は、シーンの主なオブジェクトのUVです。
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フォ トリアルな仕上がりを追求するため、テクスチャに多くの労力を投じます。この作品でのテクスチャ作成は、かなり厳しい作業でした。基本的に、キャラクタの テクスチャサイズは全て3072×3072、衣服のサイズも全て3kでした。シーンには多くのオブジェクトが含まれていたので、シーンを最適化して、リ ソースを節約することを考えなくてはなりませんでした。これは、制作では、常に留意しています。そこで、シーンの中で遠くにあるオブジェクトには低品質の フォーマットを使用して、テクスチャサイズを小さくしました。あまり重要でないオブジェクトは、カラーマップだけを持ち、バンプマップはありません。次 に、サイズが大きなテクスチャをマップフォーマットへ変換しました。このフォーマットは、mental rayレンダラーに対応し、システムリソースを節約します。

カラーマップは、幾つかの写真を使ってPhotoshopで手 描きしました。人物の皮膚に適用するカラーマップは、注意深く描きました。毛穴や皮膚のしみ、皮膚の下の血管、筋肉、骨なども忘れてはいけません。それゆ え、皮膚には、さまざまな色のバリエーションが必要になります。通常、私は多くの写真をリファレンスとして使用します。カラーマップの彩度を減らして、バ ンプマップと鏡面反射マップを作成しました。顔面の凹凸は、毛穴としわが作り出します。一般的に、頬、鼻の背、額、目尻や目の下などが、特に目立ちます。 Edidermal Scatter Colorのカラーで、詳細や色調を修正しました。また、鏡面反射マップを反射マップへ変更しました。反射マップにノイズマップをかぶせて、よりランダム な反射を作り出しました。次に、Mudboxで、高解像度モデルから緻密な法線マップを作りました。ボディペイントを使い、テクスチャの繋ぎ目を消しまし た。他のテクスチャにも、同じ工程を行いました。以下は、主なテクスチャです。

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自分用のテクスチャライブラリも作っています。これは、植物のテクスチャライブラリと、使用した全テクスチャです。
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この作品の中には、木、金属、ガラス、植物、肌など、様々なマテリアルからなる数多くのオブジェクトが含まれています。この作品では、オブジェクトの違い をできるだけはっきりさせ、似通ったマテリアルのオブジェクトを離して配置するように気をつけました。大きな草むらでは、一部の草を少し黄色くしました。 幸いなことに、パワフルなソフトウェアのMayaには、多様なシェーダーが揃っています。通常、私は、木や粗い金属にはblinn、ガラス、水、反射する 金属にはphong、乾いた草、布、反射しない物にはlambertを使用します。lambertは、ハイライトや反射がないという特長があります。 phongは、blinnよりもハイライトの調整オプションの種類が多いので、反射しやすい表面を表現するのに適しています。これは、シーンのハイパー シェードです。
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ここでは、スキンシェーダを作成方法について、私が使用するテクニックを紹介します。fastskinshaderの使用について問われることがあります が、自分にあった手法は、人それぞれだと思います。私自身は、全て自分で描いて、あらゆるパラメータを自在に調整する方法がベストだと思っていますが、そ れは極めて非現実的です。そこで、8つのマップを使用して、重要なパラメータを重点的に調整します。(拡散カラー、表皮スキャッターカラー、皮下スキャッ ターカラー、プライマリウェイト、セカンダリウェイトなど) 経験から言うと、色を全体カラーや拡散カラーへ結びつけることも可能ですが、結果は大きく異 なります。全体カラーは、カラーマップに近く、拡散カラーは、Sub-Surface Scattering(サブ サーフェス スキャッタリング)エフェクトに近いです。全体カラーが真っ黒な部分を持つカラーマップと結びつく場合、パラメータは、掛け合わされるので、その部分は、 ハイライトも反射もしません。それゆえ、全体カラーを使用する場合には、注意する必要があります。また、耳と鼻の背へのSub-Surface Scattering(サブ サーフェス スキャッタリング)エフェクトは、余り高く、言い換えれば赤くできません。現実に、そのように見える人はいないので、余り赤くするのは不自然になります。 肌は、プラスチックとワックスの間の感じでなければなりません。HDRライティングを使用したため、ライトマップでInclude Indirect Lightingオプションを使用することができました。これで、よりはっきりとした結果が生成されます。以下は、スキン用のネットワークとパラメータで す。
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全て終えた後、ライティングのテストを行いました。mental rayのIBL(イメージベースドライティング)には、HDRイメージを使用しました。さらに、原画の光を再現するライティング、グローバルイルミネー ション、マイナスの輝度値を持つシャドウの緻密性を向上するためのライティング、眼の光を増すためのライティングなど、特殊目的のライティングも加えまし た。左上の角部分にスポットライトを加えて光線を作り、シーン全体に統一感を出し、全体のイメージを希望が感じられるように明るく変えました。また、光 は、絵全体の雰囲気を作り出しています。光線は、Light Fogで生成されます。緻密性を挙げるために、Light Fogを10に設定して、ノイズレイヤーを重ねました。

MayaのPaint Effectを使用して、キャラクタの眉毛と睫毛を作成しました。これらは、テクスチャを使って作成することも、もちろん可能です。

キャ ラクタの髪の毛の作成には、少し時間がかかりました。オリジナルのNURBSパッチから抽出したカーブを、Joe Alter社のShave and a HaircutというMayaプラグインのガイドとして使用しました。これは、使い易く、調整力も高いパワフルなプラグインです。このプラグインについて は、今後のチュートリアルで紹介していきます。ここでは、毛髪を、肌色と調和しなくてはなりません。また、風をうけた動きを表現することも忘れてはいけま せん。

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マットペイントのチュートリアルではないので、これについての詳細説明は行いません。Mayaに搭載されたPaint Effect機能では、3500×4000という最終レンダリングサイズに適合する詳細なテクスチャ作成に対応できないため、Mayaプラグインの Xfrog v4.0と2Dテクスチャ手法を使って、木々を作成しました。マットペイントに対応できる緻密な3D植物を作ることが出来たのは、Xfrogのおかげで す。ただし、このプラグインを巧く活用するまでには、テストや調整にかなりの時間を費やしたのも事実です。Xfrogのチュートリアルについては、http://www.greenworks.com/  をご覧ください。.
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イメージを複数パスに分けてレンダリングしたので、イメージの修正や調整が簡単に行なえました。幾つのパスが必要なのか、そのようにレンダリングパスを設 定すればよいのかは、それぞれの作品によって異なります。原則として、さらに修正や編集が必要な部分は、別のパスにします。ここでは、キャラクタ、衣服、 ボート、水を別々にレンダリングしました。確かに、複数パスでのレンダリングは時間がかかります。しかし、その分、緻密な調整が可能です。以下は、レンダ リングパスの例です。
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全てのレイヤをPhotoshopに取り込み、あらゆるテクニックを駆使してブレンドしました。例えば、レンズフレアを加えて、全体の雰囲気を作り出し、色調を調整し、ノイズエフェクトを加えるなどしました。
私のアドバイスとしては、プロの3Dアーチストであれということです。3Dのテクニックだけに満足せずに、写真やポストプロダクション、絵画などの関連技術や知識も求めることです。それらの技術や知識は、全て自分の創作に生きてきます。
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イメージを完璧に仕上げるために、草に細かな修正を加えたり、イメージをシャープにするなど、最終的な修正を加えます。
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このチュートリアルを最後までお読みいただきありがとうございます。ご質問やコメントなどありましたら、メールをお送り頂ければ幸いです。また、私のギャラリーでもお受けしております。是非、お立ち寄りください。